飯塚病院呼吸器内科のブログ
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<   2015年 07月 ( 1 )   > この月の画像一覧

慢性好酸球性肺炎のステロイド漸減法

スタッフのTBです。
久しぶりの投稿です。
(間隔があいてしまい申し訳ございません・・・)

今年の梅雨は気温の変化も大きくて、喘息が悪化する方が多かった気がしておりますが、いかがでしょうか?

さて、最近抄読会で読んだ論文を。
浜松医大からの報告で、とても参考になる論文です。

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Efficacy of short-term prednisolone treatment in patients with chronic eosinophilic pneumonia
Eur Respir J 2015; 45: 1624–1631


<Background>
・慢性好酸球性肺炎(Chronic eosinophilic pneumonia;CEP)は原因不明の肺に好酸球が浸潤する疾患で、1969年に初めて報告された。  
   N Engl J Med 1969; 280: 787–798

・下記の臨床的特徴がある;
 中年女性に好発
 約半数に喘息などのアレルギー疾患を伴う
 症状…咳、発熱、息切れ、倦怠感など
 画像…末梢優位の斑状影、25%の患者で陰影が移動する 

・診断は血液もしくは肺胞の好酸球増多の確認と、他のPIE症候群の原因の除外で行う
 [診断基準]
 他疾患を除外の上、下記1-3のうちいずれかを満たす
 1. 外科的肺生検で好酸球浸潤
 2. BALFもしくは末梢血好酸球が ≧30%
 3. 下記a)、b)、c)のうち2つ以上を満たす
   a) TBLBで好酸球が多い
   b) BALF好酸球が10%以上
   c) 末梢血好酸球が6%以上
   
・治療は全身ステロイド投与
 プレドニゾロン0.5–1.0 mg/kg/day で劇的に効く事がほとんど
  ⇔ステロイド漸減中~中止後の再燃が30-50%と多い
 ステロイド投与期間についてのstudyはない
  ⇒MARCHANDらが、「6ヵ月以内の治療中止は再発が多い」と報告したのみ
    Medicine 1998; 77: 299–312

<Purpose>
・ステロイド投与期間の比較:3ヶ月 vs 6ヶ月

<Materials and Methods>
・Patient selection:浜松医大とその関連病院で前向きに集積
・Inclusion criteria:
 CEPを示唆する症状(上記)が1ヶ月以上持続
 レントゲンで浸潤影
 BALで好酸球増多もしくはTBLBで好酸球浸潤
 感染症の除外
・Exclusion criteria:
 既にステロイドを10 mg/day以上使用している
 免疫抑制剤を使用している
 重大な合併症(糖尿病、治療抵抗性高血圧、出血性消化管潰瘍、緑内障、肝障害、腎不全)

・プロトコール
 multicentre, randomised, open-label, parallel group study
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・Primary Outcome=再発!
 再発の定義…自覚症状、陰影、血中・BALFの好酸球の再悪化、感染症除外

<Results>
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→ 再発率に有意差なし!
   安全性も同等
   再発に関する独立因子なし!!

<Conclusion>
・3ヶ月治療と6ヶ月治療で再発率・安全性ともに有意差はなし
・様々な臨床パラメータを含め再発に関する独立因子を検討
 ⇒治療法含め、独立因子は認められなかった

<Discussion>
・再発率が同等であれば、 “shorter is better”かも
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以前この分野のご専門であるご高名な先生とお話しさせて頂く機会があり、「3mg/dayを2mg/dayにすると再発する事があるんです。薬理学的に差があるとは思ないんですけどね~」とお話しされていたことを思い出しました。
昨年だけでも3例ほど私の外来に新しい患者さんがいらっしゃっており、長期フォロー中の方を含めるとそれなりの数になります。確かに中々ステロイドをやめる事が出来ない方が多く、悩みながら用量を調整しております。

症例数はやや少なめですが、すっきりしたプロトコールで大変勉強になるとともに大きな刺激になる論文でした。
臨床研究はやっぱり面白いです!
我々も頑張ります~!!
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by res81 | 2015-07-26 00:31 | 間質性肺炎 | Comments(0)