飯塚病院呼吸器内科のブログ
by res81
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福岡県の飯塚病院呼吸器内科のブログです。

呼吸器内科スタッフ7名+呼吸器腫瘍内科スタッフ1名+後期研修医6名(H28年4月現在)で、日々楽しく頑張っています。
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飯塚病院呼吸器内科では、後期研修医やスタッフを募集しています。ご興味のある方は
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カテゴリ:喘息( 5 )

気管支喘息の新しい治療薬 「Mepolizumab 抗Il-5抗体(ヌーカラ®)」について

こんばんは。Ajです。今回は喘息の新しい治療薬について紹介したいと思います。
長文となりますが、お付き合い頂ければ幸いです。よろしくお願い致します!!

2016年6月より
「Mepolizumab 抗Il-5抗体(ヌーカラ®)」が喘息患者さんへの投与が可能となりました。

今まで喘息治療としての分子標的薬Omalizumab抗IgE抗体ゾレア®のみでしたが、Mepolizumabも加わり、喘息治療の選択の幅がさらに広がりました!!!

今回は、国際共同第Ⅲ相 好酸球性の気道炎症を有する12歳以上の喘息患者 576例を対象にMepolizumabの有効性を検討したMENSA試験について勉強しましたので、ブログに載せたいと思います。

【機序】

【効果効能】
気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)

※高用量のステロイド薬とその他の長期管理薬を併用しても、全身ステロイド薬の投与などが必要な喘息増悪をきたす患者に本剤を追加投与。

投与前の血中好酸球数が多いほど本剤の気管支喘息増悪発現に対する抑制効果が大きい傾向が認められている。また、データは限られているが、投与前の血中好酸球数が少ない患者では、十分な気管支喘息増悪抑制効果が得られない可能性がある。臨床試験で認められた投与前の血中好酸球数と有効性の関係を十分に理解し、患者の血中好酸球数を考慮した上で、適応患者の選択を行うこと。

【方法】
無作為化二重盲検ダブルダミー試験
・対象:
高用量の吸入ステロイドによる治療を行っているにもかかわらず,喘息の増悪を繰り返し好酸球性炎症の所見(※)が認められる12~82歳の喘息患者 576 例
※血中好酸球数が試験開始時に150/µg以上の患者、または過去12ヶ月間に300/µg以上が認められた患者

・割り付け:
 抗インターロイキン-5 ヒト化モノクローナル抗体メポリズマブ(mepolizumab)を下記の3パターンに割り付けた。
 ➀75 mg を静注する群,
 ②100 mg を皮下投与する群,
 ➂プラセボを投与する群に割り付けた.
・投与方法: 4 週ごとに 32 週間行った.

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・評価
【主要評価項目】増悪の頻度

【副次評価項目】
・1 秒量(FEV1)・SGRQスコア・ACQ-5スコア
※安全性の評価も行った

【結果】

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・重篤な増悪の年間発生率は、静脈内投与群が0.93回/年、皮下投与群が0.81回/年、プラセボ群は1.75回/年であり、プラセボ群に比べ静脈内投与群は47%(95%信頼区間[CI]:29~61%)、皮下投与群は53%(37~65%)減少した(いずれも、p<0.001)。
・入院または救急診療部の受診を要する増悪は、プラセボ群に比し静脈内投与群が32%(95%CI:-41~67%、p=0.30)、皮下投与群は61%(17~82%、p=0.02)低下し、入院を要する増悪はそれぞれ39%(-66~77%、p=0.33)、69%(9~89%、p=0.03)低下。(いずれも皮下投与群で有意な改善効果が認められた)
・1秒量(FEV1)のベースラインからの増加は、プラセボ群よりも静脈内投与群が100mL(p=0.02)、皮下投与群は98mL(p=0.03)高く、いずれも有意に改善した。
・健康関連QOLの指標であるSt. George’s Respiratory Questionnaire(SGRQ)スコア(0~100点、高いほど不良)のベースラインからの低下は、プラセボ群よりも静脈内投与群が6.4点(p<0.001)、皮下投与群は7.0点(p<0.001)大きく、いずれも有意に改善した。4点で臨床的有意差あり
・また、喘息コントロールの指標である5-item Asthma Control Questionnaire(ACQ-5)スコア(0~6点、高いほど不良)のベースラインからの低下は、プラセボ群よりも静脈内投与群が0.42点(p<0.001)、皮下投与群は0.44点(p<0.001)大きく、いずれも有意な改善を示した。0.5点で臨床的有意差あり
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血中好酸球数は、ベースライン後の初回測定時(投与4週)より有意に減少し、その効果は32週まで持続した。

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・治療期間中の有害事象は、プラセボ群は83%、静脈内投与群が84%、皮下投与群が78%、に発現し、鼻咽頭炎(17~24%)と頭痛(17~24%)の頻度が最も高かった
このうち、担当医判定による治療関連有害事象は、それぞれ16%、17%、20%だった。
・注射部位反応の発現率は、プラセボ群の3%静脈内投与群の3%皮下投与群が9%でありに比べ高かった。(喘息関連イベントを含む重篤な有害事象は、静脈内投与群が7%、皮下投与群が8%、プラセボ群は14%に認められた。) 
・重篤な副作用は100㎎投与群に帯状疱疹1例、プラセボ群でてんかん1例

【議論】
・高用量のステロイド吸入をしている患者(経口ステロイドの有無にかかわらず)では、約50%の患者で喘息の増悪が減少した。また、QOLも喘息コントロールも改善を認めた
・静脈投与、皮下投与とも効果あり、副作用も許容。
・メポリズマブの効果が示されなかったという報告もあるが、これは患者を選択していなかったため
→今回は、高用量ステロイド投与中、血中好酸球数などで患者を選択し、投与を行い、有意な効果を得られた。

・1年間投与中止後、1年間フォロー
→血中好酸球数、喀痰好酸球数は優位に増加する
→コントロールも悪くなり、増悪回数も投与前の状態に戻る
 Haldar P, Brightling CE, Singapuri A,et al J Allergy Clin Immunol 2014;133:921-3.

【結論】
高用量ステロイド投与中、血中好酸球数増多のあある患者において、メポリズマブの静注または皮下投与によって,喘息の増悪が有意に減少し,喘息コントロールの指標に改善が認められた。



長文になってしまいました。すみません。
実際、私はゾレア無効例で好酸球数の高い症例にヌーカラを導入しました。少しでもコントロールがよくなればいいなと期待しています。
MENSA試験を参考に、血中好酸球数が試験開始時に150/µg以上の患者、または過去12ヶ月間に300/µg以上が認められたSTEPⅣのコントロール不良な症例に対して導入しようと考えています。もちろん高額な治療なので、患者さんの負担にもなるため慎重に適応を選び使用したいと思っています。

次回は、喘息の新しい治療(非薬物的アプローチ)である気管支サーモプラスティについて書きたいと思います!!
当院では2症例が終了し、現在2症例治療中でございます。

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by res81 | 2016-08-09 20:31 | 喘息 | Comments(0)

「気管支喘息患者におけるスピリーバの使用経験」

こんばんは。Ajです。
またまた更新しちゃいます。よかったら、お付き合いくださいませ。

さて、2015年3月5日にスピリーバの喘息適応記念講演会がのがみプレジデントホテルで行われました。

一般公演として、「気管支喘息患者におけるスピリーバの使用経験」という題で発表させて頂きました。
特別講演として、順天堂大学医学部付属順天堂東京江東東高齢者医療センター 呼吸器内科 准教授 熱田 了先生に
「閉塞性呼吸器疾患の疾患の病態に対する抗コリン薬の位置付け」についてご講演頂きました。
抗コリン薬のお話だけでなく、心身症合併の喘息患者さんへの診療についてやアドヒアランスを妨げる原因が何かをさぐるASK20についてなどついても
教えて頂きました。日常診療にも直結する内容ですごく勉強になりました。

まずは、今回発表した内容を少し記載させてください。
何回発表しても緊張するのはなぜでしょうか。スライド作成にあたり、TB先生にご指導頂き、修正・チェック済、
かつ直前までJMMY先生や1128先生の前で発表の練習もしていたのに…、やっぱり緊張してしまいました!
でも途中から緊張がほどけ、少しは楽しめました。まだまだですね(笑)


では、いきます。

気管支拡張薬であるスピリーバが、2014年11月から気管支喘息(重症持続型)に適応となりました。

喘息は気道の慢性炎症と気道の狭窄が主病態であります。気道の炎症に対しては、ステロイド薬を用い、これが喘息治療の主体です。炎症を繰り返すことでリモデリンを起こすため、吸入ステロイドでしっかり治療することが大切ですが、
気道の収縮、つまり平滑筋の収縮の繰り返しでもリモデリングは進行するということがわかっていきました。Clinical Et Experimental Allergy,2010;(40)1266-1275
つまり、気管支拡張薬は非常に重要な治療薬となります。

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気管支拡張薬の作用機序について、簡単に説明します。
1.アレルゲンにより、肥満細胞やマクロファージが刺激され、Th2・好酸球・好中球などなどから炎症性のメディエーターが放出され、平滑筋を収縮させます。
2.平滑筋にはβ2受容体があり、β2刺激薬はそこに直接作用をし、平滑筋を弛緩させます。
⇒平滑筋に直接作用するため、どの経路からの因子もブロックすることになるため、今のところ気管支喘息の気管支拡張薬として第一選択となっています。
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※画像:Nature Reviews Drug Discovery 3, 831-844 (October 2004)より
今回、喘息に適応追加となったスピリーバの作用機序としては、
1.アレルゲンの刺激があると、炎症性のメディエーターが放出され、それらが迷走神経を刺激し、アセチルコリンを過放出する。
2.アセチルコリンが、平滑筋にあるムスカリン受容体(M3)と結合し気管支を収縮させてしまいます。
3.そこで、抗コリン薬を使用することで、気管支拡張効果を得るという機序となります。

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※画像:Nature Reviews Drug Discovery 3, 831-844 (October 2004)より
また、ムスカリン受容体は平滑筋だけでなく粘膜下腺気道上皮にも存在するといわれており、抗コリン薬を用い、
ムスカリン受容体をブロックすることで、気管支拡張作用、分泌、増悪抑制効果、抗炎症効果も期待できるといわれています。

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色々なLAMAがあるけど、どうしてスピリーバなのか?スピリーバの特徴を簡単に説明させていただくと、
スピリーバは、気管支を収縮させるアセチルコリンが結合する、ムスカリン受容体をブロックすることで、気管支拡張効果を得ます。
ただし、ムスカリン受容体は、迷走神経の末端にはM1,M2,M3の3種類存在ます。M2受容体は、アセチルコリンの過放出を防ぐためにネガティブフェードバックをかけてくれる調整役。ですが、抗コリン薬はここもブロックしてしまいます。より強い気管支拡張を得るためには、M1,M3のみブロックする必要がありますが、これはなかなか難しい…。
ですが、スピリーバは、M1,M3には長時間結合し、M2には短時間結合するという特徴をもっています。ゆえに、利にかなった吸入薬といえます。
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今回、当施設は重症持続型の10症例にスピリーバを上乗せしました。
結果を下記に記載します。

①重症持続型の気管支喘息患者へのスピリーバレスピマットの上乗せを行い、症状と呼吸機能の改善が得られた。
②ACTでは、「息切れ」 「夜間/早朝覚醒」 「SABA使用回数」 の項目において特に改善が認められた。
③その他には、喀痰の減少が得られた。

⇒ゆえに、スピリーバレスピマットは、気管支喘息患者にとって重要な治療薬の選択肢の一つであると思われます。

使った印象もすごくよかったです。

吸入薬をうまく使い喘息のtotal controlを目指していきたいと思います!

もうすぐ今年度も終了。また、新たな1年が始まります!!頑張っていきましょう~☆


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by res81 | 2015-03-10 19:48 | 喘息 | Comments(0)

重症喘息に対するmepolizmab

スタッフのTBです。

Journal watch、今月号のNEJMより。

喘息ではサイトカインをターゲットにした抗体治療が増えてきています。

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     (Medscape, Semin Respir Crit Care Med 2012より)
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       (医学のあゆみ 2011;238(6):701-6より)

抗IL-5抗体であるmepolizmabの重症喘息に対する効果が今月のNEJMに。


Mepolizumab treatment in patients with severe eosinophilic asthma.N Engl J Med. 2014 Sep 25;371(13):1198-207.


プロトコールはこんな感じです。

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各群のプロフィールにばらつきはありません。
増悪抑制効果が確認されました。
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プラセボと比較し、患者さん一人当たり年間に1回くらい発作が減る、という結果。

ここでは省きますが、呼吸機能・QOL・コントロール率も改善しています。

副作用も問題になるものは認められませんでした。


また、同号に内服ステロイドの減量効果も報告されています。

Oral glucocorticoid-sparing effect of mepolizumab in eosinophilic asthma.N Engl J Med. 2014 Sep 25;371(13):1189-97.


EGPA(Churg-Strauss症候群)にも効果が報告されている薬剤であり、市販が楽しみです。




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by res81 | 2014-09-30 07:00 | 喘息 | Comments(0)

妊娠と喘息

こんばんは!!
みなさんの更新に続いて、私スタッフAjがお送りします☆

妊娠と喘息

~喘息予防と管理ガイドライン2012より抜粋~

☆小児から成人まで喘息患者は増加しているといわれており、これに伴って、妊娠・出産に直面する女性喘息患者も増加しつつある。

正常妊娠においても妊婦の呼吸機能には変化が生じ、機能的残気量(FRC)が減少し、妊婦は無意識のうちに過呼吸を行って血中の酸素濃度を高めようとしている

ゆえに閉塞性障害を伴う喘息発作は胎児に低酸素血症をもたらしやすく流産や胎児発育不全、脳障害のリスクファクターとなる。

☆実際喘息患者では、正常妊娠に比較して早産や低体重出産、先天異常の頻度が高いことが報告されている。CritCare Med1998:158:1091-5

しかし、この中にはコントロール不良例が含まれており、かなり重症の喘息を合併していても、適切にコントロールされていれば、児や母親の死亡率のにはつながらないとされている。 J Allergy Clin Immunol 1986 :78:349-53


【妊娠と喘息薬】

☆多くの喘息薬は催奇性についてはほとんど問題ないとされている

☆動物実験では、全身性ステロイド薬の大量投与によって、口蓋裂の発生が報告されているが、人においては、その危険性を積極的に裏付ける報告はない。

☆また、ステロイド(特にPSL、mPSL)は胎盤をあまり通過せず、胎児における血中濃度は母体の血中濃度よりもかなり低いことが知られている。

☆胎児ではステロイドの代謝が成人と異なり、副腎抑制がおこりにくい。

胎児を低酸素状態に陥らせることの方が問題。ステロイドは躊躇するべきでない。


薬剤の注意点


◎吸入ステロイド

ブデソニド(パルミコート)がカテゴリーB 他の吸入ステロイドはカテゴリーC

※発作が起こることの方が問題!ブデゾニドでダメ場合は、その他の吸入薬をためらいなく使いましょう。

◎吸入β2刺激薬(ICS/LABA)を含む

LABASABAよりエビデンスは少ないが、SABAと同等の安全性あり。

◎クロモグリク酸ナトリウム(インタール)

安全性確立。

△吸入抗コリン薬

使用するなら発作時のみ

○全身ステロイド

PSL、mPSLは胎盤通過性低い。必要な場合は、躊躇せず使用を。

○テオフィリン

催奇性の報告はなく、コントロール薬として用いても可。ただし、悪阻の影響などで患者が継続できなくなるケースあり。また、乳汁中に分泌されるため乳汁中は中止を。

△ロイコトリエン拮抗薬

動物実験の結果からは催奇性に関してほぼ問題ないとされているあ、人におけるエビデンスはまだ十分に蓄積されていない。

抗ヒスタミン薬

有益が上回る時のみ使用


☆薬使用のまとめ☆

吸入ステロイド、吸入β2刺激薬、ICS/LABAを中心に用いてコントロールを行い、コントロール不良な場合に、ステロイド全身投与、テオフィリンなどを用いるべきと思います。


?妊娠中って喘息は増悪するの?

妊娠中の喘息:悪化、改善、不変がそれぞれ1/3ずつという報告がよく知られているが、報告によってバラバラ。

○悪化例のなかでは妊娠中の薬物使用に対する不安から、患者自身、あるいは医療従業者が必要な抗喘息薬の使用を中止・制限してしまっている例が少なからずあり、適切な完治が行われれば、妊娠そのものによって喘息が悪化する症例はあまり多くない。

○妊娠後期 37-40週目には喘息症状、気道過敏性の改善が認められる。

              J Allergy Clin Immunol 1988:81:509-17、Am Rev Respir Dis1989;140:924-31


最後に妊娠と喘息に関する論文を読んだので、簡単に紹介します。

CHEST / 145 / 5 / MAY 2014より

Multidisciplinary Approach to Management of Maternal Asthma (MAMMA )
A Randomized Controlled Trial


【背景】
・喘息は妊婦に影響を及ぶす最もcommonな疾患。 妊娠中のコントロール不良な喘息、喘息の増悪は、早産や低出生体重児と子癇前症を増加させると報告されており、妊娠中のコントロール不良の喘息は、母体や周産期の危険因子である。喘息をコントロールすることは、これらの有害事象を減らすことができる。

ゆえに、喘息をコントロールするために適切なマネージメントをするべきである。

母体の喘息コントロールの改善にむけての薬剤の介入、多方面からのケア、教育、定期的 なモニタリングはが評価された。


【方法】
・ランダム化比較試験
・オーストラリアの2つのmajorな産婦人科で行った。
・喘息治療がされていた20週以下の60人の妊婦が対象
・参加者は介入する群と普通のケアをする群に分けて、妊娠後の経過を追った
Primary outcomeACQスコア
ベースラインからのACQのスコア平均を3カ月、6カ月で比較した。


【結果】
介入群(29人)のACQスコアは、3カ月で0.46±1.056カ月で0.89±0.98のスコアが改善し,コントロール群(29人)のACQスコアは、3カ月で0.15±0.636カ月で0.18±0.73のスコアが改善した。
・3カ月間では有意差なし
・6カ月では有意差あり、臨床的に重要


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【議論】
・教育や監視、多方面からの管理は、妊娠の喘息マネージメントを成功させ、コントロールすることができる。

・この介入は単純なもので、今回は薬剤師が主導となって行ったが、訓練を行えば、誰でも行うことができ、さらに最小限の資源を加えることで行うことができる。

・妊娠中に喘息の治療、コントロールには、大きな2つの障害がある:①女性の70%は、コントロール不良の喘息のリスクを知らない②32%は勝手に中止するか、薬を変更する(相談なしに) →妊婦への教育が大切!意識を高めてもらうこと。また、医療者サイド(医師だけでなくコメディカルに協力をしてもらう!)への教育も大切。

【結論】
・喘息のマネージメントや教育のための多方面からのケアや定期モニタリングは、妊婦の喘息を潜在的に改善することができ、これらは臨床的にも広く利用することができる。
喘息のコントロールをすることやよりよいサポートを提供する権限を妊婦に与えることが、妊娠中の喘息患者の負担を減らし、増悪による悪い結果を減らすことになる。


まとまりがなくてすみません。
また更新します!
私は、7月から3カ月間国内留学に行ってきます。飯塚病院に還元できるように頑張って勉強してきます!これからもよろしくお願いします。





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by res81 | 2014-06-25 01:06 | 喘息 | Comments(2)

喘息に対するβブロッカーの悪影響

スタッフのTBです。

抄読会ネタ。
喘息患者に対するβブロッカーの悪影響についてRCTのsystematic reviewとmeta-analysisをCHESTより。
----------------------------------------------------------------------------
Adverse respiratory effect of acute beta-blocker exposure in asthma: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials.
CHEST 2014; 145(4):779–786



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1. 検索に用いたデータベース
 ・MEDLINE
 ・EMBASE
 ・Cochrane Central Register of Controlled Trials (CENTRAL) databases

2. 検索期間・検索語
 ・~2013/1/30
 
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3. 検索した研究の種類
 ・RCT
 ・Single or double-blinded

4. 言語、重複文献
 ・英語論文のみ、重複文献は削除

5. 研究集積の網羅性の検討 
 ・Funnel plot、Egger regression test

6. 評価者、評価方法
 ・独立した2名の評価者
 ・評価の食い違いが生じた際は、2名の合意で判断

7. 集積した研究の異質性評価
 ・I2 statistic

8. 結果の統合
 ・最終的に32の研究を統合(Random-effects metaregression)
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Results
Selective β-blocker: 600 exposures in 330 patients with asthma
 (mean age, 46 years; 67.5% men; baseline FEV1 2.28L)

Nonselective β-blocker: 301 exposures in 218 patients with asthma
 (mean age, 40.5 years; 68.9% men; baseline FEV1 2.50L)

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・Dose-Response relationshipあり(容量依存性にFEv1低下)

まとめ
Selective β-blocker
  FEV1は軽度低下するものの症状は出にくい
  β2刺激薬使用にて改善する傾向あり

Nonselective β-blocker
  SelectiveよりもFEV1は低下しやすく、症状も出現しやすい
----------------------------------------------------------------------------

安全とは言えませんが、臨床的にβブロッカーの使用判断が悩ましい場合も時々ありますので、その際には参考になるかもしれませんね。
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by res81 | 2014-04-12 07:56 | 喘息 | Comments(0)