飯塚病院呼吸器内科のブログ
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肺動脈の血流と間質陰影について

こんにちは、スタッフ228号です〜

いやーひさびさの投稿になります。もう1月も終わりを迎えようとしていますが、ブログともども今年もよろしくお願いします。

さて、先日、第32回北九州胸部疾患研究会に参加してきましたので、その様子を報告させていただきます。当科からは後期レジデントのY先生が、堂々と症例発表をしてきました!

d0264356_05195485.png
日常業務をこなしながら直前までがんばりましたからね〜 立派でした!


発表内容に関して少し。。。


今回は、右肺動脈の一部(下葉肺動脈)が途絶した症例・・・その途絶の原因が肺塞栓症なのか、肺動脈欠損症なのか判断が悩まし〜い症例を提示しました。しかも、血流が途絶した部位の肺野にすりガラス陰影、さらに一部は線維化した所見(牽引性気管支拡張症)が!!あたかも、片側性の間質性肺炎のような(ふつう間質性肺炎は両側ですよね)


肺動脈の血流が途絶えた場合のCT所見としては、mosaic pattern(モザイクパターン)が有名です。

慢性肺血栓塞栓症では、血栓がぱらぱらと散らばり血管を詰めてしまうわけですが、すると肺野では、血流がある部分(CTではやや白く映る)と血流が途絶えた部分(CTで黒く映る)とが混在した mosaic pattern が生じると考えられます(参考:日呼吸会誌 2006; 44: 485-491)。CTで肺病変をみるとき、通常は白っぽいほうが異常所見と考えられますが、この場合は黒っぽい部分のほうが異常なんですね〜

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ちなみに、mosaic patternは、細気管支領域の病変がある場合にも、小葉単位で含気のむらができ、CTで黒い部分(空気がうまく吐き出せずにair trappingした部位)と白い部分(空気が吐き出せている部分)とが混在して生じます。教科書的には、過敏性肺炎の所見として有名で、どちらかというと「mosaic pattern=細気管支病変」と認識されていることが多いように思います。

d0264356_05203771.png

さて、話を今回の症例に戻すと、mosaic patternは、血流が途絶えている部分と血流が保たれている部分とが混在することで生じるわけなんですが、今回の症例のように、右下葉肺動脈というかなり中枢側の動脈が閉塞してしまうと、単純に考えれば、右下葉の血流が途絶えるわけですから、その部分の肺野は、どちらかというとより黒く映るはず・・・なんですが、今回の症例は、この部分がすりガラス陰影(もやもやと白っぽく)を呈しているんですね〜

しかも、一部に気管支が拡張した(つまり線維性の変化によって気管支が牽引されて拡張してしまっている)間質性肺炎のような所見もあるという・・・


この病態はいかに!!??


ということで、case reportですが、こんな論文を紹介します。
J Thorac Imaging 2008; 23: 292-294.
AJR 2007; 189: 221-223.

d0264356_14230186.png

いや〜この写真はインパクト大きいですね!!
血流が途絶え、その部位に一致してすりガラス陰影がみられ、そしていわゆる間質性肺炎のような所見(蜂巣肺)を伴っている・・・


ちなみに、この論文では、こんな考察がしてあります。


肺動脈(肺循環系)の血流が途絶える
➡ 体動脈(体循環)からの側副血行路が発達する
➡ 肺動脈系と体動脈系とが交通をもつ
➡ 血管内の圧格差や高濃度酸素により、発達した側副血行路や交通部位が浮腫、塞栓、出血などを来す(=すりガラス陰影となる!!)
➡ 浮腫、塞栓、出血などが繰り返されていく中で、次第に線維化をもたらしていく・・・


う〜ん、なるほど、深い考察!!


ということで、今回のブログのまとめです。

・mosaic patternは、細気管支病変の場合と血流に問題がある場合が考えられる
・mosaic patternは、黒っぽい部分のほうが病態の主座である
・血流が途絶える部分は黒っぽく映るが、時にその部位に側副血行路が発達することで、すりガラス陰影を生じうる
・さらに、血流が途絶えた部分は、線維化も伴いうる
・片側性に間質陰影(すりガラス陰影や線維化を示唆する所見)がみられる場合には、その陰影の中枢側の血管系を評価しよう(もしかしたら中枢の血管の血流が途絶えているかもね)!


以上、ややマニアックな内容でした、どうもお粗末様でした〜
Y先生、本当にお疲れさま〜☆





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by res81 | 2015-01-28 05:31 | 間質性肺炎 | Comments(0)
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