飯塚病院呼吸器内科のブログ
by res81
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福岡県の飯塚病院呼吸器内科のブログです。

呼吸器内科スタッフ7名+呼吸器腫瘍内科スタッフ1名+後期研修医6名(H28年4月現在)で、日々楽しく頑張っています。
大学の医局に関係なく、様々なバックグラウンドのドクターが集まっています。

飯塚病院呼吸器内科では、後期研修医やスタッフを募集しています。ご興味のある方は
iizukakokyu@gmail.com までご連絡ください。

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ドレーゲルアカデミー

お久しぶりです!
スタッフの1128です。

先日ドレーゲルアカデミーの『初めての肺保護換気コース』に参加しました。

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人工呼吸器の著書で有名な古川力丸先生と、APRVの第一人者である東京女子医大の小谷透先生から講義を受けることができました。

肺保護、open lung ,high peepとなんとなく分かった気になっていた単語が少しずつ理解できるようになりました!

ドレーゲルアカデミーでは、さらに実践的なセミナーもあるため、機会があれば参加したいと思います。
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by res81 | 2014-08-31 21:24 | 学会・研修会 | Comments(0)

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA/CSS)③ 治療・検査編

こんにちは。スタッフのAjです。
前回に引き続き、今回もEGPA/CSSについて書いていきます。

今回のテーマは、EGPA/CSSの治療や予後についてです。
EGPA/CSSはステロイド、免疫抑制剤に対する治療反応性は比較的良好と考えられているが、末梢神経障害および心病変は後遺症を残すことも少なくなく、予後良好とはいえない疾患である。


【治療】

治療が非常に重要
・EGPAの治療における大原則は、早期診断・早期治療。特に心・消化器病変は急激に悪化し、致死的になることも少なくないため、症状が乏しくても積極的に評価し、早期対応する。
病理診断が得られなくても予後改善のため治療を開始する。また虚血性臓器障害は、発症後の経過が長いほど治療不応となる。
EGPA発症粗期の死亡原因は、消化管虚血によるイレウスや穿孔、不整脈死が主体で一部に脳虚血障害もある。
一方、中長期の死因は、心機能低下ならびに治療による感染症や骨粗しょう症併発によるものが主体である。


①ステロイド治療
・ステロイドはEGPAに対する必須の基本薬である。PSL1㎎/㎏/日程度(40-60㎎/日)から開始し、症状の改善と末梢血好酸球数の正常化が得られたら(目標:好酸球1%未満、300個以下)
20㎎/日までは1-2週間ごとに投与量の10%~20%ずつ、もしくは5㎎ずつ漸減する。
・この際、重症例や進行が早い例では、その効果の速さからmPSL1g/日を3日間投与し、これを2-3クール繰り返してもよい。安定期にはPSL2.5㎎~10㎎/日で好酸球増多を来さないように維持できる例が多い。


②シクロフォスファミド(CY)の併用 免疫抑制剤の併用!!
中等症以上もしくは好酸球減少がステロイド薬で得られないEGPAでは、CY併用を強く推奨する!!!さらに非重症例においても、CYを併用した方がその後の再燃が有意に少ない。
◎投与ルートとして、経口CY(2㎎/㎏/日)とIVCY月1回(500-800㎎、または0.6g/m2)がある。
効果と副反応から後者の方が望ましいとする考え方が主流であるが、十分なエビデンスは少ない(経口だと総投与量が多くなりやすい。)
投与期間については、半年よりも1年間(=12回のIVCY)の方が再燃は少ないとする報告もある(もちろん、コントロール不良な人は、12回以上投与していく)。ただし、高齢者ではその投与量に十分注意が必要である。骨髄抑制やその他副作用に注意しながら定期的に検査をし、治療を行っていく。
初回入院以外は、2泊3日で投与可能。
※CYが使いにくい人や他の免疫抑制剤でもコントロール可能な人は、AZP、CyA、MTXなどを用いる。
※若年者、特に妊娠可能な女性では、その投与適応は慎重に行う。
不可逆性の排卵障害をきたすため、どうしても投与しなければならない場合は卵子を保存しておく必要ある!男性も、精子保存を!

※エンドキサンの発癌性には注意&必ずムンテラが必要。
総投与量  20gで相対危険度  2.4 
    20-40gで相対危険度 6.3 
      50gで相対危険度 14.5


③大量ɤグロブリン療法(IVIG)の併用
・ステロイド薬とCYを併用しても末梢神経炎と心機能低下は治療抵抗性であり、EGPAの予後は意外に不良である(特に心機能障害が予後を規定する)。
このような症例にはIVIGが著効することがあるため、投与を推奨する。
・EGPAに対するIVIGには以下の3つの意義がある
1.ステロイド抵抗性の神経障害への効果2.治療抵抗性心機能障害(EF低下と不整脈の両者)3.ステロイド薬減量と予後の改善効果

末梢神経障害に関しては、罹患期間が長くなるにつれて運動障害が固定され、筋委縮が明らかな症例では効果が得られにくいが、
特に心病変では、IVIG直後から不整脈やEFの著名な改善を認めるケースがほとんどであり、患者の中長期的予後改善に大きく貢献している。
               Asthma Immnunol 93:80-87,2004、Jpn J Clin Immun 24:336-346,2001
ただし、実際には末梢神経障害が改善する症例も多い。血流改善させるメカニズムがあるようで、グロブリン投与+リハビリ!!!を併用することが大切である。
投与中に末梢が暖かくなり、ビリビリしてきたと効果を実感する人もいます。投与後から実感する人もおり、それぞれです。
IVIG自体には好酸球減少効果や強い抗炎症効果はないため、ステロイドや免疫抑制剤との併用が必要である。まずステロイドや免疫抑制剤でしっかり治療したうえで、グロブリン投与が鉄則!!
グロブリン投与の効果持続は人ぞれぞれ。コントロール悪い人でも2-3か月に1回。1回の入院で1回まで。


④生物学的製剤の可能性
・抗IL-5抗体(mepolizumab):EGPAの活動期は活性化好酸球とIL-5が増加するため、本剤の効果が期待されている。
・抗IgE抗体:本剤を使用中にEGPAが発症したとの報告があるが、omalizumab投与し、ぜんそく症状の改善と好酸球数の減少が得られたとの症例報告もあり、現時点では結論はついていない。
・その他:IFN-αやTNF-α阻害薬は一定の効果があると報告されたものの、感染症や悪性腫瘍の副作用でEGPAへの開発は中止となった。抗CD20抗体(B細胞抑制)を治療抵抗性にEGPAに投与し有効であったとの報告もある。今後の開発に期待。


⑤リハビリ
末梢神経障害には足浴も効果あります。


⑥isosorbide dinitrate
フランドルテープ®(1日2枚まで)を末梢の痺れが強い部位に、適当な大きさに切って貼る(指に巻き付けたり)。ALLERGY 2003 : 58 : 680–690

【予後】
5年生存率 90%以上 10年生存率 70-80% 20年生存率 50-70%

ただし、下記5つのうち2つ以上合併している症例では予後不良。Guillevin L,et al:Medicine 75:17-28,1996
2つ以上陽性だと5年生存率は50%前後となる。

1.血清Cr(>1.58㎎/dl)
2.蛋白尿(1g>day)
3.重症消化管病変(穿孔、出血、梗塞、膵炎など)
4.心病変(心筋症、不整脈、心不全)
5.中枢神経障害

高齢なども予後不良因子の一つ.


特に心病変があると、突然死のリスク高い。
初期治療後に、見かけ上症状やデータはよくなるけど、心病変合併しているケースでは、いきなり心停止になることある。
→危ないから注意を。最初にしっかり、ムンテラすることが大切!!!


参考:アレルギー診療ゴールデンハンドブック、日内会誌 95:1493-1500,2006


文字ばかりになってしまいすみません。
次回は今まで3シリーズに書ききれなかったことを付け加えて書いていきます。
あとは、アスピリン喘息や食物依存性運動誘発アナフィラキシーなども書いていけたらと思います。
まだまだ暑さは続きますので、体調崩さないように頑張っていきましょう。


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by res81 | 2014-08-24 16:22 | アレルギー | Comments(2)

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA/CSS)② 診断、検査編

お久しぶりです。スタッフのAjです。
飯塚の先生方も頑張っていらっしゃるので、忘れられないように私も更新していきます。
相模原に来て、約1か月半が過ぎました。あと、1か月半しかありません。なんと時が経つのは早いのでしょう。
残り短いですが、引き続き研修頑張ります☆

今回は、EGPA/CSSの診断や検査についてまとめていきます。

EGPAは早期診断・早期治療が大切ですが、症状は本当に多彩で、なかなか診断に至らないケースも多いのが現状です。
ちょっとした痺れや腹痛は見逃されやすかったり・・・。典型例を知り、さらに知識を追加していきながら、診断していく必要があります。

【典型的経過】
気管支喘息、アレルギー性鼻炎をはじめとしたアレルギー疾患が先行し(重症喘息が数年先行)、末梢血好酸球の著名な増加とともに全身の血管炎症状が出現する。
血管炎症状は四肢末梢のしびれと疼痛を主訴とする多発単神経炎を高率に認め、他に肺、心、消化管、腎、皮膚、筋肉、眼、関節、中枢神経、副鼻腔など全身のあらゆる臓器におこりうる。

※血管炎発症前に一過性の肺浸潤(好酸球性肺炎)、好酸球性胃腸炎を呈することも多い。
※喘息発症から血管炎発症まで3年以内が多いといわれているが、喘息発症後8-10年の報告が多く、中には30年以上経過して発症する症例もある。
発症時に喘息症状がなくても、経過中に喘息症状が顕在化する症例も多い。


【診断基準】
厚生労働省のEGPAの診断基準
・アメリカリウマチ学会(ACR)のEGPA分類基準
の2種類がある。診断にはACRが用いられることが多い。

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EGPAの予後を左右するのは早期診断、早期治療である!!!!(もちろん年齢や障害をきたす臓器別に予後は大きく変わりますが。)
早期診断のためには発症パターンを知っておく必要がある。代表的な3つの経過を以下の通りです。
それをもとに、診断法を下記に示します。
アレルギー診療(ゴールデンハンドブック)より。


●EGPA全体の80%に当てはまるケース
もともと重症喘息(ただし軽症もある)が数年先行し、2か所以上の四肢末梢のしびれや麻痺が出現し、末梢血好酸球増多(25%以上)を伴っていればEGPAを強く疑い検索に入る。
MPOANCA陽性(35%)、IgE高値、好酸球性副鼻腔炎(80%)や、リウマトイド因子陽性化、血小板数を増加(それぞれ60-70%に認める)を確認する。
また、臓器虚血症状が伴っていれば、EGPAの可能性は非常に高まる。まれに、ステロイド内服例では好酸球増多が目立たないケースもある→診断が難しくなります・・・。

●EGPA全体の15%に当てはまるケース
喘息患者が慢性好酸球性肺炎を繰り返す、いわゆるPIE(pulmonay infiltration with eosinopilia)with asthma はEGPAを念頭におく。
EGPAを思わせる臓器障害やANCA陽性がないか、まずは検索する。好酸球性肺炎併発時にはEGPAが否定的でも、数年以内にEGPAを発症するケースが約20%あり、注意深く経過観察する。

●EGPA全体の数%に当てはまるケース
明らかな喘息症状がなく、好酸球増多と多発単神経炎で発症する例も数%程度ある。
ただし、このようなケースでは、血管炎発症時に副鼻腔や肺野CT、呼気NO、喀痰好酸球などで検索すると、無症候性の好酸球性気道炎症が確認できる。
この場合でも通常発症後1年以内に下気道症状が遅れて出現する。また末梢神経障害を認めないケースもある。

●まれな臓器限局型
喘息も多発性単神経炎も認めない単一臓器の好酸球性炎症と血管炎で発症するケースが報告が報告されている。
たとえば、好酸球性胃腸炎、好酸球性心筋炎、好酸球性唾液腺炎、好酸球性冠動脈炎などである。これらの病理像で血管炎所見がある場合、EGPA亜型と考えるべきか、
それぞれの臓器特異的炎症と考えるべきかその判断は難しい。

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【実際疑い症例or診断症例への具体的な検査】 
※私が今経験している症例で実際に行った検査です。

◎アレルギー素因チェック IgEやRASTも(真菌のRAST陽性となるケースもある。治療でよくなる人もいるためEGPAに特異的とは言いにくい??)。
◎ANCA、抗核抗体などもチェック 免疫複合体(C1qも。これがあればかなり悪い)、免疫グロブリン、補体もチェック
◎肺機能検査 可逆性、過敏性、呼気NOも
◎副鼻腔CT
◎心電図、心エコー、ホルター心電図、BNPもかならず(BNP 21がカットオフ)、心筋シンチMIBG→症例によっては、心カテを。心筋生検も!
◎内視鏡(上部下部内視鏡)→所見なくても生検!!!好酸球浸潤ないか、確認。
◎頭部MRI(神経症状あれば、脳梗塞との鑑別は必ず必要。血栓+、血小板↑→脳梗塞。または、全く関係なく合併している可能性も)
◎全身の造影CT→血管炎をおこし、動脈瘤なども合併することがあるから
◎眼科受診→眼底の血管炎の有無をみてもらうこと。
◎四肢のサーモグラフィー
◎末梢神経の伝導速度 針筋電図
◎喀痰好酸球など、尿中の好酸球なども


【病理】
病理組織学的には全身諸臓器のフィブリノイド壊死性血管炎と血管壁および血管周囲の好酸球浸潤を伴う肉芽腫性病変を呈することが特徴

肺、下部消化管、腎(尿中好酸球を含む)、皮膚、心筋、神経などで行われる。消化管内視鏡による生検は、皮膚に次いで病理組織が得られやすいこと、
内視鏡所見が乏しくとも生検により好酸球浸潤が証明できることからも、臨床症状が少なくても消化管内視鏡をすることを推奨!

心筋障害をきたす症例では、好酸球浸潤だけでなく、心筋細胞が脱落してしまう症例もあります。
また消化管の生検でも、好酸球浸潤だけでなく、ひどくなると間質が著明に浮腫をきたします。これも特徴のようです。

喘息患者さんで、神経症状(※)や消化器症状がある人は、EGPA/CSSが隠れているかもしれません。
好酸球が高い人はなお、しっかり問診しましょう。
※神経症状の問診のコツ!お箸は不自由ないか、文字はしっかりかけるか。歩くときにふらつかないか→つぎ足歩行してもらうとよい。手先、足先にしびれはないかなどを聞いてみるといいかもしれません。

長くなり申し訳ありません。
次回は治療について、書いていきます。よろしくお願いします。


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by res81 | 2014-08-12 22:03 | アレルギー | Comments(0)

CTによる被曝と妊娠

スタッフTBです。

ここ最近は学会や研究会等が多く出張続きで、たくさんの刺激を受けております。
また、後期研修の見学に来てくださる先生方も多く、ますます頑張らねば・・・と思う日々です。

さて、CTについて再勉強しましたのでその一部を。
医療被爆の基本的事項と、妊婦=胎児へのCTの影響を簡単にまとめます。

<人体に対する放射線の影響>
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「確定的影響」
ある程度以上の細胞数が放射線により再生不可能となった際に認められる影響
その最小線量=閾線量
閾線量を超えると、影響の程度は急激に悪化する
<各組織・臓器に対する確定的影響の閾線量>
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「確率的影響」
放射線が突然変異を誘発し、発癌や遺伝子異常を生じること
被曝線量と発症確率の間には「直線仮説」が考えられている
過去の疫学的調査の結果では、200mSv以下の被曝線量で発癌の増加は確認されていない

<被曝の時期と胎児への影響>
・妊娠初期(~8週)は、患者が妊娠に気づいていない可能性が高く、かつ胎児への被曝の影響が最も高い時期であるため、妊娠の有無の確認には十分な注意が必要
・妊娠初期の胎児に対する放射線の影響は確定的影響であり、100mGyの閾線量以下であれば問題はない
・胸部CTでの胎児への被曝線量は平均0.06mGy(最大0.96mGy)であるため、実際には特に問題になることはない
<CT撮像部位と胎児への被曝線量>
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・しかし、患者の誤解を避けるためにも必ず確認を行い、妊娠の可能性がある場合には防護具を着用するなどの対策を行う

*Gy(グレイ)とSv(シーベルト)*
Gyは、照射物質lkg当たり1Jのエネルギーを与える放射線量であり、放射線や物質の種類に関係はない。一方のSvは、放射線の種類により人体に対する影響が異なることを考慮した単位である。「等価線量(Sv)=吸収線量(Gy)×放射線荷重係数」という関係にあるが、X線とγ線に関しては、Gy≒Svと考えてよい。


細心の注意を払うことに加え、放射線被曝とは関係なく出生時の3~6%に何らかの先天異常があることや、アルコールや喫煙などの他の危険因子もあることをきちんと説明しておくことも、無用なトラブルを未然に防ぐためには重要ですね。

今後、CTとペースメーカー・除細動器、造影剤腎症などについてまとめていきます~


<参考文献>
日本放射線公衆安全学会(監):医療被ばく説明マニュアル,第1版,日本放射線技師会出版会,東京,2007.
日本放射線公衆安全学会(編):医療従事者のための医療被ばくハンドブック,第1版,文光堂,東京,2008.
Congenital Anomalies 2002; 42: 10-14
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by res81 | 2014-08-06 23:31 | 画像診断 | Comments(0)

☆気胸・肺嚢胞スタディグループ 第12回勉強会☆

7月は肺癌診断会および画像診断セミナー⇒内科認定医試験を終え、結果待ちの中の後期研修医GSnowです。そろそろ国内留学に向けての履歴書書いたり、お部屋を決めたりしている最近です。
東京タワー・東京ドームを通りすぎつつ、先日「気胸・肺嚢胞スタディグループ」の勉強会に参加させていただきました。
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同種造血幹細胞移植は今まで経験がなく大変勉強になりました。

同種造血幹細胞移植(hematopoietic stem cell transplantation:HSCT)後の肺障害
移植後1ヶ月以内:好中球減少期
・Capillary leak syndrome
・びまん性肺胞出血(diffuse alveolar hemorrhage:DAH)
・Peri-engraftment respiratory distress syndrome:PERDS
・感染症:細菌性肺炎、真菌感染症
移植後1ヶ月~100日
・急性呼吸急迫症候群
・DAH
・Pulmonary cystlytic thrombi
・器質化肺炎
・感染症:PCP、CMV肺炎
移植後100日以降:晩期     ※免疫力は回復し非感染性疾患が多い
・閉塞性細気管支炎─慢性移植片対宿主病変
・好酸球性肺炎
・肺静脈閉塞症
・間質性肺炎類似肺線維化病変:OP、NSIP、LIP、DAD、PPFE
(画像診断 Vol.34, No.1,2014)

同種移植の方が自家移植より合併症が多く、GVHDが関与している。
HSCT後非感染性肺障害をIdiopathic pneumonia syndrome(IPS)やlate-onset noninfectionus pulmonary complication(LONIPC)というようです。LONIPCは移植後後期肺障害に限ったものを指します。

閉塞性細気管支炎症候群:Bronchiolitis obliterans syndrome(BOS)

概念:
非可逆的な細気管支の線維性壁肥厚と閉塞を来す疾患でGVHDと関連があり、T細胞性免疫が関与している。

検査:
呼吸機能検査:Airflow obstructioinを認め、閉塞性肺障害パターンを呈する。
       FEV1/FVC→定期的なフォローを行い早期発見を行う
気管支鏡検査:TBLB(※なかなか診断できない)
CT:呼気CT⇒Air-trappingを反映するlow attenuation areaを呈する(mosaic pattern)
   末梢の血管影の減少・縮小化、細気管支拡張
   移植前と移植後を比較し移植後肺過膨張の進行を確認
肺換気血流シンチグラフィー

治療:
肺機能検査による3ヶ月毎のフォロー
免疫抑制剤
ステロイド(※発表された施設の先生方はICS/LABAを使用しているようです)
AZM(J heart Lung Transplant 2010;29:531-7)
肺移植

のようです。間違っていればご指摘ください。。。
ERS 2014では、女性気胸について発表させていただきます。勉強しておかないと。。。
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by res81 | 2014-08-03 18:25 | 科の紹介 | Comments(0)

慢性呼吸器疾患(主にCOPD)急性増悪の早期リハについて

おはようございます。
飯塚病院呼吸器内科後期研修医のOkです。
呼吸器内科所属ですが4月から他科を回らせていただいておりました。晴れて7月から呼吸器内科で診療をさせていたいております。よろしくお願いいたします^^

さて、今回は抄読会のためによませていただいた論文をお届けいたします。


BMJ 2014/3498 July2014

題名:慢性呼吸器疾患増悪に対する入院中の早期リハビリテーションによる介入は回復に寄与するか?

慢性呼吸器疾患(重にCOPD)の患者さまは急性増悪されて入院されることが多いと思います。イギリスでも緊急入院の大部分をしめており、医療費などもたくさんかかるため問題になっているようです。

早期のリハビリテーションを行うことで最初の入院12か月以内の再入院が減るかどうかを検討したものです。
以下論文の内容です。

Objective:慢性呼吸器疾患増悪患者に対して入院中の早期のリハビリーテーションによる介入がその後の12ヶ月間における再入院のリスクを減らし、身体機能と健康状態を改善するかどうかを検討する。

Design:前向き、無作為コントロール研究

Method:
イギリスの大学関連の総合病院や大学病院で行った。
慢性呼吸器疾患増悪で入院した45~93歳の389人の患者を対象に行った。患者たちは入院後の48時間以内に早期リハビリテーション群 196人と通常のケア群 193人に分けられた。
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通常ケア群(193人)
 排痰リハなど気道クリアランスの管理、禁煙指導、動き方指導、栄養指導など。

早期リハビリテーション群(196人)
 入院後48時間以内にリハビリ開始する群。6週間介入を受ける。
 通常ケアに加えて、有酸素運動や神経筋電気刺激トレーニングなど、自己管理方法も指導する。

Primary  outcomeを12ヶ月以内の再入院とし、Secondary outcomeを在院日数、死亡率、身体機能、健康状態とした。


Result:389人中320人(82人)がCOPDという診断を受けていた。
233人(60%)は1年以内に再度入院となった。(内訳は介入群が62%、58%がコントロール群)両群間には1年以内の再入院について有意な差は認めなかった。
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1年以内の死亡率については介入早期リハ群が通常ケア群に対して増加を認めた
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身体能力や健康状態については両群とも増悪を認めたが両群に有意な差は認めなかった。

Conclusion:慢性呼吸器疾患の患者で入院中に早期リハビリテーション介入を行うことは、その後12ヶ月目までの再入院のリスクを減らすこともなかった。
両群ともに身体能力・健康状態は12ヶ月目で改善はしていたが、早期リハを行うことが通常ケアのみとくらべて身体能力の改善や健康状態改善に対する効果は認めなかった。
そればかりか早期リハを行った群のほうが12ヶ月以内の死亡率を上昇させている。
現在行われている標準的な理学療法以上のリハビリや有酸素運動などのリハビリは行うべきではない。

との結論でした。

今回、論文中でおこなっている早期リハビリテーションはかなりハードな印象を受けます。
慢性呼吸器疾患増悪で入院されている方は、入院後48時間以内は急性期でかなり状態は悪く、体力的にもきつい状態だと思います。
そんな方々に有酸素運動などしたら呼吸状態が悪化するのでは?と思ってしまいます。
自分が風邪で寝込んでいるときに有酸素運動などできるとは正直思えません><

抄読会後に先生たちがいわれてていたのは、通常ケアを早期に開始する群とそうでない群とにわけて研究したほうがおもしろいとのことでした。
たしかにそちらのほうが現実的ですね・・・。
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by res81 | 2014-08-03 10:56 | COPD | Comments(0)