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飯塚病院呼吸器内科のブログ
by res81
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福岡県の飯塚病院呼吸器内科のブログです。

呼吸器内科スタッフ13名+呼吸器腫瘍内科スタッフ1名+専攻医4名+特任副院長1名(R5年4月現在)で、日々楽しく頑張っています。
大学の医局に関係なく、様々なバックグラウンドのドクターが集まっています。

飯塚病院呼吸器内科では、専攻医やスタッフを募集しています。ご興味のある方は
ktobinoh2@aih-net.comまでご連絡ください。

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大阪大学放射線医学統合講座での国内留学報告

こんばんは。後期研修医2年目Gyです。

私は呼吸器内科医として歩み初めて未だまもなく、画像読影に自身がなく画像コンサルトを受けるたびにいつか集中的に勉強する時間を作りたいと考えていました。そんな時に当院・当科の国内留学の話をいただき、6月〜8月の3ヶ月間、大阪大学放射線医学統合講座で研修をさせて頂くことになりました。

大阪大学放射線医学統合講座は豊富な症例、最大規模の医局員数、トップクラスの研究実績があり、幅広い疾患を短期集中でレビューするには最適な環境でした。

主な研修内容は胸部画像(単純X線、CT)の読影、CTガイド下生検施行、症例検討会/カンファレンスへの参加でした。

研修初日から他の先生と同様に胸部画像とレポート記載欄に向き合うのですが、レポートを書く手が進みません。(陰性所見を含め)どのような所見を記載すべきなのか、どのような表現を使用すべきなのかが分からなかったのです。
そこで依頼医が望んでいるような情報、鑑別診断、正しい表現法等を学ぶためにまずは蓄積された症例と教科書や既存の読影レポートとを見比べながら読影に慣れることを目標としました。
胸部X線やCTが難易度別に集積されたteaching fileがあり、そこには主訴・現病歴・臨床診断・画像読影結果・最終診断が記されていました。胸部X線とCTとを見比べながら読影を進めることも可能であり、学習には最適な教材でした。読影を進める中で、自らの解剖の知識や用語の理解が浅いことを痛感しました。また見たいものをみる訳ではなく、(心血管系や乳房・甲状腺等)写っているもの全てを漏らさずみるために読影手順を画一化することの必要性を感じました。

ひと月程度経つと画像読影に面白みを感じるようになり、レポートを記載してfeed backをいただきながら知識や考え方の引き出しを増やしていくことがとても楽しくなりました。また症例検討会やセミナーでは、一つの症例に関して研修医からスタッフの先生までが各々に鑑別を考える過程を共有する機会が多くあり、非常に勉強になりました。放射線科医は画像上の特徴だけではなく、疾患についての幅広い知識が必要とされることを感じました。

研修を通して実感したことは、胸部画像は病変があるのは明確ですが病変と疾患が一対一対応ではなく、診断に辿り着くのはそう簡単ではないということでした。例えば、末梢優位の非区域性の斑状影〜浸潤影をみた際には感染症はもちろんですがCOPやCEP、NSIP、悪性腫瘍(浸潤性粘液産生性腺癌、悪性リンパ腫、転移性肺腫瘍等)も考えられます。やはり、画像だけではなく症状や経過の情報も加味することが診断に至る際に重要であると思いました。

今後、このような貴重な経験を臨床に活かすと共に、当院でのteaching file作成の推進や胸部画像に関する疑問のshare等を行っていきたいと考えております。

新たな環境で慣れないことも多々ありましたが、熱心で親切な先生方に恵まれ本当に感謝しております。また、貴重な機会を下さった当院、当科の皆様ありがとうございました。
by res81 | 2017-09-04 21:35 | 学会・研修会 | Comments(0)
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