飯塚病院呼吸器内科のブログ
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福岡県の飯塚病院呼吸器内科のブログです。

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カテゴリ:膠原病( 1 )

間質性肺疾患研究会 と リウマチ関連肺病変について

スタッフ228号です〜
先週末は第88回(←すごいですね!)間質性肺疾患研究会に参加してきました。
テーマは「抗ARS症候群」で、呼吸器内科医としては、きちんと知っていないと
いけないところですが、いかんせん普段そんなに遭遇するわけではないため、
なかなかとっつきにくいところでもありますが、半日にわたり症例検討や
講演がみっちりあり、知識が整理できたように思っています。
といっても、まだまだ課題の多い分野でもありますが・・・
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↑出席した証拠写真!証拠になっていないかもしれませんが・・・

さてさて、今日は久しぶりの更新です。
テーマは、「関節リウマチ」です(少し前の抄読会ネタですが・・・)。
呼吸器内科になったばかりくらいの先生方や非呼吸器内科専門医の先生方の
参考になればと思ってます。

リウマチを含む膠原病は、肺病変の合併も多く、
呼吸器内科でもしばしば担当させていただく機会があります。
特にリウマチ患者さんは、肺病変を患う方も多く、一般的に
リウマチ患者さんの肺病変の合併の頻度は、胸部X線だと2-5%程度、
胸部CTを用いると、その10倍近く(20-50%)と言われています。

d0264356_1135434.png

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間質性肺炎なんかは特に有名で、ただ、原因不明の間質性肺炎
(いわゆる特発性間質性肺炎;IIPs)とは似て非なるもので、
同じUIPパターンといえども、病理組織学的にみると、その違いがよく分かります
(膠原病関連の間質性肺炎は、リンパ球浸潤が目立ちます。

また、一般的に予後が悪いと言われているUIPパターンにおいても、
膠原病関連のUIP(CVD-UIP)は、特発性のUIP(IPF)よりも予後がよいとされています。
d0264356_1212681.png

CHEST 2009; 136:23–30より

ただ、リウマチに関して言うと、そうでもなく、
リウマチのUIP(RA-UIP)は、やっぱり悪い(IPFと変わらない)!!
とする報告が多いようです。
d0264356_1264536.png

Eur Respir J 2010; 35: 1322–1328より

一方で、最近はよくリウマチ関連の気道病変の患者さんを担当させていただく
機会も多く、こういった患者さんは感染症を繰り返すことも多く、その治療に
難渋することもしばしばでした。
この感染症はタチが悪く、間質性肺炎よりも悪いんじゃないかと感じることも
しばしあるわけで、リウマチに関連した肺病変を、間質性肺炎も気道病変も
すべてまとめたような論文はないかなーと思っていて、見つけたのが、この
論文です。

Eur Respir J 2011; 37: 1411–1417

少し前になりますが、リウマチに関連した肺病変から気道病変までまとめて
あります。
細菌性肺炎、COPD、喘息、薬剤性肺障害、肺癌症例などは除外し、
UIP、NSIP、OP、DADといったいわゆる間質性肺炎に加え、
Bronchiectasis(気管支拡張症)、Bronchiolitis(濾胞性細気管支炎や
閉塞性細気管支炎)といった気道病変、さらにCombined型(間質性肺炎+
気道病変)に分類してあります。

144名が対象となり、そのうち20名が診断の参考に外科的肺生検が行われ
ており、残り124名は臨床的ならびに放射線学的に診断が下されています。
144名のうち19名(13.4%)は、リウマチに先行して肺病変の診断がつい
ており、一方で、多くは、リウマチの診断後、およそ10年くらい後に肺
病変の診断がついているようです。
d0264356_12417100.png

この図からは、
・喫煙者の男性に、UIP、OP、DADパターンが多い
・気管支拡張症の群は、他の群に比べ若い時期にリウマチを発症し
(45歳前後)、 診断に至るまでに長い時間がかかっている(15年前後)

といった傾向があることが分かります。

さて、気になる予後はというと
d0264356_126461.png

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DAD(びまん性肺障害)パターンは悪くて(それはそうですね)、
UIPパターンも悪い(それもそうか)!!
DADに関していうと、一般的にはリウマチ肺の患者さんのDADは少ない
ようで(だいたい3-5%くらい)
、また、今回はいわゆる「急性増悪」とは
区別してあるとのことでしたので、じゃあ、DADの原因って何だろう•••
というのは素朴な疑問でした。

また、結果だけ見ると、思っていたよりも気管支拡張症群の予後がいい
ように見えます。(5年生存率が90%近く
ただ、別の報告では、70%前後とする報告もあり、この辺は報告によりまちまち
ですので、あくまで参考程度かな、と思います。
当院のように膠原病内科がある病院だと、多少肺病変があったとしても、
特に初期の無症状あるいは軽い症状のときは、そのまま膠原病内科で
フォローされていることも多く、症状が強くなってきた時点で、
呼吸器内科に紹介、といった場合では、肺病変の確定診断時点で、
すでに病勢がある程度進んでいる可能性があるわけで、そうなると、
診断後の5年生存率は、もっと低くなる可能性もあるように思います。
これは何も気管支拡張症だけでなく、間質性肺炎にも言えることですが。

では、早く肺病変の診断がつけばいいかというと、必ずしもそういう
わけではなくて、早く診断がついてもなかなか治療に結びつきづらい
ところが、この分野の少し苦しいところです。
ただ、未来は分かりませんので、早めに肺病変の診断をして、その
進行を予防するための治療、というのが今後可能になるかもしれま
せん。

現時点で大切なのは、今回の検討でもそうですが、リウマチ肺病変の
患者さんの1割くらいは、リウマチに先行して肺病変がでているという
ことでしょうか。
最初の時点で、特発性(原因不明)と思っても、先々膠原病が出て
くるかもしれない、ということは頭に入れておかねばなりません。

ということで、さらっとみてきましたが、まとめます!!

リウマチ関連の肺疾患•••
・UIPパターンは、IPFと同じくらい予後が悪い
・DADパターンも少数ながらみられ、やっぱり予後は悪い
・気管支拡張症パターンは、比較的若い時期にリウマチを発症している
 ことが多い
・80%以上の死因は、肺疾患 ➡ できる予防策は、禁煙、感染予防と
 いったところでしょうか
・肺病変がリウマチに先行することもある


いろいろご意見、ご感想などあるかもしれませんが、
その際は遠慮なくどうぞ〜
ブログを通じて、いろんな意見が聞けると、それもまたありがたいです。

それにしても、今年は台風が多い気がします。
今も、風がびゅんびゅん吹いてます。
窓ガラス、大丈夫かな?(笑)
みなさん、お気をつけて〜
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by res81 | 2013-10-16 01:45 | 膠原病 | Comments(0)