飯塚病院呼吸器内科のブログ
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特発性肺線維症の予後因子としてのRDW

スタッフのTBです。

またJournal Watchネタです。
CHEST最新号より、血算の際に計算されるRDWがIPFの予後予測因子である、という論文です。

RDWとは"red cell distribution"の略で、以下の式で求められます;
RDW=(MCVのSD)÷(MCVの平均)×100(%)
貧血の原因の鑑別に役立つと言われていますが(シスメックス社HPをリンクします)、いくつかの疾患の予後因子とも報告されています。
 心不全(J Card Fail 2010;16:230-238、Circulation 2008;117:163-168)
 肺高血圧(Heart 2011;97:1054-1060)
 general populationでも予後因子だったという報告
       (Arch Intern Med 2009;169:588-594)

何故か?理由はよく分かってはいないのですが、炎症により造血・赤血球寿命・赤血球膜異常に影響すると考えられています。(Crit Care Med 2011;39:1913-1921, Arch Pathol Lab Med 2009;133:628-632)

さて、今回は特発性肺線維症(IPF)で、RDWが予後予測因子となるかどうかが検討されました。

The Red Cell Distribution Width as a Prognostic Indicator in Idiopathic Pulmonary Fibrosis
CHEST 2013; 143(6):1692–1698


Background
IPFのclinicl courseは様々。
red cell distribution width (RDW)はCBC検査の際に必ず計算される値。
これが予後因子となるか、IPFのコホートで検証した。

Methods

対象:January 1997~June 2011の期間にInova Advanced Lung Disease clinicでIPFと診断された症例 
検討内容:CBCs, demographics, pulmonary function data, 予後

Results

対象:319例
RDW:11.9~21.9 (median 14.1)
   RDW≦15(正常範囲)…228例→生存期間中央値 43.1ヶ月
   RDW>15…91例→生存期間中央値 16.3ヶ月(P=0.001)

RDWの経過を追跡できた症例:198例
 RDWの変化が+0.010/mo以下の症例→生存期間中央値 43.0ヶ月
          +0.010/mo以上の症例→生存期間中央値 23.9ヶ月(P=0.0246)

*年齢、性別、ヘモグロビンで調整しても、RDWは有意な因子であった。

Conclusions
IPFにおいても、RDWは有用な予後予測因子。
ベースライン、フォローアップともに使用できる。
validationと、病態生理についての検討が望まれる。

考察では、肺高血圧との関連、心血管疾患合併との関連、IPFに伴う肺血管異常による微小溶血、などが原因として考えられていました。年齢・喫煙・栄養状態・肺機能などの因子とRDWの関連は以前より報告があるのですが(Chest 2003;124:494-500, J Gerontol A Biol Sci Med Sci 2010;65:258-265)、今回はそれらの因子を多変量解析で調整してありました。


これまでIPFではあまり注意して見ておりませんでしたので、今後チェックしていきたいと思います。
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by res81 | 2013-06-11 12:43 | 間質性肺炎 | Comments(0)
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