飯塚病院呼吸器内科のブログ
by res81
お知らせ
福岡県の飯塚病院呼吸器内科のブログです。

呼吸器内科スタッフ10名+呼吸器腫瘍内科スタッフ1名+後期研修医4名(H29年4月現在)で、日々楽しく頑張っています。
大学の医局に関係なく、様々なバックグラウンドのドクターが集まっています。

飯塚病院呼吸器内科では、後期研修医やスタッフを募集しています。ご興味のある方は
iizukakokyu@gmail.com までご連絡ください。

飯塚病院血液内科ブログ(←クリック)もお勧め!!
カテゴリ
全体
科の紹介
学会・研修会
身体所見
画像診断
気管支鏡
COPD
喘息
肺炎
抗酸菌
肺癌
間質性肺炎
咳嗽
胸水
胸膜癒着術
中皮腫
じん肺
真菌症
気管支拡張症
膠原病
病理学
感染症
アレルギー
肺高血圧症
写真部
Pearl
未分類
記事ランキング
検索
最新のコメント
先生、ポスターもブログも..
by Y@いいづか at 10:55
APSRのセッション、ポ..
by つぎとみ@せいろか at 21:09
228先生 先日は、久..
by k at 01:25
横山様 コメントありが..
by res81 at 17:47
こんにちは。咳のことを検..
by 横山 at 13:50
Y先生、ありがとうござい..
by res81 at 17:31
K先生、お久しぶりです!..
by res81 at 14:19
いつも、ブログ更新を楽し..
by K at 03:21
吉村様 ブログを見..
by res81 at 20:11
K先生、ご無沙汰してます..
by res81 at 03:23
タグ
フォロー中のブログ
最新のトラックバック
外部リンク
ファン
ブログジャンル
画像一覧


<   2015年 01月 ( 3 )   > この月の画像一覧

飯塚病院呼吸器内科 後期研修

お久しぶりです。スタッフの1128です。

早いもので僕が飯塚病院に来てもうすぐ3年が経ちます。
今回は実際に後期研修をしてみてどうだったのかを振り返りながら少しまとめてみたいと思います。

昨年度は228号先生が当院の後期研修についてとてもわかりやすくPRしていただいたことは記憶に新しいと思います。
記事はこちら!

僕の実際のローテーションはこんな感じでした

d0264356_20494212.jpg


~3年目~
飯塚といえば呼吸器内科!!!と言いたいところですが、総合診療科と救急部の方が少しだけ有名かもしれません。
ミーハーな僕は救急部と総合診療科の両方をローテしました。
救急部では初めての3次救急を体験し、総合診療科では鑑別診断の重要性を学びました。
呼吸器内科では228号先生にお世話になりながら、日常診療にあたりました。3年目の後半からは外来診療を経験することができ、非常に勉強になりました。
3年目には2度の学会発表を経験することができました。

~4年目~
検査室で腹部エコー・心エコーを、呼吸器外科では、肺癌・気胸・膿胸の外科手術を経験することができました。
10月には228号先生・Ymj先生と一緒にCHEST2013に参加し、初めての国際学会でポスター発表を行いました。英語でのディスカッションは難しく、英会話を意識するよいきっかけになりました。

~5年目~
院外研修で呼吸器の3次病院である東京病院にお世話になりました。結核診療やEBUS-GSなど、飯塚病院では経験できない症例を担当させていただくだけでなく、論文のテーマも与えていただき非常に勉強になりました。
11月には228号先生・Aj先生とともにAPSR2014に参加しました。2回目の国際学会でしたが、英語力は昨年度と変わりなく、昨年以上に英会話を意識するようになりました。

今年度は日常診療の合間にTB先生に指導していただきながら英語でのケースレポートの作成を行いました。現在でアクセプトされているのは1本で、査読待ちのものが2本あります。

飯塚病院は救急症例も多く忙しい市中病院ですが、国際学会や論文作成などの学術的な内容も経験できる素晴らしい病院です。
あっという間の3年間でしたが、いい経験をさせていただきました。

当院での後期研修に少しでも興味があれば、ぜひ一度見学に来ていただければと思います。

メールはこちら:iizukakokyu@gmail.com
[PR]
by res81 | 2015-01-28 20:55 | 科の紹介 | Comments(0)

肺動脈の血流と間質陰影について

こんにちは、スタッフ228号です〜

いやーひさびさの投稿になります。もう1月も終わりを迎えようとしていますが、ブログともども今年もよろしくお願いします。

さて、先日、第32回北九州胸部疾患研究会に参加してきましたので、その様子を報告させていただきます。当科からは後期レジデントのY先生が、堂々と症例発表をしてきました!

d0264356_05195485.png
日常業務をこなしながら直前までがんばりましたからね〜 立派でした!


発表内容に関して少し。。。


今回は、右肺動脈の一部(下葉肺動脈)が途絶した症例・・・その途絶の原因が肺塞栓症なのか、肺動脈欠損症なのか判断が悩まし〜い症例を提示しました。しかも、血流が途絶した部位の肺野にすりガラス陰影、さらに一部は線維化した所見(牽引性気管支拡張症)が!!あたかも、片側性の間質性肺炎のような(ふつう間質性肺炎は両側ですよね)


肺動脈の血流が途絶えた場合のCT所見としては、mosaic pattern(モザイクパターン)が有名です。

慢性肺血栓塞栓症では、血栓がぱらぱらと散らばり血管を詰めてしまうわけですが、すると肺野では、血流がある部分(CTではやや白く映る)と血流が途絶えた部分(CTで黒く映る)とが混在した mosaic pattern が生じると考えられます(参考:日呼吸会誌 2006; 44: 485-491)。CTで肺病変をみるとき、通常は白っぽいほうが異常所見と考えられますが、この場合は黒っぽい部分のほうが異常なんですね〜

d0264356_05202211.png

ちなみに、mosaic patternは、細気管支領域の病変がある場合にも、小葉単位で含気のむらができ、CTで黒い部分(空気がうまく吐き出せずにair trappingした部位)と白い部分(空気が吐き出せている部分)とが混在して生じます。教科書的には、過敏性肺炎の所見として有名で、どちらかというと「mosaic pattern=細気管支病変」と認識されていることが多いように思います。

d0264356_05203771.png

さて、話を今回の症例に戻すと、mosaic patternは、血流が途絶えている部分と血流が保たれている部分とが混在することで生じるわけなんですが、今回の症例のように、右下葉肺動脈というかなり中枢側の動脈が閉塞してしまうと、単純に考えれば、右下葉の血流が途絶えるわけですから、その部分の肺野は、どちらかというとより黒く映るはず・・・なんですが、今回の症例は、この部分がすりガラス陰影(もやもやと白っぽく)を呈しているんですね〜

しかも、一部に気管支が拡張した(つまり線維性の変化によって気管支が牽引されて拡張してしまっている)間質性肺炎のような所見もあるという・・・


この病態はいかに!!??


ということで、case reportですが、こんな論文を紹介します。
J Thorac Imaging 2008; 23: 292-294.
AJR 2007; 189: 221-223.

d0264356_14230186.png

いや〜この写真はインパクト大きいですね!!
血流が途絶え、その部位に一致してすりガラス陰影がみられ、そしていわゆる間質性肺炎のような所見(蜂巣肺)を伴っている・・・


ちなみに、この論文では、こんな考察がしてあります。


肺動脈(肺循環系)の血流が途絶える
➡ 体動脈(体循環)からの側副血行路が発達する
➡ 肺動脈系と体動脈系とが交通をもつ
➡ 血管内の圧格差や高濃度酸素により、発達した側副血行路や交通部位が浮腫、塞栓、出血などを来す(=すりガラス陰影となる!!)
➡ 浮腫、塞栓、出血などが繰り返されていく中で、次第に線維化をもたらしていく・・・


う〜ん、なるほど、深い考察!!


ということで、今回のブログのまとめです。

・mosaic patternは、細気管支病変の場合と血流に問題がある場合が考えられる
・mosaic patternは、黒っぽい部分のほうが病態の主座である
・血流が途絶える部分は黒っぽく映るが、時にその部位に側副血行路が発達することで、すりガラス陰影を生じうる
・さらに、血流が途絶えた部分は、線維化も伴いうる
・片側性に間質陰影(すりガラス陰影や線維化を示唆する所見)がみられる場合には、その陰影の中枢側の血管系を評価しよう(もしかしたら中枢の血管の血流が途絶えているかもね)!


以上、ややマニアックな内容でした、どうもお粗末様でした〜
Y先生、本当にお疲れさま〜☆





[PR]
by res81 | 2015-01-28 05:31 | 間質性肺炎 | Comments(0)

TNFα阻害薬と抗酸菌感染症

あけましておめでとうございます。
お久しぶりです。スタッフの1128です。
2015年度初投稿ですが、特に普段と変化のない内容です。

東京病院での短期研修を終え、1月から飯塚病院に復帰しました。
東京病院の皆様には本当にお世話になりました。同世代の先生も多く、いい刺激になりました。
むこうの電子カルテに慣れてしまっていたこともあり、今は事務的な面でちょっと困っています。

当院は膠原病内科があり、RAなどに生物学的製剤を導入されている患者さんが多くいらっしゃいます。呼吸器内科医として、生物学的製剤導入時のTB/NTMに関してはコンサルトをうけることがあります。
正直なところ、RAの気道病変なのか抗酸菌なのか判断に困ることもあります。

ERJより
Mycobacterial diseases developed during anti-tumour necrosis factor-α therapy.
Eur Respir J. 2014 Nov;44(5):1289-95.

【introduction】
・TNF-α阻害薬は関節リウマチや炎症性腸疾患の患者に対して推奨されているが、感染症に罹患するリスクが上がるという副作用もある
・TNF-αは以下の点で重要なサイトカインである
細胞内病原体の殺菌
肉芽種形成
壊死
播種の抑制
・TNF-α阻害薬は上記作用を抑制するためTB/NTMに罹患するリスクが上がる
・NTMはTBほどTNF-α阻害薬使用時の経過がよくわかっていない
・TNF-α阻害薬使用時にTB/NTMを発症した患者の、臨床症状・細菌学的特徴・画像的特徴・治療経過に関して評価した

【methods】
・韓国の2700床規模の病院でレトロスペクティブに行った
・韓国は結核の中等度蔓延国である
・2004年7月から2013年7月の間でTNF-α阻害薬で治療された1165例
炎症性腸疾患:422例
関節リウマチ:320例
強直性脊椎炎:389例
その他 :34例
・いずれかの検体でTBが検出された場合やPCR陽性の場合はTBと診断
・NTMの診断は2007年のATSの診断基準に従った
・経過フォローに関しては、来院しなくなる・転院・死亡・TNF-α阻害薬治療終了後3ケ月まで行った
・良好な治療経過の定義としては、再発することなく治療を完遂できた、もしくは治療にて培養が陰性化とした

【results】
・TNF-α阻害薬治療中にTB19例、NTM6例を認めた
・罹患率としては:TB:747.7/10万人、NTM:238.2/10万人
・NTM患者は高齢女性が多く、全例肺病変を認めた。また基礎疾患としてはRAが83.3%と多く、全例でステロイド使用があった
・TBでは強直性脊椎炎が多かった

d0264356_16163210.jpg


・TNF-α阻害薬の投与期間に両群で有意差は認めなかった
・TBでは77.7%で肺外病変あり
・TB15例がINHとRFP感受性あり
・NTMは全てCAM感受性あり
・NTMはマクロライドを含めた治療、TBはfirst line drugでの治療を行った
・治療期間の中央値:TB:6.1ヶ月、NTM:15.2ヶ月
・NTMの6例ともすべて喀痰培養は陰性化した

d0264356_16181397.jpg


・NTMで死亡の1例はILDの増悪
・治療経過はfigure1参照
・TNF-α阻害薬の再投与した症例ではNTMやTBの増悪は認めなった

d0264356_16183010.jpg


【discussion】
・NTMではLTBIのように予防投与が確立しているわけではない。そのため、治療前の評価と治療中の評価が重要である
・NTMが増悪した際にTNF-α阻害薬を中止するかどうかははっきりしていない
・本研究では対象が少なく、また単一施設のため選択バイアスの除外ができていないなどの制限がある
[PR]
by res81 | 2015-01-16 16:20 | 抗酸菌 | Comments(0)