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飯塚病院呼吸器内科のブログ
by res81
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福岡県の飯塚病院呼吸器内科のブログです。

呼吸器内科スタッフ13名+呼吸器腫瘍内科スタッフ1名+専攻医4名+特任副院長1名(R5年4月現在)で、日々楽しく頑張っています。
大学の医局に関係なく、様々なバックグラウンドのドクターが集まっています。

飯塚病院呼吸器内科では、専攻医やスタッフを募集しています。ご興味のある方は
ktobinoh2@aih-net.comまでご連絡ください。

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呼吸器疾患と嚥下障害

皆さまこんばんは、呼吸器当直中くつろいでしまっているスタッフYです。

「飯塚病院呼吸器内家」の一員に迎え入れてもらい、早一年が経ちました。不慣れな土地、迷路のような病院で 充実して過ごすことができたのは、文字通り家族のように暖かくしてくれる当科の皆様のおかげです。

さて、このブログをきっかけに当科と出会うことができた私にとって、今度は私が当科の様子をお伝えできればと思い、投稿することにしました。

飯塚で学びたいと考えたテーマの一つが、誤嚥性肺炎の診療をよりよくすることです。決して当科が誤嚥性肺炎を専門としているわけではありません。けれど、各々が興味を持った分野を極めるために、とことん応援してくれる手厚い(熱い)体制があります。

喘息、COPD、間質性肺炎など、いくつもの専門チームを形成しており、これらのチームでは臨床はもちろんのこと、学会や研究活動も行っています。まるで壮大な研究をしているかのように聞こえるかもしれませんが、大きなテーマでなくとも、日常診療でのちょっとした疑問を解決するためにどうしたらよいか、一緒に頭を悩ませてくれる仲間や、導いてくれる指導者がいつもそばにいてくれるのです。新しいことを積極的に取り入れる柔軟さも、大きな特徴の一つです。日々浮かんでは消えていくような何気ない発想や気づきを拾い上げ、大切にしてもらえることで、リアルタイムで診療に還元されていくのをここではしばしば目の当たりにします。

では誤嚥性肺炎の診療をよりよくするには、どうしたらよいのでしょうか。これはきっと永遠の課題ですが、まずは元気なうちから予防ができないかと考えています。様々な病態が誤嚥性肺炎の原因になりますが、中でも我々が日々診ている呼吸器疾患は、嚥下機能に影響を与えることがあります。誤嚥性肺炎の「予備軍」とも言えるかもしれません。

とくにCOPDでは、嚥下障害を来しやすいのです。これまでその原因として喫煙、加齢、肺の過膨張、筋力低下、睡眠時無呼吸症候群や逆流性食道炎の合併などが挙げられてきました。近年ではさらに、呼吸と嚥下の協調性がうまくいかないことも、大きな一因になっていることがわかってきました。

そこで当科では昨年から、COPD患者さんの定期的な診察・検査に、嚥下機能の評価も取り入れています。今年からは、この分野の先駆者でおられる兵庫医科大学生理学講座の越久敬仁教授にご指導いただき、さらに丁寧に診ていくことが可能になりました。越久先生は遥々飯塚までお越しくださり、呼吸器疾患と嚥下障害について、学会でしか聞けないような真新しい研究内容も交えて、院内で講演を開いてくださいました。病院内外からの強力な支えのおかげをもち、COPDチーム/嚥下チームは新年度に向けて一歩前に踏み出すことができました。

嚥下の話ばかりになりましたが、呼吸器疾患の患者さんの体調をしっかりと診ていけるようにと、InBody検査や外来での6分間歩行試験、リハビリなども含め、診療体制が眼に見えて充実してきています。

年度末、お別れも多い時期ではありますが、幸いにも当科は一人も減ることなく新年度を迎えることができます。また遠方からの新しい仲間が増えることを、一同とても楽しみにしています。

2017年度も、どうぞよろしくお願いいたします。


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by res81 | 2017-04-01 04:22 | 科の紹介 | Comments(0)
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