飯塚病院呼吸器内科のブログ
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<   2017年 01月 ( 1 )   > この月の画像一覧

「長時間作用性抗コリン薬を喘息治療にどのように役立てるか。」

皆さんこんばんはAjです。

2017年も始まりました!
とても寒い日が続いていますが、皆さん体調崩すことなくお過ごしでしょうか。
飯塚病院呼吸器内科も、それぞれエネルギッシュに頑張っています!

さて、1月21日に東京で開催されましたMeet the Expert「長時間作用性抗コリン薬を喘息治療にどのように役立てるか。」に参加してまいりました。
少人数でdiscussionを交えながらの会でして、とても勉強になりました。

座長を東邦大学医療センター大橋病院呼吸器内科教授 松瀬 厚人先生
特別講演を東京女子医科大学 内科学第一講座 主任教授 玉置 淳先生
症例の提示をNTT東日本関東病院 呼吸器センター長 放生 雅章先生
      寺田内科・呼吸器科 副院長 寺田 邦彦先生
よりご講演をして頂きました。

まずは、玉置先生より「喘息治療における抗コリン薬の役割」についてご講演頂きました。
作用機序、効果、さらにどのような患者さんに使用するべきなのか、基礎から臨床までとても分かりやすく講演して頂きました。

◎抗コリン薬の抗喘息作用は?
・気管支拡張作用
・粘液産生の減少
・抗炎症作用
・咳を抑制

◎スピリーバ®の抗喘息薬としての作用機序は?
抗コリン薬は、気管支を収縮させるアセチルコリンが結合する、ムスカリン受容体をブロックすることで、気管支拡張効果を得ます。
ムスカリン受容体は、迷走神経の末端にはM1,M2,M3の3種類存在しますが、気道ではムスカリン受容体のうちM3受容体が重要な役割を担っています。
さらにM3受容体は、気道の平滑筋だけでなく粘液産生細胞や炎症細胞(リンパ球やマクロファージ)にも存在しています。
ですので、気管支拡張作用だけでなく、粘液産生の抑制や抗炎症作用も!
また、咳受容体の一つであるC線維の表面にTRPV1受容体(カプサイシン受容体)もブロックするため、咳を抑えらます。

※M1M2M3について…。M2受容体は、アセチルコリンの過放出を防ぐためにネガティブフェードバックをかけてくれる調整役なのですが、抗コリン薬はここもブロックしてしまいます(さらに、喘息患者さんではM2受容体の作用が減弱していることも分かっています…)。
より強い効果を得るためには、M1,M3のみブロックする必要がありますが、これはなかなか難しいです。ですが、スピリーバ®は、M1,M3には長時間結合し、M2には短時間結合するという特徴をもっています。ゆえに、利にかなった吸入薬といえます!

◎ では、どのような患者さんにLAMAの追加を考慮するべきか】
 ・ICS/LABAでコントロール不良・不十分
・LABA抵抗性のArg16genotype(15%)LABAが効きにくいひと。
・%FEV1<60%+気道リモデリング
・非好酸球性気道炎症
・喫煙者、喫煙歴あり
・夜間から早朝の症状
・痰が多い/咳が多い
・LABA特有の副作用あり
・βブロッカー服用中

また、夜間症状を抑えるためにも吸入は夕方or夜にする方がよいのではないかとのことでした!!
明日からの臨床にすぐに役立てる内容ばかりでした。

次に、NTT東日本関東病院 呼吸器センター長 放生 雅章先生、寺田内科・呼吸器科 副院長 寺田 邦彦先生より症例(コントロール不良の喘息症例)の提示をして頂きました。

症例提示を行ったあと、それぞれ実際の臨床での次の一手をどうするか番号札を用い発表するという形式でdiscussionをしました(以下の選択肢がありました)。
➀フルティフォーム®8吸入へ増量 ➁シムビコート4吸入へ、SMART療法導入 ➂レルベア®200 1吸入/日へ変更 ④ロイコトリエン受容体拮抗薬の追加
➄長時間作用性抗コリン薬を追加。

アドヒアランスの問題はどうか、炎症がまだ残っているとすればどうしようか、咳はどうだろうか、肺機能はどうだどろうかなどなど色々考えながら回答しました。
どれが正解というわけではないので、先生方それぞれの考えを聞くことができ、また松瀬先生から一つ一つコメントを頂けるためてとても勉強になりました。

そのなかで、放生先生よりもLAMAの追加を積極的に考慮する患者さんについてのお話がありました。
 ・β2刺激薬の使用が懸念される人
 (心筋症、頻脈性不整脈、β2刺激薬による副作用:こむら返りや低K血症など…)
 ・SABA使用回数多い人
 ・感染後の増悪を繰り返す人(効果はすぐなくても、一冬使ってみると効果実感できるはず)

スピリーバ®は、気管支拡張だけでなく上記に記載した通りあらゆる作用がありどのようなフェノタイプの喘息患者にも効果がある治療薬ではないかと思います。

当院でも、緑内障や前立腺肥大による排尿障害の患者さんがないコントロール不良の患者さんには積極的に使用しています。重症持続型の文言も外れましたし、喘息患者のtotalコントロールを目指すための一手として今後も使用していきたいと思います。

全国から集まった諸先輩方と一緒に勉強できとても貴重な経験でした。ありがとうございました。

勉強会の終了後に懇親会もありました!!
御高名な先生方と直接お話ができ、また症例相談にも乗って頂いたりとても貴重な時間を過ごすことができました。

そして私…、お恥ずかしながら、張り切って参加していたためとても目立っていたようで、
そのことが功を奏し、最後のご挨拶をさせて頂くこととなりました。
若輩者で大変恐縮でしたが、このようなチャンスを頂けましたので、お言葉に甘えご挨拶させて頂きました。
緊張で顔は引きつっていましたが、諸先輩方は暖かく見守って下さりました。ありがたい限りです。

これからも精進してまいります。よろしくお願い致します。
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by res81 | 2017-01-22 23:53 | 学会・研修会 | Comments(0)