飯塚病院呼吸器内科のブログ
by res81
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福岡県の飯塚病院呼吸器内科のブログです。

呼吸器内科スタッフ10名+呼吸器腫瘍内科スタッフ1名+後期研修医4名(H29年4月現在)で、日々楽しく頑張っています。
大学の医局に関係なく、様々なバックグラウンドのドクターが集まっています。

飯塚病院呼吸器内科では、後期研修医やスタッフを募集しています。ご興味のある方は
iizukakokyu@gmail.com までご連絡ください。

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第2回北九州呼吸器病研究会

みなさまこんばんは。スタッフの219です。

2017年9月29日、小倉のリーガロイヤルホテルで”第2回北九州呼吸器病研究会”が開催されました。

一般演題として"間質性肺炎合併肺癌に対する術後経過の検討”という発表をさせていただきました。

今年になって、発表する機会を度々いただいております。

今回も直前までTB先生にご指導をいただきました。お忙しいなか、本当に有難うございます!


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たくさんの方の前で発表するのはやはり緊張しますね〜。
質疑応答はがんばってお答えしようとしたのですが、力及ばず。。。
TB先生がお答えしてくださいました。

次こそは自分でお答えできるように頑張ります!


さてさて、
"間質性肺炎合併肺癌に対する術後経過の検討”というタイトルで発表させていただいたのですが、
当院は呼吸器病センターとして呼吸器内科と外科、呼吸器腫瘍内科、外科で連携して診療を行っております。

2012年から2016年までの間に当院の呼吸器外科でOPEを行った肺癌症例のなかで間質性肺炎を合併していた症例を対象として検討を行いました。

全部で46症例が対象となったのですが、

検討した結果面白かったのが、
①検討を行った期間の症例では腺癌が15例、扁平上皮癌が15例、小細胞肺がんが5例、その他12例となっており、腺癌が多かった。(間質性肺炎合併肺癌では扁平上皮癌が多いとの報告があり、その結果とは違っていました)




②間質性肺炎に関して、術前の画像所見でUIP/possible UIP パターンとinconsistent with UIP パターンに分類したところ、前者が25例(54.3%)後者が21例(45.7%)でした。
UIP/possible UIP パターンとinconsistent with UIP パターンと分類した場合、長期予後がどうなるかを検討したところ、UIP/possible UIP パターンは3年生存率が28.7%、inconsistent with UIP パターンは90.0%であり、P値が0.000135 と有意差がありました!
当院での検討では術前の間質性肺炎の画像パターンがUIPパターンの症例は予後が不良と考えられました。



理由としては
・UIP/possible UIP パターンではIPの急性増悪患者がいたこと。
・癌死が多かったこと(再発)
などが考えられました。


以上、取り留めのない記載となりますがご報告させていただきました。


今回、さまざまな方の協力で発表を無事に終えることができました。

みなさま、本当にありがとうございました!




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# by res81 | 2017-10-01 22:50 | 肺癌 | Comments(0)

大阪大学放射線医学統合講座での国内留学報告

こんばんは。後期研修医2年目Gyです。

私は呼吸器内科医として歩み初めて未だまもなく、画像読影に自身がなく画像コンサルトを受けるたびにいつか集中的に勉強する時間を作りたいと考えていました。そんな時に当院・当科の国内留学の話をいただき、6月〜8月の3ヶ月間、大阪大学放射線医学統合講座で研修をさせて頂くことになりました。

大阪大学放射線医学統合講座は豊富な症例、最大規模の医局員数、トップクラスの研究実績があり、幅広い疾患を短期集中でレビューするには最適な環境でした。

主な研修内容は胸部画像(単純X線、CT)の読影、CTガイド下生検施行、症例検討会/カンファレンスへの参加でした。

研修初日から他の先生と同様に胸部画像とレポート記載欄に向き合うのですが、レポートを書く手が進みません。(陰性所見を含め)どのような所見を記載すべきなのか、どのような表現を使用すべきなのかが分からなかったのです。
そこで依頼医が望んでいるような情報、鑑別診断、正しい表現法等を学ぶためにまずは蓄積された症例と教科書や既存の読影レポートとを見比べながら読影に慣れることを目標としました。
胸部X線やCTが難易度別に集積されたteaching fileがあり、そこには主訴・現病歴・臨床診断・画像読影結果・最終診断が記されていました。胸部X線とCTとを見比べながら読影を進めることも可能であり、学習には最適な教材でした。読影を進める中で、自らの解剖の知識や用語の理解が浅いことを痛感しました。また見たいものをみる訳ではなく、(心血管系や乳房・甲状腺等)写っているもの全てを漏らさずみるために読影手順を画一化することの必要性を感じました。

ひと月程度経つと画像読影に面白みを感じるようになり、レポートを記載してfeed backをいただきながら知識や考え方の引き出しを増やしていくことがとても楽しくなりました。また症例検討会やセミナーでは、一つの症例に関して研修医からスタッフの先生までが各々に鑑別を考える過程を共有する機会が多くあり、非常に勉強になりました。放射線科医は画像上の特徴だけではなく、疾患についての幅広い知識が必要とされることを感じました。

研修を通して実感したことは、胸部画像は病変があるのは明確ですが病変と疾患が一対一対応ではなく、診断に辿り着くのはそう簡単ではないということでした。例えば、末梢優位の非区域性の斑状影〜浸潤影をみた際には感染症はもちろんですがCOPやCEP、NSIP、悪性腫瘍(浸潤性粘液産生性腺癌、悪性リンパ腫、転移性肺腫瘍等)も考えられます。やはり、画像だけではなく症状や経過の情報も加味することが診断に至る際に重要であると思いました。

今後、このような貴重な経験を臨床に活かすと共に、当院でのteaching file作成の推進や胸部画像に関する疑問のshare等を行っていきたいと考えております。

新たな環境で慣れないことも多々ありましたが、熱心で親切な先生方に恵まれ本当に感謝しております。また、貴重な機会を下さった当院、当科の皆様ありがとうございました。
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# by res81 | 2017-09-04 21:35 | 学会・研修会 | Comments(0)

人工呼吸器セミナーin飯塚2017と、アクアラインセミナー

こんにちは!

スタッフのTBです。
実は呼吸管理委員長を兼任しております。

去る7月9日に呼吸管理委員会主催で、
米国ボイシー州立大学呼吸療法科教授 Lonny Ashworth先生と、
昭和大学大学院保険医療学研究科呼吸ケア領域教授 宮川哲夫先生
をお招きし、「人工呼吸セミナー in 飯塚 2017」を開催いたしました。

ご両名の素晴らしいセミナー&通訳、
さらにワークショップを通じて、
人工呼吸管理について楽しく沢山の事を学びました。
早速実戦に活かしております!

また、レクチャーやワークショップのやり方についても
考えさせられることが多かったです。
今後の参考にさせていただきます!

前夜祭と懇親会も最高に楽しくて、
是非またご両名をお招きしたいと思っております。
またよろしくお願いします!!!

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本日(7/15)は順天堂大学医学部呼吸器内科高橋教授にご面会頂いた後、亀田総合病院呼吸器内科主催の「アクアラインセミナー」に参加させていただきました。
日本トップの先生方と間質性肺炎について学ぶことができ、非常に勉強になりました。
この領域も頑張らなければ…ディスカッションが濃すぎる…
青島先生、野間先生、本当にありがとうございました!

亀田総合病院の呼吸器内科はすごいです。
うちも負けない様に頑張らなければ!



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# by res81 | 2017-07-15 22:34 | 学会・研修会 | Comments(0)

COPD治療戦略の考え方 ~室繁郎先生に教わりました~

皆さんこんばんは。年月の速さに驚いているスタッフのYです。きっと充実した日々の証ですね。呼吸器内科の皆様に、サプライズ焼き餅パーティー(@内科医局)で誕生日を祝って頂いたのが、つい最近のように思えるのですが・・・。


先日、「呼吸器 Meet the Expert in 筑豊」という研究会のために、京都大学呼吸器内科学准教授室繁郎先生が、なんと飯塚まで遥々お越しくださいました。


室先生はとくにCOPDの分野で多方面に研究を繰り広げておられますが、今回は飯塚にいながらも、室先生のご講演を直接伺うことができました!その上、濃密なディスカッションの時間を設けていただき、大変勉強になりました。「最新の知見」の伝達に留まらず、室先生のものの「見方」「考え方」を共有していただけたこと、そして私たちが日ごろ悩んでいる数々の実例を通じて、実践的な「工夫」を知ることができ、大変感謝しております。COPD研究の第一人者でありながら臨床も第一線で続けておられる室先生ならではと思います。室先生には遠方からきていただきながらも、あえての少人数制の会ということで私たちのために場を設けていただき、とっても贅沢な充実感あふれるひとときでした。


COPD治療 Up To Date」と題されたご講演で特に印象的だったのが、最大吸気量(inspiratory capacity)の有用性でした。COPDの診断や評価に用いられる1秒量は、確かに症状や予後と相関もあるようで、我々もその変動に一喜一憂しがちです。しかしこれは日常生活とはかけ離れた数値かもしれません。確かに我々は普段、1秒量を測定するときのような呼吸をすることは(重労作時でさえ)、ありません。肺機能検査でみられる1秒量のような項目より、吸気予備量こそ、日常生活に添っているのではないかというのが最近の見解であり、現在はこちらが研究対象となっています。つまりCOPDの治療戦略を呼吸生理の視点から考える上で、最大吸気量の改善、ひいては動的過膨張の改善が重要なのではないかということです。治療に用いられる気管支拡張薬が、BronchodilatorというよりはLung deflatorの役割で、主役となっているわけです。


この視点は患者さんの「息切れ」(=労作時呼吸困難)の原因に焦点を当てている点で、非常に納得しやすいもので、終始うなづいてしまいました。


しかしCOPDの研究や創薬が進んでも、どうしても解決しない問題点があります。抑えられない進行、とりきれない症状、なくせない増悪... こうした問題に真っ向から取り組み治療を開発するために室先生が研究されているのが、とくに画像からみたCOPDの病態と治療戦略です。肺気腫の破壊パターンはフラクタル性を持っており、この気腫病変の進展様式をシミュレーションすることにより病態をより把握できないかというわけです。当科でもTb先生やG Snow先生がびまん性肺疾患のフラクタル解析に取り組んでおり、COPDの最先端の研究も、おかげで少し身近に感じました。


後半の「COPD治療ディスカッション」では、当科から2例の症例提示を行い、室先生との意見交換をさせて頂きました。事前に「何でも相談してよい」とお聞きしていたのをいいことに、COPDの治療で悩んでいる点を本当に存分に相談しつくさせていただきました。


まずはCOPDの治療導入時にLAMA/LABA合剤で開始を検討すべき状況というのをテーマとしました。症例検討を通じて、治療決定においてGOLDに則った項目の他に念頭に置くべき要素を教わりました。逆説的ではありますが、「重症例で単剤から開始したほうがよく、軽症例であえて合剤で開始したほうがよい」状況とその理由や、数々のClinical pearlを聞かせてくださいました。ここでは書ききれませんが、眼から大量のうろこが落ちました。


2例目では今話題の、COPDにおけるICSの位置づけをご相談させて頂きました。増悪を繰り返すCOPDではICSの導入が推奨されたかと思えば、2014年のWISDOM studyではICS中止により増悪が抑制できる可能性(しかし呼吸機能は低下する可能性)が示されました。学会や研究会でもよく取り扱われているテーマかと思いますが、結局のところ正解がわからず、現場では日々悩んでしまいます。重症例ではすでに3剤を用いていることも多く、増悪を繰り返す場合にICSの中止を検討したいような、減量をすることに不安もあるような・・・。今回の議論を通じて、ICSの有用性を総合的に判断すること(既往、症状、FeNO、末梢血好酸球数、増悪様式など)、そして慎重な経過観察下ではためらわずに中止することも選択肢であることを教わりました。加えてICS導入により期待される効果(長期的なものも含めて)や実臨床に即した副作用のとらえ方、ICSの使い分けも大変勉強になりました。正解を求めすぎるより、これまでのエビデンスや患者さんのデータをもとに客観的・多面的に評価を行い、論理的な考えに基づいて導入または中止をして、なおかつ丁寧に経過をみることで、おのずとその患者さんにとってのよい治療というのが見えてくるのかもしれません。


そのほか、COPDにおけるマクロライドの位置づけ嚥下機能との関連循環器疾患合併例における治療の考え方、CPFEなど、気になる話題について質問や意見交換が絶えませんでした。


室先生におかれましては、遠路遥々飯塚までお越しいただき、惜しみなく相談に乗っていただき、当科一同 心より感謝しております。最近は日々のチームカンファレンスでも「あのディスカッションを踏まえて・・・」とよく耳にします。早速日々の臨床に活用させて頂いております。本当にありがとうございました。


COPD専門外来も少しずつではありますが充実してきています。ガイドラインに沿った標準治療に留まらず、枠組みに収まらない状況にも根拠を持って適切に対応できるよう、当科一同、精進していきたいと思います。

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# by res81 | 2017-06-15 23:56 | 学会・研修会 | Comments(0)

ATS⑥ ~国際学会 参加のイロハ~

先ほど無事帰国しました、スタッフのYです。
不在中を守ってくださった皆様、本当にありがとうございました。

気付けば国際学会に参加するのは7回目でした。学生の頃、緩和ケアの教授やスタッフの方々とともにヨーロッパ緩和ケア学会に参加したのが初めてでした。現地で同じく緩和ケア医を目指している学生や先生方と仲良くなれたことも大きな励みとなりました。その後アジア太平洋リウマチ膠原病学会を経て、呼吸器の学会に参加するようになりました。

国際学会の参加に際しては、仲間がいなければ、一歩を踏み出すのがとても大変です。当科では大勢いる医師全員が、年1回、国際学会に参加できます。ありがたいことに、部長を初め指導医の先生方が演題も一緒に必死に考えてくださり、指導してくださいます。不在中は皆が一丸となり日々の業務を滞りなく請け負ってくれます。人的資源が豊富であることはもちろん、科の方針として国際学会の参加を掲げているからこそ、できることと思います。当たり前のように「来年はどれに行こう」などと話している現状は、ちょっと異様に贅沢だな、とふと我に返ることがあります。

さて、右も左もわからず参加した初めての学会では恩師に事細かに教わり、自分で試行錯誤を重ねた部分もあり、参加の仕方が変わってきました。せっかくこれだけ参加させて頂いているので、医学知識だけでなく、学会参加時のちょっとしたコツを共有しようと思い立ちました。少しでも不安が和らいだり、学会がより楽しく実りあるものになればと思います。
とはいえ私が呼吸器分野で参加したのはATS(アメリカ胸部学会)とAPSR(アジア太平洋呼吸器学会)のみです。また学会の運営方法は、主催者や場所によって大きく変わります。以下はあくまで私個人の感じたことであることをご了承ください。書ききれないことも多いので、詳しくはいつでも直接お聞きください。621号先生が、演題投稿や学会申込から学べる、詳しいハウツー資料を準備してくれているようですので、当科の皆さまはご期待ください。院外の方は見学にお越しいただいたときにでもご相談くださいね。

前置きが長くなりましたが、以下、各学会のイメージ、セッション、イベント、配布物、アプリ、食事について書かせていただきます。

* ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ *

【学会のイメージ】
APSR(アジア太平洋呼吸器学会)
・(日本と比較して)多いテーマ:感染症、気管支喘息、塵肺、環境/職業性疾患、公衆衛生
・少ないテーマ:悪性腫瘍、膠原病など(国によりまだ使えない薬剤も多い)
・英語:母国語でない人が多いので訛りがある、比較的ゆっくり話される、外国人に親切
・その他:びまん性肺疾患などは演者のほとんどが日本人
     日本での開催もある(海外は行きにくい方はまずこちらから?ただし次は2020年以降)

ATS (アメリカ胸部学会)
・多いテーマ:集中治療、COPD、SAS/睡眠関連、医療経済、小児、嚢胞性線維症
・少ないテーマ:悪性腫瘍(アメリカでは癌は主に腫瘍内科医が診る)、間質性肺炎
・英語:発音はきれい、話す速度は速い
・その他:医師以外の演者や参加者も多い(看護師、リハビリ療法士、臨床心理士など)

【セッション】
国際学会では日本にはない面白い形式もあります。特にお勧めしたいものだけ、いくつかご紹介します。さらに詳しく知りたい方はリンクもご参照ください。

Year in Review
1日1コマのペースでほぼ毎日あります。1コマで3-4個の分野が取り上げられ、それぞれ別の演者が、過去一年間に発表されたその分野の新しい論文から話題性のあるものを5本紹介します。大規模研究や主要論文の要点を知ることができ、短時間でその分野の最新の知見や世の中の流れを把握/復習できます。入口で配布されるA4サイズの冊子には、これらの文献の要点や、演者の考えるポイントや意見などが簡潔にまとめられており、その他の参考文献も多数記載されています。これは人気の高い冊子で、このセッションでしか手に入らないので、忘れずもらってくださいね(当科の皆様は、供覧用に医局に置きますのでご覧ください)。今年の文献集はAj先生がまとめてくれております:第一弾(ILD)、第二弾(COPD、BA、NTM)。

Meet the Professor / Sunrise Seminar
事前申込、参加費が必要です。朝食や昼食が用意されることが多いです。ある分野に精通している先生による、焦点を絞った講演です。少人数制で、円卓を囲むように座ることが多く、参加者同士で意見交換や相談をすることもできます。大きな講堂で開催される講演とは異なり、特定のテーマに興味を持っていたり悩んでいる人が集まるため、色々な現場の現状や、なされている工夫を聞く面白さがあります。演者との距離も近く、セッション中も自由に質問や意見交換ができたり、終了後に話をする時間もあります。例えば神経筋疾患患者の在宅人工呼吸管理や、超高齢COPD患者の診療、重症肺炎におけるマクロライドの位置づけに関するセッションなどに参加し、どれも普段なかなか聞けない各施設の現状まで知ることができとても面白かったです。

Debate / Pro/Con Session
あるテーマについて、肯定派と否定派が順に登壇し、その理由をエビデンスとともに述べていきます。例えばCOPDに対して吸入ステロイド薬を使用するか否か(例:2016年APSR報告)、長期酸素療法が推奨されるか否か、呼吸リハを在宅でも行うべきか否か、肺動脈性肺高血圧症は自己免疫性疾患か否か、などです。熱い演説後は、座長や参加者からの質問に答える形で討論が行われます。一つのテーマに関して様々な角度からエビデンスや意見を聴くことで、その分野で広く認められている考え方とまだ議論の余地がある点が把握でき、理解が相乗的に深まる機会です。

Workshop
学会の初日に行われ、APSRでは1日で半日×2コマを受講でき、ATSでは1日中や2日連続のものがあります。事前申込が必須で、有料です。朝食や昼食が提供されます。多くは講義のあと、実際の機器を用いた実習があります(例:肺/心エコー気管支鏡など)。グループワークがあるものや、座学のみのものもあります。英語に自信がなく参加を迷っている方は、まずは実技を伴うものや、画像読影のワークショップをお勧めします。

Clinical Core Curriculum / Keynote Series
重要性や普遍性の高いテーマが扱われる講演です。現地の医師やスタッフにとっては資格取得や更新のための単位を得るセミナーもあるようです。迷ったらこれに出ておけば間違いはなさそうです。

Evening symposium
日本呼吸器学会総会でいうイブニングセミナーに値するものです。スポンサー企業によりホテルの会議室などで開かれます。事前招待性のものから、当日参加可能なものまで様々です。自由参加のセミナーの詳細は、事前に配信されるメールや当日の配布物などで確認できます。

【一般演題】
Poster Session (Thematic Poster Session)
いわゆるポスター発表です。朝、ポスターをパネルに貼ります。お昼前後、所定の時間にポスターの前に立ち、質問に答えたり意見交換を行います。進行方法は座長によって実に様々です。日本呼吸器学会総会のように座長と発表者全員が一つひとつのポスターを回る形式は少なく、座長だけが周りながら、演者に1-2分の発表や質疑応答を求める形式から、座長が全く回ってこないときもあります。

Poster Discussion Session
ATSにポスター発表を投稿した際、このDiscussion Sessionを割り当てられることがあります。症例発表、研究発表に関わらず当たります。25名程度が一部屋に集められ、ポスターを展示します。最初の1時間はお互いのポスターを見て回る、上記と同じ質疑応答形式です。後半は全員が向かい合って着席し、1-2分ずつの発表をしたり、座長の進行に応じて意見交換をします。Posterと書かれていて一見気付きにくいので、演題採択通知が来た際には、よく確認するようにしています。このセッションに当たったときは話す原稿を考えていったほうがいいでしょう(例:今年のATS報告 の前半はPoster Session、後半はPoster Discussion Session)。

Oral Presentation / Mini symposium
優秀者や、希望者の一部は口演になるようです。日本のものととくに変わりはありあせん。しいて言えば、質問は国内より多い印象です。共同演者からの発言や、第3者が意見することも比較的多く見受けます。

Late Breaking Poster
国際学会は演題〆切が学会の半年以上前が通常です。このときまでに間に合わなかったような最新データを発表したい場合、開催数カ月前にもう一度、演題を応募できるシステムです。ただし既に投稿して採択されなかった演題を再投稿することはできません。通常の演題より演題投稿費や倍率も高く、セッションも分かれていることが多いです。

【展示ブース】
企業展示
とにかく規模が大きいです。体験形式やクイズ形式のものも多く、楽しみながら学べるよう工夫がなされています。何年か前は3D眼鏡を装着して喘息患者の気道に入った感覚を味わえる乗り物に乗ったり、今年は閉塞性換気障害の体験をしてきました。気管支鏡や在宅人工呼吸器、排痰装置など、日本では見たこともないような装置や機器類に触れることも楽しみの一つです。

ATSブース
資料やグッズを購入できます。可愛らしいペンやTシャツもあります。患者説明資料や勉強の冊子は勉強になるので、日本語版があればいいのに、といつも思います。

Professional Headshot
ATSブースの近くにあることが多いです。プロのカメラマンが顔写真を撮影してくれます。一カ月程度のちに、データがメールで送られてきます。アメリカでは職場のホームページや履歴書で活用するようです。背景色や顔の角度が独特なので、日本の履歴書などの証明写真としては使用しにくいかもしれません(と言いつつ私は何度か使用しました)。最近は無料で撮ってくれるようになりましたし、一度撮ってみてもいいかもしれません。

【イベント】
開会式
ほとんどの学会で無料、予約不要です。学会初日の夜などに開催され、美味しいご飯や飲み物を片手に交流を楽しめます。

懇親会
有料で、事前予約が必要です。開催国の一流料理を味わいながら、音楽や舞踏、芸術などを楽しむことができて、とても有意義です。もちろん他の参加者との交流もできます。

【配布物】
名札
現地で受付を済ませると、まずもらえます。日本とは違い、(とくにATSでは)各部屋の入り口で警備員が名札を綿密に確認しており、つけていないと入れてくれません。厳しいところでは毎回ピッとスキャンされることもあります。ホテルに置き忘れないようにしましょう。名札にはQRコードがついており、学会専用アプリを用いてスキャンすると、連絡先の交換ができます。名刺代わりなのでしょうが、これを一番活用しているのは企業展示のMRさんです。ブースに立ち寄ると大体スキャンされ、学会後にメールが届きます。後にも触れますが、名札は食事の割引に使えたりもするようです。

Program
受付後、様々な資料の入った鞄がもらえます。なかでもひときわ存在感があるのがプログラムです(写真 左上)。電話帳のように厚く重い割に抄録はほぼ載っていません。付箋を何十枚もつけて上手く活用されている方を見かけましたが(右上)、持ち歩くのも大変なので私は最近はホテルで見ておいて、会場では携帯用の冊子やアプリを活用しています(後述)。膨大な数のセッションから参加したいものを見つけるだけでも一苦労です。例えばATSは基礎研究や小児のテーマも多く、分野名が目立つよう記載されています。まずはこれだけでも見ると、かなり絞れます(Basic/Clinical/Translational/Behavioral/Pediatricなど)。

Clinician Highlights
ATSでもらえるポケットサイズの日程表のことです。各セッションのうち、臨床家にとくに関係するものだけが取り上げられています。日時、部屋、演題名と演者名だけが記載されていて見やすいです。配布資料一式には入っていないこともあるので、受付や窓口、後述のClinicians Centerなどで手に入れましょう。
*APSRでは、小冊子はなく、プログラムを1枚の紙に凝縮して折りたたんだようなものが配布されました。

Roadmap for Early Career Professionals
ATSやAPSRで受付などに置いてある冊子です(写真:中央下)。若手のためのお勧めセッションや、若手だけの懇親会の日時、進路について相談できるイベント、メンター制度、奨学金制度などについて記載されています。

Clinical Year in Review
Year in Reviewのセッションの入口で配布されるA4サイズの冊子です(写真:左下)。COPDや喘息、抗酸菌、腫瘍など、分野ごとに過去1年間の主要文献集と、要点、演者のコメントがまとめられています。途中で足りなくなることが多いので、このセッションはいつも早めに行くようにしています。
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雑誌
その学会が刊行している雑誌の最新号や特別号を自由に持ち帰れます。今回のATSではLancet Respiratory Medicine、JAMAなどまで気前よく置かれていました。会場内の何カ所かに設置されているので、見つけてみてください(写真 左上)。当科の学術担当621号先生はここ一番の興奮を見せていました(写真:右上)。

Daily Bulletin
ATSで毎日発行される新聞のようなものです(写真:右下)。前日のトピックスを振り返り、当日開催される注目のセッションやイベントを知ることができます。出ていないセッションの様子も垣間見れるので、写真と題名だけペラペラっと眺めています(中身は読んでいません...)。
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【アプリ】
その学会専用アプリが無料で用意されています(写真1枚目:右下)。アプリ検索画面で「ATS 2017」などと入力してみてください。テーマや日時、セッションの形式、キーワードなどで検索できます。自分や知人の名前で検索すれば、発表日時も確認できます。興味のあるセッションは登録をしておけば、カレンダーにも反映されるので、とくにATSのように同時進行のセッションが多い学会などでは予定が立てやすくなります。

【食事】
食欲旺盛な私にとって大事なので迷わず書くことにしました。ホテルやレストランなど通常の旅行同様の一般的な食事に関しては割愛します。

学会からの提供
有料セッションに申し込むと、時間帯により朝食や昼食が提供されます。終日のワークショップでは2食出ます。またATSでは参加者同士が交流を深められるようにと、懇親/休憩スペースがいくつか用意されています。Clinicians Center(写真)、Science Innovation Center、International Participants Centerなどとそれぞれ参加者を特定するような名前がついていますが、基本的にどこに入ってもよさそうです(Donors Appreciation=寄付者を称えるスペース以外)。飲み物が一日中用意されているほか、朝食やお菓子類も提供されます。パソコンや電源も用意されているので便利です。
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スポンサー企業からの提供
ATSでは通常のホール/講堂は昼食時は使用されません。企業展示エリアやClinicians Centerなどに仮設された小さめのスペースで昼食(中身は数種類から選べるサンドイッチ、りんご、お菓子など)が配布され、30分程度の講演が行われます。これらの日時や場所は、学会が近づくと日々メールで送られてくるほか、分厚いプログラムにも掲載されています。
APSRでは日本同様、ホールの入り口に並び、お弁当をもらってホール内で食べながら聞く形でした。ここでもやはり、お弁当は数種類から選ぶことができます(写真:右中央~下)。

会場内の飲食店
レストランなどはあまりありません。コーヒーやサンドイッチが買える売店や喫茶店のようなところはあります(左下)。

レストランの予約
会場入り口付近に窓口(Information)があり、食事や観光、ツアー予約など、何かと相談に乗ってくれます(写真:左上)。Restaurant reservationの看板が出ていることもあります。希望を伝えると、お勧めレストランを挙げ、地図やメニューも見せてくれます。その場で予約の電話もしてもらえる上に、学会割引があることもあります。「海辺の雰囲気がいいところで魚料理を食べたい」、「徒歩圏内のカジュアルなところでポークリブを食べたい」、「地元のお勧めを教えて」など無茶ぶりにも快く応えてくれます。外国人の対応に慣れているためか、とても親切です。

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* ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ *

以上、学会参加時のちょっとしたイロハでした。
不備もあるかと思いますので、お気づきの点がありましたらお聞かせください。
それでは、明日から日常診療を頑張れるよう、今夜はゆっくり体を休めたいと思います。

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# by res81 | 2017-05-25 22:59 | 学会・研修会 | Comments(0)