飯塚病院呼吸器内科のブログ
by res81
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福岡県の飯塚病院呼吸器内科のブログです。

呼吸器内科スタッフ7名+呼吸器腫瘍内科スタッフ1名+後期研修医6名(H28年4月現在)で、日々楽しく頑張っています。
大学の医局に関係なく、様々なバックグラウンドのドクターが集まっています。

飯塚病院呼吸器内科では、後期研修医やスタッフを募集しています。ご興味のある方は
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<   2014年 06月 ( 4 )   > この月の画像一覧

結核性ふく膜炎  ※ 胸ではなくてお腹です!!

こんにちは、久しぶりにアップします、スタッフ228号です〜

今日は北九州総合病院の先生方と症例検討会を行いました〜
思いつきで開催することになった検討会ですが、その後の懇親会も含め、楽しく充実した時間を過ごすことができました。
北九州のみなさん、飯塚まで足を運んでいただき、ありがとうございました。
病院間を越えたお付き合いができることが、とても嬉しいです。
引き続きよろしくお願いします!!


さて、今日のテーマは・・・

「結核性腹膜炎」

「胸膜炎(きょうまくえん)」じゃなくて「腹膜炎(ふくまくえん)」ですのであしからず。。。

みなさんはご経験おありでしょうか?
実はこの1ヶ月のうちに2例ほど、立て続けに結核性腹膜炎疑いの患者さんがいらっしゃいまして。
調べてみたら、結核患者さんの0.04-0.5%程度らしいのですが、1ヶ月に2例は正直びっくりしました、はい。
腹膜炎がうつるわけじゃあるまいし・・・

ということで、少しまとめてみました。


<概要>
・全結核患者の0.04-0.5%
・半数は肺病変を有しない
・感染経路
 ①肺病変から血行性に腹膜播種した潜在性感染巣が免疫能低下で活動性
  となったもの
 ②活動性肺病変からの全身性血行性播種
 ③腸結核など腹腔内臓器からの連続性波及
・腹腔内に著明な癒着をもたらすことがある


<画像所見>
・腹水貯留
・腸間膜の肥厚、腹膜の均一な肥厚(比較的多くみられる)
・腸間膜に5mm未満の小結節
・結核性リンパ節炎が疑われる直径10-15mm大の結節
 (リンパ節の中心部は造影不良)
・胸部に活動性肺病変 or 陳旧性肺結核


<診断>
★ 下記①〜④から総合的に判断する
★ ただし、病理組織学的に診断をつけることは難しいことも多い
★ 実際には、①、③から診断して、早めに抗結核薬を開始して診断的治療を行うこともある(治療が遅れるよりはマシ、という考え)

①腹水所見
・腹水が滲出性、リンパ球優位
腹水ADA高値
・腹水抗酸菌染色陽性、抗酸菌培養陽性
 (腹水抗酸菌染色陽性率3-10%、培養陽性率20-50%)
・腹水中に悪性および一般細菌感染所見なし

②組織学的所見
・組織学的診断(腹腔鏡下腹膜生検など)

③結核病変の存在
・結核病変の存在(肺結核、腸結核、結核性リンパ節炎など)
・結核性胸膜炎の合併症例もあり

④抗結核薬投与後の経過
・抗結核薬投与によち改善が得られること


<腹水ADAについて>
・cut-off値は 30-40 IU/L程度としている文献が多い
 ➡ 39 IU/Lとすると、感度100%、特異度97%とする報告も

※癌性腹膜炎との鑑別にも有用
 ➡cut-offを 21 IU/Lとすると、感度92%、特異度85%とする報告も


<腹腔内の所見について>
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粟粒状の結節が壁側腹膜に散在
生検すると肉芽腫性炎症がみられ抗酸菌染色も陽性だったようです


※ちなみに結核性きょう膜炎では
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     I期:胸膜全体が発赤腫脹し、白色の小結節が散在
     II期:びまん性の小結節とそれらの癒合
     III期:壁側胸膜に白色肥厚性変化を伴う
     IV期:フィブリン網の形成を伴う


腹膜も胸膜も、特に初期は、やっぱりブツブツした感じになるんですねぇ
きっとそこには肉芽腫が〜〜〜っ!!


実際の診療では、胸水や腹水から菌が検出されることは少なく、結核を疑って胸腔鏡を行っても、これは結核っぽいな、という所見に遭遇することは、なかなかありません。結局ランダムに壁側胸膜を生検してみるわけですが、肉芽腫にもなかなか出会えず、結局検査自体があまり意味がなかった・・・ということも。

ただ最近では、採取した組織を組織培養に提出すると菌の陽性率が上がるとの報告もあります。
今度生検するときには、ぜひ当院でも組織培養を出してみたいな、と思います。

結局、最後は胸膜炎の話になりましたが(笑)
ちなみに、先の結核性腹膜炎疑いの患者さんたちは、2例とも腹水ADAが高値(50-90)でした。おそらく結核性腹膜炎と思われます。

原因不明の腹水をみたときには、ぜひ結核性腹膜炎を鑑別に!!
そして、ぜひ腹水ADAを測定しましょう〜


参考:





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by res81 | 2014-06-28 23:45 | 抗酸菌 | Comments(0)

妊娠と喘息

こんばんは!!
みなさんの更新に続いて、私スタッフAjがお送りします☆

妊娠と喘息

~喘息予防と管理ガイドライン2012より抜粋~

☆小児から成人まで喘息患者は増加しているといわれており、これに伴って、妊娠・出産に直面する女性喘息患者も増加しつつある。

正常妊娠においても妊婦の呼吸機能には変化が生じ、機能的残気量(FRC)が減少し、妊婦は無意識のうちに過呼吸を行って血中の酸素濃度を高めようとしている

ゆえに閉塞性障害を伴う喘息発作は胎児に低酸素血症をもたらしやすく流産や胎児発育不全、脳障害のリスクファクターとなる。

☆実際喘息患者では、正常妊娠に比較して早産や低体重出産、先天異常の頻度が高いことが報告されている。CritCare Med1998:158:1091-5

しかし、この中にはコントロール不良例が含まれており、かなり重症の喘息を合併していても、適切にコントロールされていれば、児や母親の死亡率のにはつながらないとされている。 J Allergy Clin Immunol 1986 :78:349-53


【妊娠と喘息薬】

☆多くの喘息薬は催奇性についてはほとんど問題ないとされている

☆動物実験では、全身性ステロイド薬の大量投与によって、口蓋裂の発生が報告されているが、人においては、その危険性を積極的に裏付ける報告はない。

☆また、ステロイド(特にPSL、mPSL)は胎盤をあまり通過せず、胎児における血中濃度は母体の血中濃度よりもかなり低いことが知られている。

☆胎児ではステロイドの代謝が成人と異なり、副腎抑制がおこりにくい。

胎児を低酸素状態に陥らせることの方が問題。ステロイドは躊躇するべきでない。


薬剤の注意点


◎吸入ステロイド

ブデソニド(パルミコート)がカテゴリーB 他の吸入ステロイドはカテゴリーC

※発作が起こることの方が問題!ブデゾニドでダメ場合は、その他の吸入薬をためらいなく使いましょう。

◎吸入β2刺激薬(ICS/LABA)を含む

LABASABAよりエビデンスは少ないが、SABAと同等の安全性あり。

◎クロモグリク酸ナトリウム(インタール)

安全性確立。

△吸入抗コリン薬

使用するなら発作時のみ

○全身ステロイド

PSL、mPSLは胎盤通過性低い。必要な場合は、躊躇せず使用を。

○テオフィリン

催奇性の報告はなく、コントロール薬として用いても可。ただし、悪阻の影響などで患者が継続できなくなるケースあり。また、乳汁中に分泌されるため乳汁中は中止を。

△ロイコトリエン拮抗薬

動物実験の結果からは催奇性に関してほぼ問題ないとされているあ、人におけるエビデンスはまだ十分に蓄積されていない。

抗ヒスタミン薬

有益が上回る時のみ使用


☆薬使用のまとめ☆

吸入ステロイド、吸入β2刺激薬、ICS/LABAを中心に用いてコントロールを行い、コントロール不良な場合に、ステロイド全身投与、テオフィリンなどを用いるべきと思います。


?妊娠中って喘息は増悪するの?

妊娠中の喘息:悪化、改善、不変がそれぞれ1/3ずつという報告がよく知られているが、報告によってバラバラ。

○悪化例のなかでは妊娠中の薬物使用に対する不安から、患者自身、あるいは医療従業者が必要な抗喘息薬の使用を中止・制限してしまっている例が少なからずあり、適切な完治が行われれば、妊娠そのものによって喘息が悪化する症例はあまり多くない。

○妊娠後期 37-40週目には喘息症状、気道過敏性の改善が認められる。

              J Allergy Clin Immunol 1988:81:509-17、Am Rev Respir Dis1989;140:924-31


最後に妊娠と喘息に関する論文を読んだので、簡単に紹介します。

CHEST / 145 / 5 / MAY 2014より

Multidisciplinary Approach to Management of Maternal Asthma (MAMMA )
A Randomized Controlled Trial


【背景】
・喘息は妊婦に影響を及ぶす最もcommonな疾患。 妊娠中のコントロール不良な喘息、喘息の増悪は、早産や低出生体重児と子癇前症を増加させると報告されており、妊娠中のコントロール不良の喘息は、母体や周産期の危険因子である。喘息をコントロールすることは、これらの有害事象を減らすことができる。

ゆえに、喘息をコントロールするために適切なマネージメントをするべきである。

母体の喘息コントロールの改善にむけての薬剤の介入、多方面からのケア、教育、定期的 なモニタリングはが評価された。


【方法】
・ランダム化比較試験
・オーストラリアの2つのmajorな産婦人科で行った。
・喘息治療がされていた20週以下の60人の妊婦が対象
・参加者は介入する群と普通のケアをする群に分けて、妊娠後の経過を追った
Primary outcomeACQスコア
ベースラインからのACQのスコア平均を3カ月、6カ月で比較した。


【結果】
介入群(29人)のACQスコアは、3カ月で0.46±1.056カ月で0.89±0.98のスコアが改善し,コントロール群(29人)のACQスコアは、3カ月で0.15±0.636カ月で0.18±0.73のスコアが改善した。
・3カ月間では有意差なし
・6カ月では有意差あり、臨床的に重要


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【議論】
・教育や監視、多方面からの管理は、妊娠の喘息マネージメントを成功させ、コントロールすることができる。

・この介入は単純なもので、今回は薬剤師が主導となって行ったが、訓練を行えば、誰でも行うことができ、さらに最小限の資源を加えることで行うことができる。

・妊娠中に喘息の治療、コントロールには、大きな2つの障害がある:①女性の70%は、コントロール不良の喘息のリスクを知らない②32%は勝手に中止するか、薬を変更する(相談なしに) →妊婦への教育が大切!意識を高めてもらうこと。また、医療者サイド(医師だけでなくコメディカルに協力をしてもらう!)への教育も大切。

【結論】
・喘息のマネージメントや教育のための多方面からのケアや定期モニタリングは、妊婦の喘息を潜在的に改善することができ、これらは臨床的にも広く利用することができる。
喘息のコントロールをすることやよりよいサポートを提供する権限を妊婦に与えることが、妊娠中の喘息患者の負担を減らし、増悪による悪い結果を減らすことになる。


まとまりがなくてすみません。
また更新します!
私は、7月から3カ月間国内留学に行ってきます。飯塚病院に還元できるように頑張って勉強してきます!これからもよろしくお願いします。





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by res81 | 2014-06-25 01:06 | 喘息 | Comments(2)

スタチンのCOPD急性増悪予防効果はなさそう STATCOPE study

スタッフのTBです。

スタチンはCOPDの急性増悪を減らす可能性があると言われていましたが、その可能性は薄そうです。


Simvastatin for the Prevention of Exacerbations in Moderate-to-Severe COPD (STATCOPE study)
N Engl J Med 2014; 370:2201-2210


BACKGROUND
・後方視的検討では、スタチンがCOPDの急性増悪の頻度・重症度・入院率・死亡率を低下させると報告されている。
・simvastatinにそのような効果があるか、前向きに検討した。

METHODS
・Prospective Randomized Placebo-Controlled Trial:
 simvastatin (40 mg/日) versus placebo
・45の施設で12-36ヶ月投与
・Primary outcome: 年間の急性増悪率
・Inclusion criteria:
 40 - 80 歳のCOPD (%FEV1<80%, FEV1/FVC<70%)で、
 喫煙歴(≧10 pack-years)がある
  +
 在宅酸素+ステロイドや抗菌薬を使用している, もしくは
 CODP増悪のため過去1年間にERを受診したことがある.
・Exclusion criteria
 既にスタチンを使用している症例 
 もしくはスタチンを使用した方が良い症例

RESULTS
・対象:885例、平均641日間観察、44%が女性
    平均62.2±8.4歳、喫煙歴 50.6±27.4 pack-years
    FEV1 41.6±17.7%、
・LDLコレステロールは治療群で低値
・急性増悪率は同等:
 simvastatin 1.36±1.61/人年 vs placebo 1.39±1.73/人年 (P = 0.54)
・初回増悪までの期間も同等:
 simvastatin 223日 vs placebo 231日 (P = 0.34)
・重篤でない副作用の頻度も同等:
 simvastatin 0.63/人年 vs placebo 0.62/人年
・全死亡も同等:
 simvastatin 28人 vs placebo 30人 (P = 0.89)

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CONCLUSIONS
・Simvastatin 40mg/日の投与は、COPDの急性増悪頻度を減少させない



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by res81 | 2014-06-24 13:34 | COPD | Comments(0)

市中肺炎患者における肺結核の予測因子

久しぶりの更新です。スタッフの1128です。

肺炎と思っていても肺結核であったという状況は臨床の場では存在し、結核に足元をすくわれることも多いのが実情です。

市中肺炎患者における肺結核の予測因子の検討について

ERJより
Predicting Mycobacterium tuberculosis in patients with community-acquired pneumonia.
Eur Respir J. 2014 Jan;43(1):178-84.


Introduction
結核は世界の死因で7番目であり、感染症ではHIVに次いで2番目である。肺結核が市中肺炎と同様のプレゼンテーションとなることもある。M.tuberculosisは市中肺炎の原因としては少ないが、最終診断の前に肺結核患者を同定し隔離することは院内感染を防ぐ、MDR-TBの蔓延を防ぐことにおいて重要である。結核患者を同定するために、臨床医CDCで提唱されている22のリスク因子を参考にしている。これらのリスク因子で市中肺炎における結核菌を予測することの妥当性や重要性は検討されていない。今回はCDCのリスク因子を評価した上で、新たなリスクスコアを検討する。

Patient characteristic
33カ国、113の病院で2001年3月から2011年12月までに市中肺炎で入院した成人患者6976人を解析した。
肺炎の診断基準
・肺の新規の浸潤影
さらに以下のうちの1つを満たす
・新規or増悪する咳嗽±喀痰
・発熱37.8度or低体温35.6以下
・左方移動を伴う白血球上昇or白血球低下
入院の2週間前までに入院歴がない場合は市中肺炎とし、呼吸器の培養検体で結核菌が陽性となった場合は原因菌と判断した 。
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Method
22のCDCのリスクファクターのうち20を検討した 。2つのリスク因子(咳嗽・肺の浸潤影)はinclusion criteriaに含まれるため除外した。
Poisson回帰分析を使用し、市中肺炎における結核菌を予測するリスク因子のうち最も良いものを選択し、それをCAPO TB risk scoreとした。ROC曲線を用いてCDCのリスク因子とCAPO TB risk scoreを比較した。

Result
盗汗、喀血、体重減少(理想体重から10%以上の減少も含む)、結核菌の曝露(結核の既往、ツ反陽性歴も含む) 、上葉の浸潤影の5つが最も結核菌を予測する因子であることが判明した。CDC TB risk scoreのROC曲線におけるAUCは71%であり、CAPO TB risk score では89%と有意に高かった。
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Discussion
Secondary analysisであり、もともと結核疑いの患者は除外されている。地域によって結核の頻度が異なる。今回のCAPO TB risk score以外のリスク因子が重要でないわけではない。

Conclusion
CAPO TB risk scoreは市中肺炎患者における結核菌の診断においてCDCの提唱するリスク因子と比較しより正確であった。今回のCAPO TB risk scoreは患者隔離をする意思決定の際に役立つ可能性がある。
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by res81 | 2014-06-22 15:06 | 抗酸菌 | Comments(0)