飯塚病院呼吸器内科のブログ
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好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA/CSS)①

こんにちはAjです。さっそくですが・・・

EGPA/CSS(好酸球性多発血管炎性肉芽腫症/チャーグストラウス症候群)について、少しずつ書いていきます。
よろしくお願いします。

【概念】
[歴史]
CSS(その当時の別名アレルギー性肉芽腫性血管炎(AGA Allergic granulomatous angiitis)は1951年に病理学者のChurgとStraussがアレルギー素因を有し、
細小血管の肉芽腫性血管炎と血管外肉芽腫をみる疾患を結節性動脈周囲炎(現在は結節性多発動脈炎PN)より分離、独立させたことに始まり、
1952年にZeekは全身性血管炎を5型に分類したうえで、本症をアレルギー性肉芽腫性血管炎と命名し独立疾患とした。
2012年の血管炎分類に関するChapel Hill Cosensus Conferenceでの討議において、血管炎分類と名称が改定され、
Churg Strauss症候群(CSS)はeosinophilic granulomatosis with polyangiitis(EGPA 好酸球性多発血管炎肉芽種症)と名称変更が決定された。
なお、好酸球性肉芽腫症多発血管炎と一時的に称されたが、最終的には好酸球性多発血管炎肉芽腫症となった。


[血管炎としての考え方]
EGPAはGPA(granulomatosis wuth polyangiitis 多発性血管炎肉芽腫症:WGから改称)やMPA(顕微鏡的多発血管炎)とともに、抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連全身性血管炎と呼ばれ、細動脈から細静脈の細小血管を病変の主座とする。
ANCA関連血管炎のうち、EGPAは重度の腎障害例は少なく、喘息が先行し、末梢血好酸球の著明増多とともに、全身諸臓器の好酸球炎症ち血管炎症状(臓器虚血)の2つの病態で発症するのが特徴
※ただし、本症のP-ANCA陽性率は35-40%である。
ANCA陽性、陰性例では臨床像に差があるといわれている(ANCA陽性:紫斑、腎障害、肺胞出血 ANCA陰性:心障害、肺病変)。Ann Intern med143:632,2005


[病理]
病理組織学的には全身諸臓器のフィブリノイド壊死性血管炎と血管壁および血管周囲の好酸球浸潤を伴う肉芽腫性病変を呈することが特徴
→病理学的にはアレルギー肉芽腫性血管炎という。

☆上記を総合させると、
EGPAは好酸球性臓器炎症、血管炎に虚血、肉芽腫形成の3つの特徴病態の複合と考えられる。

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【疫学】
・好発年齢 平均発症50歳前後、ただしいずれの年齢層にもみらえる。
・男女比 1:2 女に多い
・我が国における年間新規患者数は、約100例と推定されている。国内の推定患者数は1866人。
・発症頻度 2.4-6.8人/100万人程度
・長澤らの報告では、喘息患者の5000人に1人の割合、Martinらの報告では64.4人/ぜんそく患者100万人
・人種差や地域差は報告されてない


【典型的経過】
気管支喘息、アレルギー性鼻炎をはじめとしたアレルギー疾患が先行し(重症喘息が数年先行)、末梢血好酸球の著名な増加とともに全身の血管炎症状が出現する。
血管炎症状は四肢末梢のしびれと疼痛を主訴とする多発単神経炎を高率に認め、他に肺、心、消化管、腎、皮膚、筋肉、眼、関節、中枢神経、副鼻腔など全身のあらゆる臓器におこりうる

※血管炎発症前に一過性の肺浸潤(好酸球性肺炎)、好酸球性胃腸炎を呈することも多い。
※喘息発症から血管炎発症まで3年以内が多いといわれているが、喘息発症後8-10年の報告が多く、中には30年以上経過して発症する症例もある。
発症時に喘息症状がなくても、経過中に喘息症状が顕在化する症例も多い。


参照:アレルギー診療ゴールデンハンドブック、日内会誌 95:1493-1500,2006、びまん性肺疾患の臨床 第4版

今回はここまで!全身の血管炎であり、症状は多彩です。

EGPAは早期診断、早期治療が大切ですが、なかなか診断に至らないケースも多いのが現状です。
ちょっとした痺れや腹痛は見逃されやすかったり・・・

次回は診断や治療についても書いていきます。よろしくお願いします!!


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by res81 | 2014-07-26 15:30 | アレルギー | Comments(0)
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