飯塚病院呼吸器内科のブログ
by res81
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福岡県の飯塚病院呼吸器内科のブログです。

呼吸器内科スタッフ10名+呼吸器腫瘍内科スタッフ1名+後期研修医4名(H29年4月現在)で、日々楽しく頑張っています。
大学の医局に関係なく、様々なバックグラウンドのドクターが集まっています。

飯塚病院呼吸器内科では、後期研修医やスタッフを募集しています。ご興味のある方は
iizukakokyu@gmail.com までご連絡ください。

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COPDの重症肺高血圧:ASPIRE registryより

スタッフTBです。

Journal watch中、ERJの最新号よりピックアップしました。

Pulmonary hypertension in COPD: results from the ASPIRE registry
Eur Respir J 2013; 41: 1292–1301


COPDには肺高血圧(PH)を合併しやすいのですが、大抵は軽症~中等症までで、重症例(平均肺動脈圧≧40mmHg)はCOPDの1%程度と言われ、"Out of proportion"とされています。
何せ症例が少ないため、その特徴があまりはっきりしておりませんでした。
ASPIRE registryとは、"Assessing the Spectrum of Pulmonary Hypertension Identified at a Referral Centre registry"の略で、英国の肺高血圧調査のためのregistryです。
今回は9年間のデータから、PHを合併したCOPDについて臨床的特徴をまとめてくれています。

Abstract
COPDにおける重症肺高血圧(PH)の表現型と予後については少数の検討しかなく、予後因子はわかっていない。ASPIRE registryより、PH合併COPD連続101症例のデータを抽出し検討。

 平均follow-up期間:2.3±1.9 years.
 重症PH・COPDは59例:定義は右心カテーテルで肺動脈圧≧40 mmHg
 特徴・・・拡散能が低い、気流制限は比較的軽度、
      CTでの気腫スコアは軽症~中等症肺高血圧COPDと同等
      1年生存率:70%(⇔軽症~中等症PH・COPD群では83%)
      3年生存率:33%(⇔軽症~中等症PH・COPD群では55%)
 予後不良の独立因子:混合静脈血SpO2、DLCO、
               肺高血圧のWHO機能分類クラス、年齢

               →気流制限の程度は、予後因子ではなかった!

 Compassionate(救済的な)treatmentは重症PH・COPD 43例で施行された
 ⇒生存率は改善しなかった
 ⇔治療反応性(機能的な改善または20%以上の肺血管抵抗の低下)があった8症例
   では、生存率が改善した

まとめ:
・標準的に用いられているCOPDの予後因子は、PH合併症例には適用できない。
 ⇒今回のスタディで、PH合併群の予後因子が分かった。
・予後不良ではあるが、治療法を検索する手がかりとなる。


実臨床上、なかなか右心カテーテルまで行っておりません。しかし、精査・治療をトライしてみる事も時には必要で、それがなければ医学は先には進みません。
はざまで悩む日々です。
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# by res81 | 2013-06-07 18:54 | COPD | Comments(0)

臨床画像解析研究会開催!! そして伝説へ・・・

スタッフの228です(誕生日が2月28日です)。
事後報告になって恐縮ですが・・・
昨日、当院にて、第24回九州臨床画像解析研究会が開催されました〜

d0264356_16571711.jpg


日本を代表する先生方のアツいお話を、この飯塚の地で聞けるなんて、
本当にありがたい限りです。
今回は事後報告となってしまいましたが、
次回は本年11月頃に開催予定です。
その折はまたご案内しますので、ご興味がある方は、ぜひぜひご参加ください〜

さて、月日が経つのは早いもので、
気がつけばもう5月も終わりを迎えようとしています。
5月といえば、昨年はサンフランシスコでATSデビューを果たさせていただきました。
今年度も、後期研修医を中心に、9月にバルセロナのERS、10月にはシカゴのCHESTに参加予定です。
みんな、日常臨床をこなしながら、合間をみつけて勉強や発表、研究に励んでいる次第です。
忙しいときもありますが、みなでワイワイやってます。

さてさて、もう一点ご連絡が。
昨日の研究会の先生方に協力いただきながら、
当院でも積極的にVATS(胸腔鏡補助下の手術)下に肺生検を行っていき、検討していくことにしています。

主には間質性肺炎が対象になるわけですが、筑豊地区に潜在している間質性肺炎の方々を的確に診断しフォローし、治療介入を検討し、また、得られた情報をもとにさまざまな検討も行っていきたいと考えています。

ゆくゆくは、当院が、間質性肺炎など、いわゆるびまん性肺疾患の診療において、筑豊地区、九州で中心になれればなーなんて思っています。
夢は膨らむばかり・・・

タイトルの「そして、伝説へ」は、かの有名なドラゴンクエストⅢのサブタイトルです。
今後も飯塚は、対外的な交流も増やしてパワーアップしていく予定です。
そんな伝説の幕開け的な・・・大げさですね。失礼しました〜
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# by res81 | 2013-05-25 17:02 | 科の紹介 | Comments(0)

ベスト指導医!! 送別会!! そして、新年度の始まり~

ご無沙汰してます。
スタッフのTKあらため(TB先生と紛らわしいですから…)、スタッフの228です。
(誕生日が2月28日なだけですけど)

さて、2013年に入り慌ただしく時が過ぎ、気がつけばもう4月に入り新年度を迎えておりました。

個人的な昨年度の思い出としては、なんといってもATSでの発表でしょうか。
初の海外発表で(ポスターですけど)、当然英語はうまくいかなかったわけですが、なんとか発表を終え、世界を身近に感じることができた(そんな気がした)サンフランシスコの5月でした。

他にも、何度も発表の機会を与えていただいたり(相変わらず準備がどたばたでしたが…)、執筆の機会をいただいたり、いつも指導いただいているTK先生たちには本当に感謝感謝です。

と、そんなTK先生が、2012年度、当院の初期研修医による投票で、見事に内科系ベスト指導医に選ばれました!!
公私ともどもの熱い指導の結果と思われます。
ちなみにこれが証拠の写真です(笑)
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そして、昨年度は後期研修医が5人と、いまだかつてない人材の充実ぶりでした。
若い力に刺激を受けつつ、楽しい1年間を過ごしてきたわけですが、やはり1年は早いもので、先日は呼吸器(と血内)病棟で大送別会が行われました。
涙あり、笑いありの(!?)素敵な時間でした。
証拠の写真です(笑)
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飯塚を卒業したみなさんには、飯塚呼吸器の誇りを胸に(だいぶ大げさですが)、大きくはばたいてほしいですし、残された(留年??)われわれも、飯塚呼吸器をもっと輝かせたいものです。

新年度になり、新たなメンツも加わり、飯塚呼吸器は、さらにパワーアップしていきます!!
(その予定です!!)
さっそく、本日今年のCHESTで発表すべく、その抄録を登録しました(今日までの締め切りで、なんとか間に合いました)。まだ分かりませんが、今年も海外で発信予定です!!

みなさん、今年度もどうぞよろしくお願いします。
なお、飯塚呼吸器にご興味がある方は、福岡観光も兼ね、お気軽に見学にどうぞ~
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# by res81 | 2013-04-03 00:30 | 科の紹介 | Comments(0)

Thoracic splenosis

スタッフのTBです。

久しぶりの更新です。

年明けから今まで、季節がら患者さんが増えたり送別会があったりで、
なかなか更新できておりませんでした。

さて、当科では最近過去の論文から教訓的な画像の問題を拾ってきて、
週に1回勉強しております。
1回目はこれでした。

"Thoracic splenosis" 
 Radiology 2005;237:878-879(クリックで本文に飛びます)


画像は本文を参照してください。要点を簡単に。
“Thoracic splenosis”
・“Splenosis(脾症)”とは、脾臓破裂の結果脾臓組織が周囲組織に着床し、続いて増殖する状態。腹部が最も多く、脾臓破裂の後に67%に生じると言われる。胸腔ドレナージ後に皮膚に出たものや、開胸手術後に縦隔に出たという報告もあり。
・胸部に生じるものは、脾臓破裂後18%と報告されている
・左が多く、これは横隔膜損傷によると考えられている。
・男:女=30:8。男が受傷しやすいというだけ。
・外傷後発見までの期間は平均21年。偶然発見がほとんど。
・症状:ほとんどない。胸痛や喀血の報告あり。

<Chest CT>
・pleural-based nodule
   単発 25%
   多発 75%
・正常脾臓と同じ濃度。造影増強効果あり。

<シンチ>
・99mTc sulfur colloid、111In-labeled platelets、99mTc heat-damaged erythrocytesで取り込みあり。

<鑑別診断>
・pleural metastases (most commonly arising from the lungs, breast, or melanoma)
・lymphoma
・localized fibrous tumor of the pleura
・malignant mesothelioma
・invasive thymoma
・intrathoracic extramedullary hematopoiesis

<治療>
・症状がなければなにもしない。
・きちんと脾組織として機能しているため、取ると感染のリスクが高まるという報告あり。

<まとめ>
・左胸膜の腫瘤を認めたら、腹部外傷の既往をよく聞く。
・thoracic splenosisの可能性が高ければ、まず経過を見るべき。


「なんとなくリンパ節っぽい」という研修医のコメントが秀逸でした。
脾臓がない事、肋骨骨折まで読影出来れば、
後はこの疾患(状態)を知っているかどうかだけですね。
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# by res81 | 2013-03-28 07:37 | 画像診断 | Comments(0)

年末ですね・・・クリプトコックス髄膜炎のリスク

スタッフTKです。
少し滞ってましたブログ更新です。といっても、内容は、先々週の抄読会のネタからですが。
テーマはクリプトコックスです。

IDSAの2010年のガイドラインでは、その治療は、まず大きく4つに分類するところから始まります。
①HIV感染患者におけるクリプトコックス髄膜炎
②臓器移植患者におけるクリプトコックス髄膜炎
③臓器移植患者以外の非HIV感染患者における髄膜炎
④クリプトコックス髄膜炎以外のクリプトコックス症

この分類に応じて、具体的な治療方針が示されています。

さて、ここで自分の日常臨床を考えた場合に(臓器移植患者さんの担当はあまりないので、それを除くと)、クリプトコックスに遭遇した場合に問題となるのは、HIV感染がないか、髄膜炎を来たしていないか、という点になります。

まさに、つい先日この状況に遭遇したわけで、特に髄膜炎をどこまで疑って腰椎穿刺(ルンバール)を考えるべきか、だってルンバールって患者さんにとっては決して楽な検査じゃないですよね・・・という点で悩むことがあったのです。

ほぼ無症候性のクリプトコックス髄膜炎もあるようですし、無症状だからルンバールまでしなくてよい、というわけではなさそうです。
先のIDSAのガイドラインでは、中枢神経症状がなく、血清クリプトコックス抗原が陰性もしくは極めて低値の健常者は、腰椎穿刺は実施しなくてもよい、という見解のようです(エビデンス推奨度B:中等度、レベルII:RCTではないが、1個以上の臨床試験あり)。

当の患者さんはというと、、、、
他疾患でPSL内服中(最近は10mg/日で維持されている)、血清抗原陽性、ただ無症状で元気、という方でした。果たして、ルンバールは~~??
というところで行きついたのが、この論文です。臨床の疑問にのっとた素敵な研究だなぁと思いました。

Eur J Clin Microbiol Infect Dis (2008) 27:937–943

非HIV感染患者でクリプトコックス症を患った166名を対象としたレトロスペクティブなコホート研究です。診断後、12ヶ月フォローアップしているようです。
166名のうち、122名が肺病変のみの方(PD)、残りの44名が髄膜炎など播種病変をもつ方(DD)となっています。

さっそく結論からいくと、播種病変のリスクとして、多変量解析の結果からは、
●肝硬変
●PSL 20mg/day以上を60日間以上

が挙げられます。やはり、PSLはくせものです。

ほか、発熱(38.6度以上)、体重減少(3ヶ月で5%以上の減少)、頭痛、精神状態の変化、皮膚病変なども挙げられていますが、クリプトコックスを疑う患者さんで、こういう症状があれば、普通に考えてもルンバールはしておくべき所見かと思われますので、それはそうだよなぁという感じです。

加えて、血清抗原価陽性(1:64以上)も挙げられます。特に、播種症例では、抗原陰性が有意に少なかったようです。

また、画像的には、播種症例のほうが、胸水がたまっている症例が多い傾向にあったようです。

先日の抄読会でも実際に意見としてでましたが、「迷うようならルンバールすればいいじゃん」という意見もたしかにその通りなのですが、外来の合間に普段慣れない処置を行なうのはやや敷居が高く、また、出血傾向など患者さん側の問題で施行しづらい状況もあるため、なにか少しでも手がかりが分かればいいなぁとは思います。さすがにルンバール目的だけで、すぐ神経内科に送るのもどうかと思いますし・・・

さらに、もう一点、話題となったのが、抗原価の意味合いについてです。
ひとくちに抗原陽性といっても抗原価は異なるわけですが、日本ではクリプトコックス抗原検査は定量ではなく定性なので、具体的な抗原価は分からず、つまり陽性か陰性かしか分からないのです。
陰性ならいいのですが、陽性の場合は、果たしてどの程度の抗原価かは分からないため、抗原陽性で、でも無症状で元気な方は、、、、やはりルンバールするかは悩ましいです。

クリプトコックスも奥が深いです。

さて、そんなこんなで、2012年も終わりを迎えようとしています。
毎年思いますが、働きだして、本当に1年1年が早いです。こうやって歳をとっていくのでしょうね(笑)。
今年も、スタッフはもちろん患者さんとも、貴重な出会いと別れがありました。
また来年も楽しみです。みなさん、来年もどうぞよろしくお願いします。
あ、明日当直だ・・・(泣)
みなさん、よいお年を~
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# by res81 | 2012-12-31 14:15 | 真菌症 | Comments(0)