飯塚病院呼吸器内科のブログ
by res81 お知らせ
福岡県の飯塚病院呼吸器内科のブログです。
呼吸器内科スタッフ13名+呼吸器腫瘍内科スタッフ1名+専攻医4名+特任副院長1名(R5年4月現在)で、日々楽しく頑張っています。 大学の医局に関係なく、様々なバックグラウンドのドクターが集まっています。 飯塚病院呼吸器内科では、専攻医やスタッフを募集しています。ご興味のある方はktobinoh2@aih-net.comまでご連絡ください。 お勧めブログ 飯塚病院血液内科ブログ カテゴリ
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Thoracic splenosis
スタッフのTBです。
久しぶりの更新です。 年明けから今まで、季節がら患者さんが増えたり送別会があったりで、 なかなか更新できておりませんでした。 さて、当科では最近過去の論文から教訓的な画像の問題を拾ってきて、 週に1回勉強しております。 1回目はこれでした。 "Thoracic splenosis" Radiology 2005;237:878-879(クリックで本文に飛びます) 画像は本文を参照してください。要点を簡単に。 “Thoracic splenosis” ・“Splenosis(脾症)”とは、脾臓破裂の結果脾臓組織が周囲組織に着床し、続いて増殖する状態。腹部が最も多く、脾臓破裂の後に67%に生じると言われる。胸腔ドレナージ後に皮膚に出たものや、開胸手術後に縦隔に出たという報告もあり。 ・胸部に生じるものは、脾臓破裂後18%と報告されている ・左が多く、これは横隔膜損傷によると考えられている。 ・男:女=30:8。男が受傷しやすいというだけ。 ・外傷後発見までの期間は平均21年。偶然発見がほとんど。 ・症状:ほとんどない。胸痛や喀血の報告あり。 <Chest CT> ・pleural-based nodule 単発 25% 多発 75% ・正常脾臓と同じ濃度。造影増強効果あり。 <シンチ> ・99mTc sulfur colloid、111In-labeled platelets、99mTc heat-damaged erythrocytesで取り込みあり。 <鑑別診断> ・pleural metastases (most commonly arising from the lungs, breast, or melanoma) ・lymphoma ・localized fibrous tumor of the pleura ・malignant mesothelioma ・invasive thymoma ・intrathoracic extramedullary hematopoiesis <治療> ・症状がなければなにもしない。 ・きちんと脾組織として機能しているため、取ると感染のリスクが高まるという報告あり。 <まとめ> ・左胸膜の腫瘤を認めたら、腹部外傷の既往をよく聞く。 ・thoracic splenosisの可能性が高ければ、まず経過を見るべき。 「なんとなくリンパ節っぽい」という研修医のコメントが秀逸でした。 脾臓がない事、肋骨骨折まで読影出来れば、 後はこの疾患(状態)を知っているかどうかだけですね。
by res81
| 2013-03-28 07:37
| 画像診断
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