飯塚病院呼吸器内科のブログ
by res81
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好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA/CSS)③ 治療・検査編

こんにちは。スタッフのAjです。
前回に引き続き、今回もEGPA/CSSについて書いていきます。

今回のテーマは、EGPA/CSSの治療や予後についてです。
EGPA/CSSはステロイド、免疫抑制剤に対する治療反応性は比較的良好と考えられているが、末梢神経障害および心病変は後遺症を残すことも少なくなく、予後良好とはいえない疾患である。


【治療】

治療が非常に重要
・EGPAの治療における大原則は、早期診断・早期治療。特に心・消化器病変は急激に悪化し、致死的になることも少なくないため、症状が乏しくても積極的に評価し、早期対応する。
病理診断が得られなくても予後改善のため治療を開始する。また虚血性臓器障害は、発症後の経過が長いほど治療不応となる。
EGPA発症粗期の死亡原因は、消化管虚血によるイレウスや穿孔、不整脈死が主体で一部に脳虚血障害もある。
一方、中長期の死因は、心機能低下ならびに治療による感染症や骨粗しょう症併発によるものが主体である。


①ステロイド治療
・ステロイドはEGPAに対する必須の基本薬である。PSL1㎎/㎏/日程度(40-60㎎/日)から開始し、症状の改善と末梢血好酸球数の正常化が得られたら(目標:好酸球1%未満、300個以下)
20㎎/日までは1-2週間ごとに投与量の10%~20%ずつ、もしくは5㎎ずつ漸減する。
・この際、重症例や進行が早い例では、その効果の速さからmPSL1g/日を3日間投与し、これを2-3クール繰り返してもよい。安定期にはPSL2.5㎎~10㎎/日で好酸球増多を来さないように維持できる例が多い。


②シクロフォスファミド(CY)の併用 免疫抑制剤の併用!!
中等症以上もしくは好酸球減少がステロイド薬で得られないEGPAでは、CY併用を強く推奨する!!!さらに非重症例においても、CYを併用した方がその後の再燃が有意に少ない。
◎投与ルートとして、経口CY(2㎎/㎏/日)とIVCY月1回(500-800㎎、または0.6g/m2)がある。
効果と副反応から後者の方が望ましいとする考え方が主流であるが、十分なエビデンスは少ない(経口だと総投与量が多くなりやすい。)
投与期間については、半年よりも1年間(=12回のIVCY)の方が再燃は少ないとする報告もある(もちろん、コントロール不良な人は、12回以上投与していく)。ただし、高齢者ではその投与量に十分注意が必要である。骨髄抑制やその他副作用に注意しながら定期的に検査をし、治療を行っていく。
初回入院以外は、2泊3日で投与可能。
※CYが使いにくい人や他の免疫抑制剤でもコントロール可能な人は、AZP、CyA、MTXなどを用いる。
※若年者、特に妊娠可能な女性では、その投与適応は慎重に行う。
不可逆性の排卵障害をきたすため、どうしても投与しなければならない場合は卵子を保存しておく必要ある!男性も、精子保存を!

※エンドキサンの発癌性には注意&必ずムンテラが必要。
総投与量  20gで相対危険度  2.4 
    20-40gで相対危険度 6.3 
      50gで相対危険度 14.5


③大量ɤグロブリン療法(IVIG)の併用
・ステロイド薬とCYを併用しても末梢神経炎と心機能低下は治療抵抗性であり、EGPAの予後は意外に不良である(特に心機能障害が予後を規定する)。
このような症例にはIVIGが著効することがあるため、投与を推奨する。
・EGPAに対するIVIGには以下の3つの意義がある
1.ステロイド抵抗性の神経障害への効果2.治療抵抗性心機能障害(EF低下と不整脈の両者)3.ステロイド薬減量と予後の改善効果

末梢神経障害に関しては、罹患期間が長くなるにつれて運動障害が固定され、筋委縮が明らかな症例では効果が得られにくいが、
特に心病変では、IVIG直後から不整脈やEFの著名な改善を認めるケースがほとんどであり、患者の中長期的予後改善に大きく貢献している。
               Asthma Immnunol 93:80-87,2004、Jpn J Clin Immun 24:336-346,2001
ただし、実際には末梢神経障害が改善する症例も多い。血流改善させるメカニズムがあるようで、グロブリン投与+リハビリ!!!を併用することが大切である。
投与中に末梢が暖かくなり、ビリビリしてきたと効果を実感する人もいます。投与後から実感する人もおり、それぞれです。
IVIG自体には好酸球減少効果や強い抗炎症効果はないため、ステロイドや免疫抑制剤との併用が必要である。まずステロイドや免疫抑制剤でしっかり治療したうえで、グロブリン投与が鉄則!!
グロブリン投与の効果持続は人ぞれぞれ。コントロール悪い人でも2-3か月に1回。1回の入院で1回まで。


④生物学的製剤の可能性
・抗IL-5抗体(mepolizumab):EGPAの活動期は活性化好酸球とIL-5が増加するため、本剤の効果が期待されている。
・抗IgE抗体:本剤を使用中にEGPAが発症したとの報告があるが、omalizumab投与し、ぜんそく症状の改善と好酸球数の減少が得られたとの症例報告もあり、現時点では結論はついていない。
・その他:IFN-αやTNF-α阻害薬は一定の効果があると報告されたものの、感染症や悪性腫瘍の副作用でEGPAへの開発は中止となった。抗CD20抗体(B細胞抑制)を治療抵抗性にEGPAに投与し有効であったとの報告もある。今後の開発に期待。


⑤リハビリ
末梢神経障害には足浴も効果あります。


⑥isosorbide dinitrate
フランドルテープ®(1日2枚まで)を末梢の痺れが強い部位に、適当な大きさに切って貼る(指に巻き付けたり)。ALLERGY 2003 : 58 : 680–690

【予後】
5年生存率 90%以上 10年生存率 70-80% 20年生存率 50-70%

ただし、下記5つのうち2つ以上合併している症例では予後不良。Guillevin L,et al:Medicine 75:17-28,1996
2つ以上陽性だと5年生存率は50%前後となる。

1.血清Cr(>1.58㎎/dl)
2.蛋白尿(1g>day)
3.重症消化管病変(穿孔、出血、梗塞、膵炎など)
4.心病変(心筋症、不整脈、心不全)
5.中枢神経障害

高齢なども予後不良因子の一つ.


特に心病変があると、突然死のリスク高い。
初期治療後に、見かけ上症状やデータはよくなるけど、心病変合併しているケースでは、いきなり心停止になることある。
→危ないから注意を。最初にしっかり、ムンテラすることが大切!!!


参考:アレルギー診療ゴールデンハンドブック、日内会誌 95:1493-1500,2006


文字ばかりになってしまいすみません。
次回は今まで3シリーズに書ききれなかったことを付け加えて書いていきます。
あとは、アスピリン喘息や食物依存性運動誘発アナフィラキシーなども書いていけたらと思います。
まだまだ暑さは続きますので、体調崩さないように頑張っていきましょう。


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by res81 | 2014-08-24 16:22 | アレルギー | Comments(2)
Commented by 吉村 at 2015-12-02 23:33 x
はじめまして
現在この疾患の患者様のリハビリ担当しています
理学療法士です
末梢神経障害に対しての足浴効果とその他リハビリ内容にtづいて資料があれば教えていただきたいです
よろしくお願いいたします
Commented by res81 at 2016-02-21 20:11
吉村様

ブログを見て頂き、コメントを頂けて大変恐縮です。本当にありがとうございます。
相模原病院では足浴などを積極的に行い、患者さんの症状改善を図っていました。私は経験数が少ないため、相模原病院の先生に足浴効果のデータについてお尋ねしてみます。そしてまたご報告させて頂きます!
なかなか症状改善が難しく大変と思いますが、このように患者さんのために情報を集め頑張って下さり、本当に素晴らしいです。ありがとうございます。私も頑張ります!
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