飯塚病院呼吸器内科のブログ
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結核性ふく膜炎  ※ 胸ではなくてお腹です!!

こんにちは、久しぶりにアップします、スタッフ228号です〜

今日は北九州総合病院の先生方と症例検討会を行いました〜
思いつきで開催することになった検討会ですが、その後の懇親会も含め、楽しく充実した時間を過ごすことができました。
北九州のみなさん、飯塚まで足を運んでいただき、ありがとうございました。
病院間を越えたお付き合いができることが、とても嬉しいです。
引き続きよろしくお願いします!!


さて、今日のテーマは・・・

「結核性腹膜炎」

「胸膜炎(きょうまくえん)」じゃなくて「腹膜炎(ふくまくえん)」ですのであしからず。。。

みなさんはご経験おありでしょうか?
実はこの1ヶ月のうちに2例ほど、立て続けに結核性腹膜炎疑いの患者さんがいらっしゃいまして。
調べてみたら、結核患者さんの0.04-0.5%程度らしいのですが、1ヶ月に2例は正直びっくりしました、はい。
腹膜炎がうつるわけじゃあるまいし・・・

ということで、少しまとめてみました。


<概要>
・全結核患者の0.04-0.5%
・半数は肺病変を有しない
・感染経路
 ①肺病変から血行性に腹膜播種した潜在性感染巣が免疫能低下で活動性
  となったもの
 ②活動性肺病変からの全身性血行性播種
 ③腸結核など腹腔内臓器からの連続性波及
・腹腔内に著明な癒着をもたらすことがある


<画像所見>
・腹水貯留
・腸間膜の肥厚、腹膜の均一な肥厚(比較的多くみられる)
・腸間膜に5mm未満の小結節
・結核性リンパ節炎が疑われる直径10-15mm大の結節
 (リンパ節の中心部は造影不良)
・胸部に活動性肺病変 or 陳旧性肺結核


<診断>
★ 下記①〜④から総合的に判断する
★ ただし、病理組織学的に診断をつけることは難しいことも多い
★ 実際には、①、③から診断して、早めに抗結核薬を開始して診断的治療を行うこともある(治療が遅れるよりはマシ、という考え)

①腹水所見
・腹水が滲出性、リンパ球優位
腹水ADA高値
・腹水抗酸菌染色陽性、抗酸菌培養陽性
 (腹水抗酸菌染色陽性率3-10%、培養陽性率20-50%)
・腹水中に悪性および一般細菌感染所見なし

②組織学的所見
・組織学的診断(腹腔鏡下腹膜生検など)

③結核病変の存在
・結核病変の存在(肺結核、腸結核、結核性リンパ節炎など)
・結核性胸膜炎の合併症例もあり

④抗結核薬投与後の経過
・抗結核薬投与によち改善が得られること


<腹水ADAについて>
・cut-off値は 30-40 IU/L程度としている文献が多い
 ➡ 39 IU/Lとすると、感度100%、特異度97%とする報告も

※癌性腹膜炎との鑑別にも有用
 ➡cut-offを 21 IU/Lとすると、感度92%、特異度85%とする報告も


<腹腔内の所見について>
d0264356_22515054.png
粟粒状の結節が壁側腹膜に散在
生検すると肉芽腫性炎症がみられ抗酸菌染色も陽性だったようです


※ちなみに結核性きょう膜炎では
d0264356_22504849.png
     I期:胸膜全体が発赤腫脹し、白色の小結節が散在
     II期:びまん性の小結節とそれらの癒合
     III期:壁側胸膜に白色肥厚性変化を伴う
     IV期:フィブリン網の形成を伴う


腹膜も胸膜も、特に初期は、やっぱりブツブツした感じになるんですねぇ
きっとそこには肉芽腫が〜〜〜っ!!


実際の診療では、胸水や腹水から菌が検出されることは少なく、結核を疑って胸腔鏡を行っても、これは結核っぽいな、という所見に遭遇することは、なかなかありません。結局ランダムに壁側胸膜を生検してみるわけですが、肉芽腫にもなかなか出会えず、結局検査自体があまり意味がなかった・・・ということも。

ただ最近では、採取した組織を組織培養に提出すると菌の陽性率が上がるとの報告もあります。
今度生検するときには、ぜひ当院でも組織培養を出してみたいな、と思います。

結局、最後は胸膜炎の話になりましたが(笑)
ちなみに、先の結核性腹膜炎疑いの患者さんたちは、2例とも腹水ADAが高値(50-90)でした。おそらく結核性腹膜炎と思われます。

原因不明の腹水をみたときには、ぜひ結核性腹膜炎を鑑別に!!
そして、ぜひ腹水ADAを測定しましょう〜


参考:





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by res81 | 2014-06-28 23:45 | 抗酸菌 | Comments(0)
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