飯塚病院呼吸器内科のブログ
by res81
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福岡県の飯塚病院呼吸器内科のブログです。

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大学の医局に関係なく、様々なバックグラウンドのドクターが集まっています。

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カテゴリ:肺炎( 1 )

肺炎とPaCO2

呼吸器内科スタッフのTBです。

肺炎の患者さんが増える季節になって参りました。
肺炎で入院される患者さんに対して、動脈血液ガス分析をルーチンでされている施設は多くはないと思いますが、その重要性に関するスタディです。

Hypocapnia and Hypercapnia Are Predictors for ICU Admission and Mortality in Hospitalized Patients With Community-Acquired Pneumonia
CHEST 2012; 142(5):1193-1199


<Objective>
・入院を要する市中肺炎(CAP)において、PaCO2値とICU入室、30日死亡率の関係を検討

<Methods>
・retrospective cohort study
・2つのtertiary teaching hospitalsにおいて
・対象:CAPの診断で入院した症例
・検討項目:入院時の動脈血液ガス分析PaCO2
        ICU入室率
        30日死亡率
・Pneumonia severity indexを含め、多変量解析を施行

<Results>
・453例が対象
・PaCO2の結果;
 正常(35-45 mmHg):189例(41%)
 低値(<35 mmHg):194例(42%)
 高値(>45 mmHg):70例(15%)
・多変量解析:疾患の重症度を調整後、PaCO2正常群と比較して、
 PaCO2低値群…30日死亡率高い(OR=2.84; 95%CI, 1.28-6.30)
        ICU入室率高い(OR=2.88; 95%CI, 1.68-4.95)
 PaCO2高値群…30日死亡率高い(OR=3.38; 95%CI, 1.38-8.30)
        ICU入室率高い(OR=5.35; 95%CI, 2.80-10.23)
・COPD患者を除いて再検討(PaCO2の値が変化しやすいため)
 ⇒最初の解析と同じ傾向が維持された

<Conclusion>
・CAPで入院した症例において、PaCO2低値・高値いずれも高いICU入室率と30日死亡率に関連していた。
・COPD症例を除いても、この関連性は認められた。
・PaCO2値は、肺炎の重症度判定の重要な因子と考えられる。

Pneumonia severity indexで調整されているうえに、
PaCO2の交絡因子と考えられる呼吸回数やpHとの関連も検討されておりました。
その結果、
「PaCO2低値は死亡の独立因子だが、頻呼吸やアルカローシスとは関係ない」
「PaCO2高値は死亡の独立因子だが、頻呼吸やアシドーシスとは関係ない」
「アシドーシスも死亡の独立因子だが、頻呼吸とは関係ない」
との事でした。

頻呼吸は大切だと思っていましたが…PaCO2はもっと大切かもしれないのですね。
今後のプラクティスにおいて、一度再検討してみようと思います。
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by res81 | 2012-11-09 18:13 | 肺炎 | Comments(0)