飯塚病院呼吸器内科のブログ
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福岡県の飯塚病院呼吸器内科のブログです。

呼吸器内科スタッフ10名+呼吸器腫瘍内科スタッフ1名+後期研修医4名(H29年4月現在)で、日々楽しく頑張っています。
大学の医局に関係なく、様々なバックグラウンドのドクターが集まっています。

飯塚病院呼吸器内科では、後期研修医やスタッフを募集しています。ご興味のある方は
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第4回九州胸膜中皮腫研究会優秀演題賞受賞!と、福岡呼吸器カンファレンス


スタッフのTBです。

昨日(7月12日)、「第4回九州胸膜中皮腫研究会」が小倉で開催されました。

当科の後期研修医AN先生が1演題発表し、臨床系の優秀演題賞を受賞されました!
さすがです!!

研究会では全演題を通じて、胸膜中皮腫の診断・治療・社会的な問題など、幅広く勉強させて頂きました。


また、同じ頃博多で開催されていた「福岡呼吸器カンファレンス」でも、
当科スタッフの228先生が症例のプレゼンターを務めました。

こちらの会では、膿胸の治療について多くのディスカッションがなされたとのことです。


これからも臨床と、それに基づいた研究・発表、頑張っていきましょう!
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# by res81 | 2013-07-13 13:35 | 科の紹介 | Comments(0)

プライマリケア連合学会春季セミナー&内科認定医試験

d0264356_8393887.jpg

(ホテルの窓から。「世界の〇ちゃん」がどこかに写ってます・・・)

スタッフのTBです。

昨日より名古屋に来ております。
こちらは非常に暑いです。

ある偉い先生よりお声掛けをいただき、
日本プライマリケア連合学会春季セミナーに参加させていただく事となりました。
本日セミナーの講師的役割を仰せつかっております。
精一杯努めさせて頂きます。

一方、横浜では内科認定医試験が開かれています。
当科の4人の後期研修医も受験に行っております。
こちらも頑張ってください。
全員大丈夫でしょうけど(笑)

患者さんを守ってくれているスタッフに感謝です!
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# by res81 | 2013-07-07 08:41 | 科の紹介 | Comments(0)

咳嗽シリーズ① 咳嗽の機序

スタッフのTBです。

最近咳嗽について再勉強しましたので、実際的な所を少しずつアップしていきたいと思います。

とは言え、病的咳嗽がなぜ起こるのか?、を知らずしてその後の話はできませんので、本日は咳嗽の機序について軽くまとめます。

咳嗽とは
「気道内に貯留した分泌物や吸い込まれた異物を気道外に排除するための生体防御反応」

・・・当たり前と言えば当たり前、ですね。

では、咳が起こる機序を図示します。
Lancet 2008; 371: 1364–74より。
d0264356_417371.png

咳を起こす発端となる神経受容体は、迷走神経の終末枝です。図のの部位に分布しています。咽頭や喉頭では「上喉頭神経」と名付けられていますが、これも迷走神経の分枝です。
(以下追記 20150609)
   ↓
ここに加わった刺激は電気信号に変換されて、延髄孤束核の咳受容体に届けられます(図の点線部分)。また、大脳皮質にも信号が届けられ、相互作用が起こり遠心性に喉頭筋や呼吸筋に刺激が伝達され(図の実線部分)、咳嗽が生じます
ここでポイントですが、迷走神経の刺激がなくても、大脳皮質自体は咳中枢に刺激を送ることができるため、咳を起こすことができます。習慣性咳嗽(くせになっている)、心因性咳嗽(緊張すると咳が出る)などの原因はこれです。

次に、気管支のミクロ解剖と、咳を起こす経路を図示します。
またLancet 2008; 371: 1364–74より。
d0264356_4162935.png


微妙に経路が異なりますが、最終的には迷走神経が刺激されて咳嗽が起こります。
咳受容体として、以下の2つが想定されています;
 A. Aδ線維(迷走神経)の終末受容体(rapidly adapting receptors: RARs)
   ・機械的な刺激に直接反応
 B. 無髄神経線維C線維の神経終末
   ・炎症時に放出されるメディエーターや粘液がC線維終末を刺激
     →タキキニン・カルシトニン-gene関連ペプチドを分泌(特にサブスタンスPがメイン)
       =軸索反射
     →RARsが刺激される
             (THE LUNG perspectives 2013;21:329-333)
     (追記終わり)

病的咳嗽の機序を以下にざっとまとめます。
A. 気道壁表層(粘膜)を刺激する病態
①刺激亢進:生理的反射・・・異物、ガス、過剰分泌などが原因
②炎症によるもの:非特異的な機序
 →炎症により無髄神経線維(C線維)がタキキニン・カルシトニン-gene関連ペプチドを分泌(軸索反射)
  (特にサブスタンスPがメイン)
 →咳受容体(Aδ、迷走神経)が刺激される
 →延髄の咳中枢へ


 この範囲は正常の反応と言えると思います。

B. 咳受容体の感受性亢進
気道表層の神経であるC線維もしくはAδ線維が過敏になった状態を言います。 
*咳受容体感受性亢進と気道過敏性(=喘息)とは、意味が異なりますのでご注意を。

(20150609追記)
C線維の活性化によるAδ線維受容体の刺激が、咳受容体の感受性亢進機序の大きな役割を担っていると言われています。

[C線維の活性化の機序による分類]
(C線維に存在するトランスポーターや受容体を介した刺激経路で分類しています)
●transient receptor potential vanilloid 1(TRPV1)の活性化を介する
 ・アナンダミドトランスポーター:NOによる活性化
  気道炎症=アトピー咳嗽、喉頭アレルギー、GERDなど
 ・EP2,FP受容体:COX2→プロスタノイドによる活性化
  気道炎症=アトピー咳嗽、咳喘息、喉頭アレルギーなど
 ・ブラジキニンB2受容体:ブラジキニンによる活性化
  ACE阻害薬、GERDなど
●TRPV1の活性化を介さない
 ・TTX抵抗性Naチャネル
  多くの慢性咳嗽に関与
 ・TRPA1:タバコ煙、排気ガスなどで活性化
  GERD以外の多くの慢性咳嗽に関与
 ・ASCIs:プロトンにより活性化
  GERD
      (THE LUNG perspectives 2013;21:329-333)
*Aδ線維はATP受容体を介して直接刺激されることも報告されており、
  アトピー咳嗽などで重要な経路とも考えられています
  (日薬理誌 2008;131:429-433)

 (追記終わり)
①炎症(アレルギー性?):アトピー咳嗽、非喘息性好酸球性気管支炎
②下部食道の迷走神経刺激→咳受容体感受性亢進:GERD
③ACE阻害薬によるサブスタンスPの増加
④その他に、後鼻漏による咳嗽、喉頭アレルギー、
        かぜ症候群後持続性咳嗽(いわゆる感染後咳嗽)、
        などでも咳受容体感受性亢進の報告あり

C. 気道平滑筋の収縮
①平滑筋収縮による平滑筋内の知覚神経刺激:喘息、咳喘息
*咳受容体感受性の亢進は無いか、軽度と言われています

D. その他の迷走神経を刺激する病態
①下部食道の迷走神経刺激:GERD
②耳への刺激:耳にも迷走神経が分布!耳かきで咳が出ることがあります。

E. その他
①大脳皮質による咳中枢刺激:心因性、習慣性


ややこしかったでしょうか?
次回以降は、実際的な咳の臨床についてまとめていきます~
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# by res81 | 2013-07-05 05:36 | 咳嗽 | Comments(4)

COPDと肺気腫と慢性気管支炎と気管支拡張症と・・・その②

どうも、スタッフ228です。誕生日が〜・・・

さて、前回、ぼくは、「喫煙+咳嗽喀痰(あるいは呼吸困難)➡COPD」という風に、簡単にCOPDと診断して満足してしまう流れは、あまり好ましくないなぁと感じていて、気管支拡張症とか案外隠れていて、気管支拡張症にも何か原因があるんだよ、という認識が大切、みたいなことを記載しました。

が、これは、あくまで当院のような比較的大きな病院で働いている一呼吸器内科医の意見に過ぎないのかな、ということに最近気付きました。

地域の病院では、まだまだCOPDの認識が薄く、COPDと診断されずに、むしろ「慢性気管支炎」として、対症療法のみが施行されているような症例のほうが多いようです(吸入療法2:54-61, 2010)。つまり、きちんとCOPDの診断を受け、長時間作用型抗コリン薬やβ刺激薬といった気管支拡張薬を投与されていない方が多い現実があるようです。スパイロメトリーがさほど普及していない現状が背景にはあるようです。

なんとなくCOPDと診断されていることもあれば、むしろ逆にCOPDなのにその診断がついていないこともある・・・ということでした。

結論として、「喫煙+咳嗽喀痰or呼吸困難➡まず呼吸機能検査+レントゲンもしくはCT撮影」といったところでしょうか。

それでは、前回の続きです。
リウマチの気管支拡張症があり、慢性気管支炎がある、でもCOPDではなかった症例でした。

COPDとその周辺疾患に関して、改めて、いろいろ勉強してみると、いい図表がありました。
Murray and Nadel's Textbook of Respiratory Medicine , Fifth Edition
という教科書からです。

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このグリーンの部分が、COPDです。
COPDやら肺気腫やら慢性気管支炎やら、そういった言葉の概念を理解するのに素敵なイメージだと思いました。研修医の先生たちなんかに、伝えたいとこでもあります。

本症例はこの辺でしょうか(赤丸)。

d0264356_22304440.png


ぼくは、さらにここに、気管支拡張症(BE)も加えたいと思います。無理矢理ですが。

d0264356_22355677.png


今日は、このイメージを焼き付ける!!
ことにして、ちょいとここで一旦切ります。
まだまだこの流れを継続していく予定です。
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# by res81 | 2013-07-02 22:36 | COPD | Comments(0)

Hamman's sign

スタッフのTBです。

知識の整理のため、Hamman's signについて軽くまとめてみました。

----------------------------------------------------------------------
Hamman's signとは、心収縮中期(心音の I 音,II 音の間)にクリック音が聴取され、
縦隔気腫や左気胸で聴取される所見
です。

この雑音は、"crunching" "bubbling" "popping" "crackling"
"clicking" "popping"、などと表現されています。
かなり特徴的な雑音で、私自身も"ペコペコ"サインと命名していました。
一回聞くと忘れることはありません。
特に左気胸の患者さんに左側臥位になってもらうと、よく聞こえます。
この音は患者さん自身が最もよく聞こえており、問診上も有用です。
「横になるとポコポコします?」なんて感じで問診しています。

Louis Hammanが1937年に初めて著しました。
  (Tr Assoc Am Physicians 1937; 52:31 1-19)

最初は縦隔気腫の所見であると報告され、その後気胸でも聴取されると報告されました。
  (Ann Intern Med 1939; 13:923-27, JAMA 1945; 128:1-6)

Hammanは、
「縦隔の空気が心臓に接する位置に溜まると、心拍動によりこの音が発生する」
と説明しました。
しかし、Hamman自身がまとめた7症例のうち、
Xpで縦隔気腫が確認されたのは2例のみで、
残りは2例が左気胸、3例は気胸も縦隔気腫もなし
、でした。
それでええんかい・・・?

そして、左気胸でこの音が聞こえる、との報告が相次ぎます。
  (Dis Chest 1969; 56:31-36、Lancet 1939; 2:1208-11、
   Am J Med 1955; 18:547-56、Dis Chest 1957; 32:421-34、
   Br Med J 1961;1:1342-46、"Fraser"にも記載あり)
これらの気胸のほとんどが軽症で、診断自体も苦慮するくらいだったそうです。
Lancet 1939; 2:1208-11には、人工的に左胸腔に25ml空気を入れると雑音がした
と記載されています(スゴイ)。

おそらく、心臓に接する部分にある程度までの量の空気(多すぎてはダメ)があると、
心拍動により音が生じる
のだろうと思われます。
  (Chest 1992; 102:1281-82)
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Chest 1992; 102:1281-82より。軽症左気胸でHamman's signを聴取した症例。

ちなみに、気胸全体では、1%以下で肺雑音があると報告されています。
聴こえる音のほとんどはHamman's signなのでしょうね。
  (Boston:Little, Brown and Co. 1968:160-61)
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# by res81 | 2013-06-20 06:49 | 身体所見 | Comments(0)