飯塚病院呼吸器内科のブログ
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カテゴリ:気管支拡張症( 1 )

気管支拡張症と喘息・・・・

スタッフ228号です。
今週末、学会が差し迫っており、本来そちらの準備をやらなければならないのですが、やらなければならないときに限って、違うことがやりたくなりますよね。現実逃避です。とほほ・・・

最近の自分の中での流行りは、ずばり「気管支拡張症」です。
先日経験した症例で、60歳台から喘息と指摘され、ステロイド吸入と抗ロイコトリエン拮抗薬で治療されていた70台の女性の方が、wheezesが強く、喘息発作という振れこみで入院となりました。
心機能に問題がなさそうなことを確認した上で、ステロイドの全身投与を開始したわけですが、喘鳴がなかなか改善しないことしないこと・・・・
そんなこんなでCTを撮影してみると、左肺下葉有意に両肺下葉に、気管支拡張像があるではないですか!!
たしかに、入院中を通して喀痰が多い印象だった、なるほど。
聞くと、60歳のときに、肺炎を患い、その際の肺炎を契機に喘息を言われるようになったとのこと。
そこで、ある疑問が・・・・
これは、もしやそもそも喘息ではなく、肺炎後の気管支拡張症による症状?でも待てよ・・・
気管支拡張症でwheezesが聞こえるのか??みなさん、どう思いますか??あってもよさそうですが、気管支が拡張しているのに、気管支が狭窄したときに聞こえるwheezesが聞こえる??気管支拡張症における慢性炎症で喀痰のからみ具合によってはwheezesが聞こえないこともなさそうですが・・・??
小生が調べた限りで、ある教科書には、限局性ではなくびまん性に所見がある場合は、喘鳴を来たすこともある、との記載がありました。
ただ、本症例は、両側にあるといっても、主には左の下葉だし、果たしてこれで、頚部や胸部ほぼ全域にわたるwheezesが来るものか・・・・いや、それは無理ありそうですよね。
ということで、現在は、喘息と気管支拡張症、ないし慢性気管支炎の合併症例と考えています。
喘息の方で痰が多い人は、一応気管支拡張症を頭の片隅に・・・・といったところでしょうか。

調べてみると、2011年にBTSから、気管支拡張症のガイドラインがでていることに気付きました。ただ、これがまた膨大な量がありますので、じっくり読むのは今度にして、とりあえず簡易版に目を通してみました。特にプライマリケア領域において、参考になれば幸いです。
ちなみに、ガイドライン本編のほうに、「他に明らかな原因がなければ、喘息が気管支拡張症の原因になる」といった内容が記載されていました。エビデンスレベルは3とか4の話で、かなり低いわけですが・・・・あってもよさそうな気もしないでもないですが(笑)、みなさんはどう思われますか??

Thorax 2010;65:i1ei58.
Prim Care Respir J 2011; 20(2): 135-140

★BTSのガイドラインのサマリーより★
【症状】
・9割以上が湿性咳嗽。
・他に、呼吸困難、胸痛、血痰など。⇒残念ながら「喘鳴」の記載はありませんでした・・・
・慢性呼吸不全、肺性心による症状。
【診断の意義】
・直接の死亡率への影響は定かではないが、気管支拡張症があると、食思不振や倦怠感が強くなり、QOLを落としうるし、時に抑うつも招く。
・急性増悪の頻度が高まり、また緑膿菌のコロナリゼーションも招く。
・慢性的に咳が続くと、家族を含めた周囲の人々にもインパクトが大きい。
⇒可能な限り、診断し、患者さんに情報提供を、そして治療の介入を。
【診断(成人)】
何はともあれ、湿性咳嗽!!
COPDとの鑑別が重要になるが、湿性咳嗽を持つ人で、
・COPDにしては若い
・数年来の湿性咳嗽歴あり
・喫煙歴がない
・しっかりとした膿性の喀痰がある
・血痰あり
⇒ こういった人では、気管支拡張症を疑うべし(エビデンスレベルは低いので参考)。
さらには、COPDの治療に反応が乏しい場合、増悪を再発する場合、喀痰から緑膿菌が検出されるような場合は、気管支拡張症の合併も考慮すべき。

⇒ 言われてみれば当たり前ですが、これが実際の慌しい日常臨床の中では、漫然とCOPD(もしくは喘息)の治療のみが続けられていたりするわけなんですよね。なんか治療反応が悪いなと思ったとき、少し立ち止まってみるのも必要なのかもしれません。
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by res81 | 2012-11-13 00:11 | 気管支拡張症 | Comments(0)