飯塚病院呼吸器内科のブログ
by res81
お知らせ
福岡県の飯塚病院呼吸器内科のブログです。

呼吸器内科スタッフ10名+呼吸器腫瘍内科スタッフ1名+後期研修医4名(H29年4月現在)で、日々楽しく頑張っています。
大学の医局に関係なく、様々なバックグラウンドのドクターが集まっています。

飯塚病院呼吸器内科では、後期研修医やスタッフを募集しています。ご興味のある方は
iizukakokyu@gmail.com までご連絡ください。

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呼吸器疾患と嚥下障害

皆さまこんばんは、呼吸器当直中くつろいでしまっているスタッフYです。

「飯塚病院呼吸器内家」の一員に迎え入れてもらい、早一年が経ちました。不慣れな土地、迷路のような病院で 充実して過ごすことができたのは、文字通り家族のように暖かくしてくれる当科の皆様のおかげです。

さて、このブログをきっかけに当科と出会うことができた私にとって、今度は私が当科の様子をお伝えできればと思い、投稿することにしました。

飯塚で学びたいと考えたテーマの一つが、誤嚥性肺炎の診療をよりよくすることです。決して当科が誤嚥性肺炎を専門としているわけではありません。けれど、各々が興味を持った分野を極めるために、とことん応援してくれる手厚い(熱い)体制があります。

喘息、COPD、間質性肺炎など、いくつもの専門チームを形成しており、これらのチームでは臨床はもちろんのこと、学会や研究活動も行っています。まるで壮大な研究をしているかのように聞こえるかもしれませんが、大きなテーマでなくとも、日常診療でのちょっとした疑問を解決するためにどうしたらよいか、一緒に頭を悩ませてくれる仲間や、導いてくれる指導者がいつもそばにいてくれるのです。新しいことを積極的に取り入れる柔軟さも、大きな特徴の一つです。日々浮かんでは消えていくような何気ない発想や気づきを拾い上げ、大切にしてもらえることで、リアルタイムで診療に還元されていくのをここではしばしば目の当たりにします。

では誤嚥性肺炎の診療をよりよくするには、どうしたらよいのでしょうか。これはきっと永遠の課題ですが、まずは元気なうちから予防ができないかと考えています。様々な病態が誤嚥性肺炎の原因になりますが、中でも我々が日々診ている呼吸器疾患は、嚥下機能に影響を与えることがあります。誤嚥性肺炎の「予備軍」とも言えるかもしれません。

とくにCOPDでは、嚥下障害を来しやすいのです。これまでその原因として喫煙、加齢、肺の過膨張、筋力低下、睡眠時無呼吸症候群や逆流性食道炎の合併などが挙げられてきました。近年ではさらに、呼吸と嚥下の協調性がうまくいかないことも、大きな一因になっていることがわかってきました。

そこで当科では昨年から、COPD患者さんの定期的な診察・検査に、嚥下機能の評価も取り入れています。今年からは、この分野の先駆者でおられる兵庫医科大学生理学講座の越久敬仁教授にご指導いただき、さらに丁寧に診ていくことが可能になりました。越久先生は遥々飯塚までお越しくださり、呼吸器疾患と嚥下障害について、学会でしか聞けないような真新しい研究内容も交えて、院内で講演を開いてくださいました。病院内外からの強力な支えのおかげをもち、COPDチーム/嚥下チームは新年度に向けて一歩前に踏み出すことができました。

嚥下の話ばかりになりましたが、呼吸器疾患の患者さんの体調をしっかりと診ていけるようにと、InBody検査や外来での6分間歩行試験、リハビリなども含め、診療体制が眼に見えて充実してきています。

年度末、お別れも多い時期ではありますが、幸いにも当科は一人も減ることなく新年度を迎えることができます。また遠方からの新しい仲間が増えることを、一同とても楽しみにしています。

2017年度も、どうぞよろしくお願いいたします。


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# by res81 | 2017-04-01 04:22 | 科の紹介 | Comments(0)

"Imaging in Hawaii"参加報告

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スタッフのTBです。

皆さん年度末で慌ただしい日々かと思います。

そんな中、他のスタッフに迷惑をかけつつ、3/21-24の日程でハワイ州・カウアイ島で開催されたCPEP(NPO法人 個別化医療教育推進センター)主催の“Diagnostic Imaging Update: Imaging in Hawaii”に参加させて頂きました。

これは米国の医師を対象とした画像診断セミナーで、私は“Imaging of Cystic Lung Diseases”というタイトルで1枠担当させて頂きました。
以前国内留学をさせて頂いておりました、大阪大学放射線医学統合講座の富山教授のご厚意により実現したもので、感謝してもし足りません!いつも本当にありがとうございます。

さて、これまで30-40分程度の海外での講演は経験がありましたが、すべて自分の研究成果を話すものでした。セミナーは初めてで、いつもと違ってかなり緊張しました。セミナー前日は丸一日準備にかけて、まるで修行の様でした(外は最高の天気で全米No.1ビーチも目の前だったのですが…)。当日会場に行くと意外と広く、120名程のDrが参加されていました。セミナー自体は無難に(?)出来たような…という感じでしたが、もっと英語を頑張らなくては…。ともあれ、Stanford大学の先生方とディスカッションする時間も持てて、光栄かつ勉強になりました。
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カウアイ島は手つかずの自然が多く残っていて、数々のハリウッド映画の撮影地になっていることで有名です。セミナー後に慌ただしく名所を見て回り、帰国の途につきました。
仕事でこのような場所に来れるなんて、何事も地道に続けてみるものだな、としみじみ思いました。
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大切な患者さん方から頂いた貴重なデータや教訓を世界の人々と共有することで、少しでも患者さんとともに医学に貢献できれば、と思っています。

また現実に戻ります!


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# by res81 | 2017-03-25 14:44 | 科の紹介 | Comments(0)

2017年1月~2月の活動報告

お久しぶりです。
スタッフのTBです。

あっという間に1月が行き、
2月が逃げてしまいました。

1月~2月初旬にかけて、当科では入院患者さんの最多記録を日々更新し、一時は呼吸器内科のベッド数が120に達しました。
本当に大変な状況でしたが、過去最高・最多のメンバーが頑張ってくれ、乗り切ることが出来ました。彼ら・彼女らをとても頼もしく、誇らしく思っています。

一生懸命診療に当たる現場の人間が最も貴い、と私は思っております。彼ら・彼女らにきちんと光が当たるよう、様々な試みを実現させるのが今年の目標です!

さて、忙しい中にもいろいろな活動を続けておりました。下記は私の備忘録です。
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1月
・久留米大学での研究ミーティング
  藤本教授、いつもありがとうございます!
・Nivolumab全国講演会 in 東京
・Ir-AE講演会 in 飯塚 九州大学 中西教授
  気さくにお話し頂き、ありがとうございます!
・大阪びまん性肺疾患研究会 
  上甲先生、藤本先生、研究のご相談にも乗っていただき
  ありがとうございます
・フルティフォーム講演会 in 飯塚
  広島の保澤先生にお越しいただきました
  臨床と研究のバランスが素晴らしく、そのお人柄にも感激です!

2月
・福岡呼吸器カンファレンス 
  228先生、コメンテーター完璧でした!
・気胸嚢胞性肺疾患スタディグループ勉強会
  玉川病院気胸センターの溝口先生と研究のご相談をさせて頂きました
  よろしくお願いします!
・筑豊重症研究会
  福岡大学の渡辺先生、素晴らしいご講演ありがとうございました!
・北九州呼吸器疾患研究会
  Aj先生、発表がこなれてきてますね~
・第5回JHNセミナー
  当院の総合診療科と共催させて頂きました!
  全国から100名以上の先生方にお集まりいただき、
  また沖縄県立中部病院の喜舎場先生と一緒に講演させていただき、
  とても楽しかったです!
  総合診療科の吉野先生、お疲れ様でした!
・北九州胸部疾患研究会
  GSnow先生、ミニレクチャーお疲れ様でした!良かったですよ~
・飯塚医師会呼吸器疾患研究会
  Mine先生、発表お疲れ様でした!良かったらしいですね!
・画像医学会 in 東京
  朝から晩まで間質性肺炎尽くしで、とても勉強になりました。
  夜の若手(?)パーティーも最高でした!  
・兵庫大学生理学教室 越久教授をお招きしての研究打ち合わせと
 嚥下性肺疾患についてのご講演&懇親会
  いよいよ新しい研究のスタートです。
  とても楽しみで、ワクワクしております!
  越久先生、遠くまでお越しいただきありがとうございました!
・神奈川循環器呼吸器病センター 小倉先生をお招きしての
 間質性肺炎勉強会 
  とうとう小倉先生をお招きできました!
  著書まで頂き恐縮です。
  懇親会もとても楽しかったです! 
  ありがとうございました!
・第6回IKB81 
  北九州総合病院と飯塚病院の呼吸器内科カンファレンスです
  凝ったプレゼン対決でした!
・九州びまん性肺疾患研究会
  今回はプレゼンを横目に、ひたすら病理を長崎大学橋迫先生に
  教えて頂きました。
  勉強になりました!  

3月
・飯塚病院 留学委員会
  来年度、当科のスタッフを3名院外研修に出すためプレゼンしました。
  上手くいきそうです~
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この他にも、嚥下医学会でのメンバーの発表もありました。

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(写真はこのシーズン5回食べた水炊きです)

3月中旬には228先生がびまん性肺疾患会の大御所とMDDを行う重要な研究もありますし(こんな日が来るとは…)、私自身も海外での教育講演が控えております(大阪大学の富山先生、ありがとうございます。緊張しております…)。

4月の呼吸器学会学術講演会では、当科から5演題出したうちの1演題が学術部会賞選考講演に、2演題がミニシンポジウムに選ばれております。また、ポスター2演題も面白い結果が出ており、当日のディスカッションが楽しみです。さらに最終日の症例検討会でも当科が1症例プレゼンすることになっており(亀田総合病院の青島先生、ありがとうございます!)、初日から最後までメンバーが大活躍です。


さて本日は呼吸器学会九州地方会、発表のメンバー頑張ってきてください!


今後は皆の活躍の様子をリアルタイムでお届けしたいと思います~!(できるだけ…)
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# by res81 | 2017-03-11 09:16 | 科の紹介 | Comments(0)

JHN第5回

総合内科医のための画像パターンから迫る急性呼吸器疾患をテーマに先日218日に第5JNHセミナーを当院総合診療科と一緒に開催させて頂きました。

当科から

・スリガラス影

・コンソリデーション

・結節・粒状影

のテーマで3つのレクチャーを行いました。

本来は病歴から鑑別を考えるのでしょうが、今回は「画像から迫る」をテーマに、そして総合診療医などの一般医が遭遇することを考えて、「急性期亜急性期」にしぼっておりました。スリガラス影・浸潤影については、区域・非区域から、粒状影については小葉中心性・リンパ行性・ランダムに分けてVINDICATEも用いて鑑別疾患を挙げていく。日常臨床でもなかなか難しいものです

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午後は、小グループに分かれて、当科スタッフ含めて、ファシリテータを。。。呼吸器内科では、「区域性の〜」「小葉中心性の〜」と言って伝わることも、他科の先生方への説明は難しいものです。きちんと理解をしていないと伝わらないということを感じました。

遠方から来ていただいた先生方に少しでも伝わっているといいなと思います。

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# by res81 | 2017-02-27 12:36 | 学会・研修会 | Comments(0)

「長時間作用性抗コリン薬を喘息治療にどのように役立てるか。」

皆さんこんばんはAjです。

2017年も始まりました!
とても寒い日が続いていますが、皆さん体調崩すことなくお過ごしでしょうか。
飯塚病院呼吸器内科も、それぞれエネルギッシュに頑張っています!

さて、1月21日に東京で開催されましたMeet the Expert「長時間作用性抗コリン薬を喘息治療にどのように役立てるか。」に参加してまいりました。
少人数でdiscussionを交えながらの会でして、とても勉強になりました。

座長を東邦大学医療センター大橋病院呼吸器内科教授 松瀬 厚人先生
特別講演を東京女子医科大学 内科学第一講座 主任教授 玉置 淳先生
症例の提示をNTT東日本関東病院 呼吸器センター長 放生 雅章先生
      寺田内科・呼吸器科 副院長 寺田 邦彦先生
よりご講演をして頂きました。

まずは、玉置先生より「喘息治療における抗コリン薬の役割」についてご講演頂きました。
作用機序、効果、さらにどのような患者さんに使用するべきなのか、基礎から臨床までとても分かりやすく講演して頂きました。

◎抗コリン薬の抗喘息作用は?
・気管支拡張作用
・粘液産生の減少
・抗炎症作用
・咳を抑制

◎スピリーバ®の抗喘息薬としての作用機序は?
抗コリン薬は、気管支を収縮させるアセチルコリンが結合する、ムスカリン受容体をブロックすることで、気管支拡張効果を得ます。
ムスカリン受容体は、迷走神経の末端にはM1,M2,M3の3種類存在しますが、気道ではムスカリン受容体のうちM3受容体が重要な役割を担っています。
さらにM3受容体は、気道の平滑筋だけでなく粘液産生細胞や炎症細胞(リンパ球やマクロファージ)にも存在しています。
ですので、気管支拡張作用だけでなく、粘液産生の抑制や抗炎症作用も!
また、咳受容体の一つであるC線維の表面にTRPV1受容体(カプサイシン受容体)もブロックするため、咳を抑えらます。

※M1M2M3について…。M2受容体は、アセチルコリンの過放出を防ぐためにネガティブフェードバックをかけてくれる調整役なのですが、抗コリン薬はここもブロックしてしまいます(さらに、喘息患者さんではM2受容体の作用が減弱していることも分かっています…)。
より強い効果を得るためには、M1,M3のみブロックする必要がありますが、これはなかなか難しいです。ですが、スピリーバ®は、M1,M3には長時間結合し、M2には短時間結合するという特徴をもっています。ゆえに、利にかなった吸入薬といえます!

◎ では、どのような患者さんにLAMAの追加を考慮するべきか】
 ・ICS/LABAでコントロール不良・不十分
・LABA抵抗性のArg16genotype(15%)LABAが効きにくいひと。
・%FEV1<60%+気道リモデリング
・非好酸球性気道炎症
・喫煙者、喫煙歴あり
・夜間から早朝の症状
・痰が多い/咳が多い
・LABA特有の副作用あり
・βブロッカー服用中

また、夜間症状を抑えるためにも吸入は夕方or夜にする方がよいのではないかとのことでした!!
明日からの臨床にすぐに役立てる内容ばかりでした。

次に、NTT東日本関東病院 呼吸器センター長 放生 雅章先生、寺田内科・呼吸器科 副院長 寺田 邦彦先生より症例(コントロール不良の喘息症例)の提示をして頂きました。

症例提示を行ったあと、それぞれ実際の臨床での次の一手をどうするか番号札を用い発表するという形式でdiscussionをしました(以下の選択肢がありました)。
➀フルティフォーム®8吸入へ増量 ➁シムビコート4吸入へ、SMART療法導入 ➂レルベア®200 1吸入/日へ変更 ④ロイコトリエン受容体拮抗薬の追加
➄長時間作用性抗コリン薬を追加。

アドヒアランスの問題はどうか、炎症がまだ残っているとすればどうしようか、咳はどうだろうか、肺機能はどうだどろうかなどなど色々考えながら回答しました。
どれが正解というわけではないので、先生方それぞれの考えを聞くことができ、また松瀬先生から一つ一つコメントを頂けるためてとても勉強になりました。

そのなかで、放生先生よりもLAMAの追加を積極的に考慮する患者さんについてのお話がありました。
 ・β2刺激薬の使用が懸念される人
 (心筋症、頻脈性不整脈、β2刺激薬による副作用:こむら返りや低K血症など…)
 ・SABA使用回数多い人
 ・感染後の増悪を繰り返す人(効果はすぐなくても、一冬使ってみると効果実感できるはず)

スピリーバ®は、気管支拡張だけでなく上記に記載した通りあらゆる作用がありどのようなフェノタイプの喘息患者にも効果がある治療薬ではないかと思います。

当院でも、緑内障や前立腺肥大による排尿障害の患者さんがないコントロール不良の患者さんには積極的に使用しています。重症持続型の文言も外れましたし、喘息患者のtotalコントロールを目指すための一手として今後も使用していきたいと思います。

全国から集まった諸先輩方と一緒に勉強できとても貴重な経験でした。ありがとうございました。

勉強会の終了後に懇親会もありました!!
御高名な先生方と直接お話ができ、また症例相談にも乗って頂いたりとても貴重な時間を過ごすことができました。

そして私…、お恥ずかしながら、張り切って参加していたためとても目立っていたようで、
そのことが功を奏し、最後のご挨拶をさせて頂くこととなりました。
若輩者で大変恐縮でしたが、このようなチャンスを頂けましたので、お言葉に甘えご挨拶させて頂きました。
緊張で顔は引きつっていましたが、諸先輩方は暖かく見守って下さりました。ありがたい限りです。

これからも精進してまいります。よろしくお願い致します。
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# by res81 | 2017-01-22 23:53 | 学会・研修会 | Comments(0)