飯塚病院呼吸器内科のブログ
by res81
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福岡県の飯塚病院呼吸器内科のブログです。

呼吸器内科スタッフ10名+呼吸器腫瘍内科スタッフ1名+後期研修医4名(H29年4月現在)で、日々楽しく頑張っています。
大学の医局に関係なく、様々なバックグラウンドのドクターが集まっています。

飯塚病院呼吸器内科では、後期研修医やスタッフを募集しています。ご興味のある方は
iizukakokyu@gmail.com までご連絡ください。

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ATS③ ~ 学会での意見交換 ~

ワシントンDCより、こんにちは。
ATS(アメリカ胸部学会)に参加させて頂いているスタッフのYです。
学会は早くも3日目が終わってしまいました。

本日の当科からの発表と、3日間を通じての感想をお伝えしたいと思います。
本日のハイライトはなんといっても、我らが団長 Aj先生のポスター発表でした!日本語で表現するのも難しい題材を、英語で、しかも表現豊かに堂々と発表されていました。国内でも、機内やホテルでも深夜まで練習を積み重ねた成果と思います。質疑応答にも笑顔で丁寧に答え、さらに同様のテーマを扱っている他の先生方のところへ出向き、時間の許す限り、互いに発表や質問をしあったり、議論を深めておられました(もちろん全て英語です)。日本では稀少なことも国際学会に出ると類似の報告も散見され、発表者の先生方と意見を交わすこともできます。国際学会に参加するひとつの醍醐味を感じました。
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Aj先生は英語が苦手とのことですが、前向きな姿勢で果敢に取り組むことで、意思疎通はいくらでも可能です。先生は言葉の壁にひるむことなく自ら他の先生方と意見を交わされており、新しいことをどんどん学ぼう、共有しよう、という姿勢に、はっとさせられました。質問をしてくださる方に答えることで満足してしまっていた私にとって、学びの場は開拓していくものなのだと感じさせられました。同じ日程で学会に参加していても、得られるものは自分次第で大きく変わりそうです。これについては後日また共有できればと思います。
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さて、1日目のワークショップですが、Aj先生と621先生が気管支鏡の最新技術を習得されている間、私はPulmonary and Critical Care Reviewsという講義型のものに参加しておりました。これは主に米国で専門医の取得や更新を目指している医師を対象としたものと思われますが、各国から様々な年代の先生方が参加されていました。個人的には、米国の同年代の呼吸器内科医に要求されることはどういうことなのかを知ってみたくなり、他の講演とは違った視点で用意されたこのワークショップを選択しました。

一日で呼吸器各分野の総復習をしながら、新しい知見を学ぶことができました。クイズ形式で自分のスマートフォンやタブレットから回答し、会場内の回答の分布を見ながら、解説をしてもらえる形式でした。クイズ形式のため印象に残りやすく、解説の部分で各分野の最新の知見を学ぶことができるよう構成されていました。参加者も演者らもいつでも自由に発言し、互いに高めあおうとする活発な雰囲気でした。
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また2日目は「ポスターディスカッションセッション」で発表をさせて頂きました。これは、同じテーマの25名のポスターが部屋に展示され、お互いにポスターをじっくり見合ったあと 全員が着席して、座長の先生と参加者で議論を交わす形式です。詳しくはすでに621号先生が書いてくれているので(http://res81.exblog.jp/24216624/)、ここでは個人的な感想を書かせてください。

今回は「COPDの増悪と予後」に関する集まりに入れて頂きました。COPDの死亡率や増悪の予測になり得る肺機能検査や6分間歩行試験、画像検査の所見、バイオマーカーなどが取り上げられました。欧米の方々の積極的な姿勢と、3名の座長の面白い進行も相まって、議論がとにかく白熱していました!なかでもとくに、座長からも聴衆からも、繰り返し聞かれたのがこの2点です:

1.How does that directly benefit our patients?
その情報は具体的にどのように患者さんのためになるのか?
研究が臨床現場で活用されるまでにはもちろん試行錯誤と時間が必要であって、臨床に直結しない段階の研究も多いのですが、どの段階においても、常に「患者さんに直接活かすことができるのか」を問い続ける重要性を認識しました。研究に初めて取り組んでいるからかもしれませんが、うまく発表したくてつい必死になり、「研究のための研究になっていないか」と、ふと我に返ることがあります。目の前の患者さんに、いつどのようにして還元できるかを問い続けながら、これからも研究を深めていきたいと思いました。

2.Is that modifiable?
それは介入(改善)可能なのか?
今回はCOPDの増悪や死亡の危険因子の見出し方に焦点を絞った会でしたので、「その危険因子を発見できたとして、それを改善するような介入が可能なのか?」という意味かと思います。医療経済に厳しい欧米では確かに、介入の難しい危険因子の発見に時間と労力や金銭を費やすことは、推奨しにくいのかもしれません。医療資源に限りがあるのは世界共通です。臨床研究を学ぶ者として重要な視点を教わりました。
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我々の研究は、(とくにアメリカでは)まだ着目されていないテーマであることと、臨床に直結するという点において、高く評価していただきました。呼吸器分野では嚥下はほとんど取り上げられないテーマのため、逆に負の感情なく受け入れていただいたように感じました。介入が可能であるかどうかについては、理学療法や栄養療法の効果が示唆されていますが、自身の実体験で伝えていけるように今後取り組みたいと思いました。

同様のテーマで国内の異なる分野の学会で何度か発表をさせて頂いたのですが、国内外それぞれの場で違う切り口で質問や意見を頂くことができて、とても刺激になりました。あえて慣れない世界へ踏み出すことで開かれる扉がいくつもあるようです。

臨床に全力投球しながら臨床研究をすることは容易ではないことをこの一年間で感じましたが、臨床も研究も互いに補い合うものであることも、今回の学会で認識しました。

我々の発表にあたって、様々な形で支え、ご指導くださった皆様に心よりの感謝を胸に、最後の一日も精一杯 吸収して帰りたいと思います。

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by res81 | 2017-05-23 12:48 | 学会・研修会 | Comments(0)
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