飯塚病院呼吸器内科のブログ
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カテゴリ:身体所見( 1 )

Hamman's sign

スタッフのTBです。

知識の整理のため、Hamman's signについて軽くまとめてみました。

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Hamman's signとは、心収縮中期(心音の I 音,II 音の間)にクリック音が聴取され、
縦隔気腫や左気胸で聴取される所見
です。

この雑音は、"crunching" "bubbling" "popping" "crackling"
"clicking" "popping"、などと表現されています。
かなり特徴的な雑音で、私自身も"ペコペコ"サインと命名していました。
一回聞くと忘れることはありません。
特に左気胸の患者さんに左側臥位になってもらうと、よく聞こえます。
この音は患者さん自身が最もよく聞こえており、問診上も有用です。
「横になるとポコポコします?」なんて感じで問診しています。

Louis Hammanが1937年に初めて著しました。
  (Tr Assoc Am Physicians 1937; 52:31 1-19)

最初は縦隔気腫の所見であると報告され、その後気胸でも聴取されると報告されました。
  (Ann Intern Med 1939; 13:923-27, JAMA 1945; 128:1-6)

Hammanは、
「縦隔の空気が心臓に接する位置に溜まると、心拍動によりこの音が発生する」
と説明しました。
しかし、Hamman自身がまとめた7症例のうち、
Xpで縦隔気腫が確認されたのは2例のみで、
残りは2例が左気胸、3例は気胸も縦隔気腫もなし
、でした。
それでええんかい・・・?

そして、左気胸でこの音が聞こえる、との報告が相次ぎます。
  (Dis Chest 1969; 56:31-36、Lancet 1939; 2:1208-11、
   Am J Med 1955; 18:547-56、Dis Chest 1957; 32:421-34、
   Br Med J 1961;1:1342-46、"Fraser"にも記載あり)
これらの気胸のほとんどが軽症で、診断自体も苦慮するくらいだったそうです。
Lancet 1939; 2:1208-11には、人工的に左胸腔に25ml空気を入れると雑音がした
と記載されています(スゴイ)。

おそらく、心臓に接する部分にある程度までの量の空気(多すぎてはダメ)があると、
心拍動により音が生じる
のだろうと思われます。
  (Chest 1992; 102:1281-82)
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Chest 1992; 102:1281-82より。軽症左気胸でHamman's signを聴取した症例。

ちなみに、気胸全体では、1%以下で肺雑音があると報告されています。
聴こえる音のほとんどはHamman's signなのでしょうね。
  (Boston:Little, Brown and Co. 1968:160-61)
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by res81 | 2013-06-20 06:49 | 身体所見 | Comments(0)