飯塚病院呼吸器内科のブログ
by res81
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福岡県の飯塚病院呼吸器内科のブログです。

呼吸器内科スタッフ10名+呼吸器腫瘍内科スタッフ1名+後期研修医4名(H29年4月現在)で、日々楽しく頑張っています。
大学の医局に関係なく、様々なバックグラウンドのドクターが集まっています。

飯塚病院呼吸器内科では、後期研修医やスタッフを募集しています。ご興味のある方は
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タグ:呼吸器内科 ( 63 ) タグの人気記事

人工呼吸器セミナーin飯塚2017と、アクアラインセミナー

こんにちは!

スタッフのTBです。
実は呼吸管理委員長を兼任しております。

去る7月9日に呼吸管理委員会主催で、
米国ボイシー州立大学呼吸療法科教授 Lonny Ashworth先生と、
昭和大学大学院保険医療学研究科呼吸ケア領域教授 宮川哲夫先生
をお招きし、「人工呼吸セミナー in 飯塚 2017」を開催いたしました。

ご両名の素晴らしいセミナー&通訳、
さらにワークショップを通じて、
人工呼吸管理について楽しく沢山の事を学びました。
早速実戦に活かしております!

また、レクチャーやワークショップのやり方についても
考えさせられることが多かったです。
今後の参考にさせていただきます!

前夜祭と懇親会も最高に楽しくて、
是非またご両名をお招きしたいと思っております。
またよろしくお願いします!!!

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本日(7/15)は順天堂大学医学部呼吸器内科高橋教授にご面会頂いた後、亀田総合病院呼吸器内科主催の「アクアラインセミナー」に参加させていただきました。
日本トップの先生方と間質性肺炎について学ぶことができ、非常に勉強になりました。
この領域も頑張らなければ…ディスカッションが濃すぎる…
青島先生、野間先生、本当にありがとうございました!

亀田総合病院の呼吸器内科はすごいです。
うちも負けない様に頑張らなければ!



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by res81 | 2017-07-15 22:34 | 学会・研修会 | Comments(0)

COPD治療戦略の考え方 ~室繁郎先生に教わりました~

皆さんこんばんは。年月の速さに驚いているスタッフのYです。きっと充実した日々の証ですね。呼吸器内科の皆様に、サプライズ焼き餅パーティー(@内科医局)で誕生日を祝って頂いたのが、つい最近のように思えるのですが・・・。


先日、「呼吸器 Meet the Expert in 筑豊」という研究会のために、京都大学呼吸器内科学准教授室繁郎先生が、なんと飯塚まで遥々お越しくださいました。


室先生はとくにCOPDの分野で多方面に研究を繰り広げておられますが、今回は飯塚にいながらも、室先生のご講演を直接伺うことができました!その上、濃密なディスカッションの時間を設けていただき、大変勉強になりました。「最新の知見」の伝達に留まらず、室先生のものの「見方」「考え方」を共有していただけたこと、そして私たちが日ごろ悩んでいる数々の実例を通じて、実践的な「工夫」を知ることができ、大変感謝しております。COPD研究の第一人者でありながら臨床も第一線で続けておられる室先生ならではと思います。室先生には遠方からきていただきながらも、あえての少人数制の会ということで私たちのために場を設けていただき、とっても贅沢な充実感あふれるひとときでした。


COPD治療 Up To Date」と題されたご講演で特に印象的だったのが、最大吸気量(inspiratory capacity)の有用性でした。COPDの診断や評価に用いられる1秒量は、確かに症状や予後と相関もあるようで、我々もその変動に一喜一憂しがちです。しかしこれは日常生活とはかけ離れた数値かもしれません。確かに我々は普段、1秒量を測定するときのような呼吸をすることは(重労作時でさえ)、ありません。肺機能検査でみられる1秒量のような項目より、吸気予備量こそ、日常生活に添っているのではないかというのが最近の見解であり、現在はこちらが研究対象となっています。つまりCOPDの治療戦略を呼吸生理の視点から考える上で、最大吸気量の改善、ひいては動的過膨張の改善が重要なのではないかということです。治療に用いられる気管支拡張薬が、BronchodilatorというよりはLung deflatorの役割で、主役となっているわけです。


この視点は患者さんの「息切れ」(=労作時呼吸困難)の原因に焦点を当てている点で、非常に納得しやすいもので、終始うなづいてしまいました。


しかしCOPDの研究や創薬が進んでも、どうしても解決しない問題点があります。抑えられない進行、とりきれない症状、なくせない増悪... こうした問題に真っ向から取り組み治療を開発するために室先生が研究されているのが、とくに画像からみたCOPDの病態と治療戦略です。肺気腫の破壊パターンはフラクタル性を持っており、この気腫病変の進展様式をシミュレーションすることにより病態をより把握できないかというわけです。当科でもTb先生やG Snow先生がびまん性肺疾患のフラクタル解析に取り組んでおり、COPDの最先端の研究も、おかげで少し身近に感じました。


後半の「COPD治療ディスカッション」では、当科から2例の症例提示を行い、室先生との意見交換をさせて頂きました。事前に「何でも相談してよい」とお聞きしていたのをいいことに、COPDの治療で悩んでいる点を本当に存分に相談しつくさせていただきました。


まずはCOPDの治療導入時にLAMA/LABA合剤で開始を検討すべき状況というのをテーマとしました。症例検討を通じて、治療決定においてGOLDに則った項目の他に念頭に置くべき要素を教わりました。逆説的ではありますが、「重症例で単剤から開始したほうがよく、軽症例であえて合剤で開始したほうがよい」状況とその理由や、数々のClinical pearlを聞かせてくださいました。ここでは書ききれませんが、眼から大量のうろこが落ちました。


2例目では今話題の、COPDにおけるICSの位置づけをご相談させて頂きました。増悪を繰り返すCOPDではICSの導入が推奨されたかと思えば、2014年のWISDOM studyではICS中止により増悪が抑制できる可能性(しかし呼吸機能は低下する可能性)が示されました。学会や研究会でもよく取り扱われているテーマかと思いますが、結局のところ正解がわからず、現場では日々悩んでしまいます。重症例ではすでに3剤を用いていることも多く、増悪を繰り返す場合にICSの中止を検討したいような、減量をすることに不安もあるような・・・。今回の議論を通じて、ICSの有用性を総合的に判断すること(既往、症状、FeNO、末梢血好酸球数、増悪様式など)、そして慎重な経過観察下ではためらわずに中止することも選択肢であることを教わりました。加えてICS導入により期待される効果(長期的なものも含めて)や実臨床に即した副作用のとらえ方、ICSの使い分けも大変勉強になりました。正解を求めすぎるより、これまでのエビデンスや患者さんのデータをもとに客観的・多面的に評価を行い、論理的な考えに基づいて導入または中止をして、なおかつ丁寧に経過をみることで、おのずとその患者さんにとってのよい治療というのが見えてくるのかもしれません。


そのほか、COPDにおけるマクロライドの位置づけ嚥下機能との関連循環器疾患合併例における治療の考え方、CPFEなど、気になる話題について質問や意見交換が絶えませんでした。


室先生におかれましては、遠路遥々飯塚までお越しいただき、惜しみなく相談に乗っていただき、当科一同 心より感謝しております。最近は日々のチームカンファレンスでも「あのディスカッションを踏まえて・・・」とよく耳にします。早速日々の臨床に活用させて頂いております。本当にありがとうございました。


COPD専門外来も少しずつではありますが充実してきています。ガイドラインに沿った標準治療に留まらず、枠組みに収まらない状況にも根拠を持って適切に対応できるよう、当科一同、精進していきたいと思います。

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by res81 | 2017-06-15 23:56 | 学会・研修会 | Comments(0)

ATS⑥ ~国際学会 参加のイロハ~

先ほど無事帰国しました、スタッフのYです。
不在中を守ってくださった皆様、本当にありがとうございました。

気付けば国際学会に参加するのは7回目でした。学生の頃、緩和ケアの教授やスタッフの方々とともにヨーロッパ緩和ケア学会に参加したのが初めてでした。現地で同じく緩和ケア医を目指している学生や先生方と仲良くなれたことも大きな励みとなりました。その後アジア太平洋リウマチ膠原病学会を経て、呼吸器の学会に参加するようになりました。

国際学会の参加に際しては、仲間がいなければ、一歩を踏み出すのがとても大変です。当科では大勢いる医師全員が、年1回、国際学会に参加できます。ありがたいことに、部長を初め指導医の先生方が演題も一緒に必死に考えてくださり、指導してくださいます。不在中は皆が一丸となり日々の業務を滞りなく請け負ってくれます。人的資源が豊富であることはもちろん、科の方針として国際学会の参加を掲げているからこそ、できることと思います。当たり前のように「来年はどれに行こう」などと話している現状は、ちょっと異様に贅沢だな、とふと我に返ることがあります。

さて、右も左もわからず参加した初めての学会では恩師に事細かに教わり、自分で試行錯誤を重ねた部分もあり、参加の仕方が変わってきました。せっかくこれだけ参加させて頂いているので、医学知識だけでなく、学会参加時のちょっとしたコツを共有しようと思い立ちました。少しでも不安が和らいだり、学会がより楽しく実りあるものになればと思います。
とはいえ私が呼吸器分野で参加したのはATS(アメリカ胸部学会)とAPSR(アジア太平洋呼吸器学会)のみです。また学会の運営方法は、主催者や場所によって大きく変わります。以下はあくまで私個人の感じたことであることをご了承ください。書ききれないことも多いので、詳しくはいつでも直接お聞きください。621号先生が、演題投稿や学会申込から学べる、詳しいハウツー資料を準備してくれているようですので、当科の皆さまはご期待ください。院外の方は見学にお越しいただいたときにでもご相談くださいね。

前置きが長くなりましたが、以下、各学会のイメージ、セッション、イベント、配布物、アプリ、食事について書かせていただきます。

* ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ *

【学会のイメージ】
APSR(アジア太平洋呼吸器学会)
・(日本と比較して)多いテーマ:感染症、気管支喘息、塵肺、環境/職業性疾患、公衆衛生
・少ないテーマ:悪性腫瘍、膠原病など(国によりまだ使えない薬剤も多い)
・英語:母国語でない人が多いので訛りがある、比較的ゆっくり話される、外国人に親切
・その他:びまん性肺疾患などは演者のほとんどが日本人
     日本での開催もある(海外は行きにくい方はまずこちらから?ただし次は2020年以降)

ATS (アメリカ胸部学会)
・多いテーマ:集中治療、COPD、SAS/睡眠関連、医療経済、小児、嚢胞性線維症
・少ないテーマ:悪性腫瘍(アメリカでは癌は主に腫瘍内科医が診る)、間質性肺炎
・英語:発音はきれい、話す速度は速い
・その他:医師以外の演者や参加者も多い(看護師、リハビリ療法士、臨床心理士など)

【セッション】
国際学会では日本にはない面白い形式もあります。特にお勧めしたいものだけ、いくつかご紹介します。さらに詳しく知りたい方はリンクもご参照ください。

Year in Review
1日1コマのペースでほぼ毎日あります。1コマで3-4個の分野が取り上げられ、それぞれ別の演者が、過去一年間に発表されたその分野の新しい論文から話題性のあるものを5本紹介します。大規模研究や主要論文の要点を知ることができ、短時間でその分野の最新の知見や世の中の流れを把握/復習できます。入口で配布されるA4サイズの冊子には、これらの文献の要点や、演者の考えるポイントや意見などが簡潔にまとめられており、その他の参考文献も多数記載されています。これは人気の高い冊子で、このセッションでしか手に入らないので、忘れずもらってくださいね(当科の皆様は、供覧用に医局に置きますのでご覧ください)。今年の文献集はAj先生がまとめてくれております:第一弾(ILD)、第二弾(COPD、BA、NTM)。

Meet the Professor / Sunrise Seminar
事前申込、参加費が必要です。朝食や昼食が用意されることが多いです。ある分野に精通している先生による、焦点を絞った講演です。少人数制で、円卓を囲むように座ることが多く、参加者同士で意見交換や相談をすることもできます。大きな講堂で開催される講演とは異なり、特定のテーマに興味を持っていたり悩んでいる人が集まるため、色々な現場の現状や、なされている工夫を聞く面白さがあります。演者との距離も近く、セッション中も自由に質問や意見交換ができたり、終了後に話をする時間もあります。例えば神経筋疾患患者の在宅人工呼吸管理や、超高齢COPD患者の診療、重症肺炎におけるマクロライドの位置づけに関するセッションなどに参加し、どれも普段なかなか聞けない各施設の現状まで知ることができとても面白かったです。

Debate / Pro/Con Session
あるテーマについて、肯定派と否定派が順に登壇し、その理由をエビデンスとともに述べていきます。例えばCOPDに対して吸入ステロイド薬を使用するか否か(例:2016年APSR報告)、長期酸素療法が推奨されるか否か、呼吸リハを在宅でも行うべきか否か、肺動脈性肺高血圧症は自己免疫性疾患か否か、などです。熱い演説後は、座長や参加者からの質問に答える形で討論が行われます。一つのテーマに関して様々な角度からエビデンスや意見を聴くことで、その分野で広く認められている考え方とまだ議論の余地がある点が把握でき、理解が相乗的に深まる機会です。

Workshop
学会の初日に行われ、APSRでは1日で半日×2コマを受講でき、ATSでは1日中や2日連続のものがあります。事前申込が必須で、有料です。朝食や昼食が提供されます。多くは講義のあと、実際の機器を用いた実習があります(例:肺/心エコー気管支鏡など)。グループワークがあるものや、座学のみのものもあります。英語に自信がなく参加を迷っている方は、まずは実技を伴うものや、画像読影のワークショップをお勧めします。

Clinical Core Curriculum / Keynote Series
重要性や普遍性の高いテーマが扱われる講演です。現地の医師やスタッフにとっては資格取得や更新のための単位を得るセミナーもあるようです。迷ったらこれに出ておけば間違いはなさそうです。

Evening symposium
日本呼吸器学会総会でいうイブニングセミナーに値するものです。スポンサー企業によりホテルの会議室などで開かれます。事前招待性のものから、当日参加可能なものまで様々です。自由参加のセミナーの詳細は、事前に配信されるメールや当日の配布物などで確認できます。

【一般演題】
Poster Session (Thematic Poster Session)
いわゆるポスター発表です。朝、ポスターをパネルに貼ります。お昼前後、所定の時間にポスターの前に立ち、質問に答えたり意見交換を行います。進行方法は座長によって実に様々です。日本呼吸器学会総会のように座長と発表者全員が一つひとつのポスターを回る形式は少なく、座長だけが周りながら、演者に1-2分の発表や質疑応答を求める形式から、座長が全く回ってこないときもあります。

Poster Discussion Session
ATSにポスター発表を投稿した際、このDiscussion Sessionを割り当てられることがあります。症例発表、研究発表に関わらず当たります。25名程度が一部屋に集められ、ポスターを展示します。最初の1時間はお互いのポスターを見て回る、上記と同じ質疑応答形式です。後半は全員が向かい合って着席し、1-2分ずつの発表をしたり、座長の進行に応じて意見交換をします。Posterと書かれていて一見気付きにくいので、演題採択通知が来た際には、よく確認するようにしています。このセッションに当たったときは話す原稿を考えていったほうがいいでしょう(例:今年のATS報告 の前半はPoster Session、後半はPoster Discussion Session)。

Oral Presentation / Mini symposium
優秀者や、希望者の一部は口演になるようです。日本のものととくに変わりはありあせん。しいて言えば、質問は国内より多い印象です。共同演者からの発言や、第3者が意見することも比較的多く見受けます。

Late Breaking Poster
国際学会は演題〆切が学会の半年以上前が通常です。このときまでに間に合わなかったような最新データを発表したい場合、開催数カ月前にもう一度、演題を応募できるシステムです。ただし既に投稿して採択されなかった演題を再投稿することはできません。通常の演題より演題投稿費や倍率も高く、セッションも分かれていることが多いです。

【展示ブース】
企業展示
とにかく規模が大きいです。体験形式やクイズ形式のものも多く、楽しみながら学べるよう工夫がなされています。何年か前は3D眼鏡を装着して喘息患者の気道に入った感覚を味わえる乗り物に乗ったり、今年は閉塞性換気障害の体験をしてきました。気管支鏡や在宅人工呼吸器、排痰装置など、日本では見たこともないような装置や機器類に触れることも楽しみの一つです。

ATSブース
資料やグッズを購入できます。可愛らしいペンやTシャツもあります。患者説明資料や勉強の冊子は勉強になるので、日本語版があればいいのに、といつも思います。

Professional Headshot
ATSブースの近くにあることが多いです。プロのカメラマンが顔写真を撮影してくれます。一カ月程度のちに、データがメールで送られてきます。アメリカでは職場のホームページや履歴書で活用するようです。背景色や顔の角度が独特なので、日本の履歴書などの証明写真としては使用しにくいかもしれません(と言いつつ私は何度か使用しました)。最近は無料で撮ってくれるようになりましたし、一度撮ってみてもいいかもしれません。

【イベント】
開会式
ほとんどの学会で無料、予約不要です。学会初日の夜などに開催され、美味しいご飯や飲み物を片手に交流を楽しめます。

懇親会
有料で、事前予約が必要です。開催国の一流料理を味わいながら、音楽や舞踏、芸術などを楽しむことができて、とても有意義です。もちろん他の参加者との交流もできます。

【配布物】
名札
現地で受付を済ませると、まずもらえます。日本とは違い、(とくにATSでは)各部屋の入り口で警備員が名札を綿密に確認しており、つけていないと入れてくれません。厳しいところでは毎回ピッとスキャンされることもあります。ホテルに置き忘れないようにしましょう。名札にはQRコードがついており、学会専用アプリを用いてスキャンすると、連絡先の交換ができます。名刺代わりなのでしょうが、これを一番活用しているのは企業展示のMRさんです。ブースに立ち寄ると大体スキャンされ、学会後にメールが届きます。後にも触れますが、名札は食事の割引に使えたりもするようです。

Program
受付後、様々な資料の入った鞄がもらえます。なかでもひときわ存在感があるのがプログラムです(写真 左上)。電話帳のように厚く重い割に抄録はほぼ載っていません。付箋を何十枚もつけて上手く活用されている方を見かけましたが(右上)、持ち歩くのも大変なので私は最近はホテルで見ておいて、会場では携帯用の冊子やアプリを活用しています(後述)。膨大な数のセッションから参加したいものを見つけるだけでも一苦労です。例えばATSは基礎研究や小児のテーマも多く、分野名が目立つよう記載されています。まずはこれだけでも見ると、かなり絞れます(Basic/Clinical/Translational/Behavioral/Pediatricなど)。

Clinician Highlights
ATSでもらえるポケットサイズの日程表のことです。各セッションのうち、臨床家にとくに関係するものだけが取り上げられています。日時、部屋、演題名と演者名だけが記載されていて見やすいです。配布資料一式には入っていないこともあるので、受付や窓口、後述のClinicians Centerなどで手に入れましょう。
*APSRでは、小冊子はなく、プログラムを1枚の紙に凝縮して折りたたんだようなものが配布されました。

Roadmap for Early Career Professionals
ATSやAPSRで受付などに置いてある冊子です(写真:中央下)。若手のためのお勧めセッションや、若手だけの懇親会の日時、進路について相談できるイベント、メンター制度、奨学金制度などについて記載されています。

Clinical Year in Review
Year in Reviewのセッションの入口で配布されるA4サイズの冊子です(写真:左下)。COPDや喘息、抗酸菌、腫瘍など、分野ごとに過去1年間の主要文献集と、要点、演者のコメントがまとめられています。途中で足りなくなることが多いので、このセッションはいつも早めに行くようにしています。
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雑誌
その学会が刊行している雑誌の最新号や特別号を自由に持ち帰れます。今回のATSではLancet Respiratory Medicine、JAMAなどまで気前よく置かれていました。会場内の何カ所かに設置されているので、見つけてみてください(写真 左上)。当科の学術担当621号先生はここ一番の興奮を見せていました(写真:右上)。

Daily Bulletin
ATSで毎日発行される新聞のようなものです(写真:右下)。前日のトピックスを振り返り、当日開催される注目のセッションやイベントを知ることができます。出ていないセッションの様子も垣間見れるので、写真と題名だけペラペラっと眺めています(中身は読んでいません...)。
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【アプリ】
その学会専用アプリが無料で用意されています(写真1枚目:右下)。アプリ検索画面で「ATS 2017」などと入力してみてください。テーマや日時、セッションの形式、キーワードなどで検索できます。自分や知人の名前で検索すれば、発表日時も確認できます。興味のあるセッションは登録をしておけば、カレンダーにも反映されるので、とくにATSのように同時進行のセッションが多い学会などでは予定が立てやすくなります。

【食事】
食欲旺盛な私にとって大事なので迷わず書くことにしました。ホテルやレストランなど通常の旅行同様の一般的な食事に関しては割愛します。

学会からの提供
有料セッションに申し込むと、時間帯により朝食や昼食が提供されます。終日のワークショップでは2食出ます。またATSでは参加者同士が交流を深められるようにと、懇親/休憩スペースがいくつか用意されています。Clinicians Center(写真)、Science Innovation Center、International Participants Centerなどとそれぞれ参加者を特定するような名前がついていますが、基本的にどこに入ってもよさそうです(Donors Appreciation=寄付者を称えるスペース以外)。飲み物が一日中用意されているほか、朝食やお菓子類も提供されます。パソコンや電源も用意されているので便利です。
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スポンサー企業からの提供
ATSでは通常のホール/講堂は昼食時は使用されません。企業展示エリアやClinicians Centerなどに仮設された小さめのスペースで昼食(中身は数種類から選べるサンドイッチ、りんご、お菓子など)が配布され、30分程度の講演が行われます。これらの日時や場所は、学会が近づくと日々メールで送られてくるほか、分厚いプログラムにも掲載されています。
APSRでは日本同様、ホールの入り口に並び、お弁当をもらってホール内で食べながら聞く形でした。ここでもやはり、お弁当は数種類から選ぶことができます(写真:右中央~下)。

会場内の飲食店
レストランなどはあまりありません。コーヒーやサンドイッチが買える売店や喫茶店のようなところはあります(左下)。

レストランの予約
会場入り口付近に窓口(Information)があり、食事や観光、ツアー予約など、何かと相談に乗ってくれます(写真:左上)。Restaurant reservationの看板が出ていることもあります。希望を伝えると、お勧めレストランを挙げ、地図やメニューも見せてくれます。その場で予約の電話もしてもらえる上に、学会割引があることもあります。「海辺の雰囲気がいいところで魚料理を食べたい」、「徒歩圏内のカジュアルなところでポークリブを食べたい」、「地元のお勧めを教えて」など無茶ぶりにも快く応えてくれます。外国人の対応に慣れているためか、とても親切です。

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* ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ *

以上、学会参加時のちょっとしたイロハでした。
不備もあるかと思いますので、お気づきの点がありましたらお聞かせください。
それでは、明日から日常診療を頑張れるよう、今夜はゆっくり体を休めたいと思います。

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by res81 | 2017-05-25 22:59 | 学会・研修会 | Comments(0)

ATS③ ~ 学会での意見交換 ~

ワシントンDCより、こんにちは。
ATS(アメリカ胸部学会)に参加させて頂いているスタッフのYです。
学会は早くも3日目が終わってしまいました。

本日の当科からの発表と、3日間を通じての感想をお伝えしたいと思います。
本日のハイライトはなんといっても、我らが団長 Aj先生のポスター発表でした!日本語で表現するのも難しい題材を、英語で、しかも表現豊かに堂々と発表されていました。国内でも、機内やホテルでも深夜まで練習を積み重ねた成果と思います。質疑応答にも笑顔で丁寧に答え、さらに同様のテーマを扱っている他の先生方のところへ出向き、時間の許す限り、互いに発表や質問をしあったり、議論を深めておられました(もちろん全て英語です)。日本では稀少なことも国際学会に出ると類似の報告も散見され、発表者の先生方と意見を交わすこともできます。国際学会に参加するひとつの醍醐味を感じました。
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Aj先生は英語が苦手とのことですが、前向きな姿勢で果敢に取り組むことで、意思疎通はいくらでも可能です。先生は言葉の壁にひるむことなく自ら他の先生方と意見を交わされており、新しいことをどんどん学ぼう、共有しよう、という姿勢に、はっとさせられました。質問をしてくださる方に答えることで満足してしまっていた私にとって、学びの場は開拓していくものなのだと感じさせられました。同じ日程で学会に参加していても、得られるものは自分次第で大きく変わりそうです。これについては後日また共有できればと思います。
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さて、1日目のワークショップですが、Aj先生と621先生が気管支鏡の最新技術を習得されている間、私はPulmonary and Critical Care Reviewsという講義型のものに参加しておりました。これは主に米国で専門医の取得や更新を目指している医師を対象としたものと思われますが、各国から様々な年代の先生方が参加されていました。個人的には、米国の同年代の呼吸器内科医に要求されることはどういうことなのかを知ってみたくなり、他の講演とは違った視点で用意されたこのワークショップを選択しました。

一日で呼吸器各分野の総復習をしながら、新しい知見を学ぶことができました。クイズ形式で自分のスマートフォンやタブレットから回答し、会場内の回答の分布を見ながら、解説をしてもらえる形式でした。クイズ形式のため印象に残りやすく、解説の部分で各分野の最新の知見を学ぶことができるよう構成されていました。参加者も演者らもいつでも自由に発言し、互いに高めあおうとする活発な雰囲気でした。
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また2日目は「ポスターディスカッションセッション」で発表をさせて頂きました。これは、同じテーマの25名のポスターが部屋に展示され、お互いにポスターをじっくり見合ったあと 全員が着席して、座長の先生と参加者で議論を交わす形式です。詳しくはすでに621号先生が書いてくれているので(http://res81.exblog.jp/24216624/)、ここでは個人的な感想を書かせてください。

今回は「COPDの増悪と予後」に関する集まりに入れて頂きました。COPDの死亡率や増悪の予測になり得る肺機能検査や6分間歩行試験、画像検査の所見、バイオマーカーなどが取り上げられました。欧米の方々の積極的な姿勢と、3名の座長の面白い進行も相まって、議論がとにかく白熱していました!なかでもとくに、座長からも聴衆からも、繰り返し聞かれたのがこの2点です:

1.How does that directly benefit our patients?
その情報は具体的にどのように患者さんのためになるのか?
研究が臨床現場で活用されるまでにはもちろん試行錯誤と時間が必要であって、臨床に直結しない段階の研究も多いのですが、どの段階においても、常に「患者さんに直接活かすことができるのか」を問い続ける重要性を認識しました。研究に初めて取り組んでいるからかもしれませんが、うまく発表したくてつい必死になり、「研究のための研究になっていないか」と、ふと我に返ることがあります。目の前の患者さんに、いつどのようにして還元できるかを問い続けながら、これからも研究を深めていきたいと思いました。

2.Is that modifiable?
それは介入(改善)可能なのか?
今回はCOPDの増悪や死亡の危険因子の見出し方に焦点を絞った会でしたので、「その危険因子を発見できたとして、それを改善するような介入が可能なのか?」という意味かと思います。医療経済に厳しい欧米では確かに、介入の難しい危険因子の発見に時間と労力や金銭を費やすことは、推奨しにくいのかもしれません。医療資源に限りがあるのは世界共通です。臨床研究を学ぶ者として重要な視点を教わりました。
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我々の研究は、(とくにアメリカでは)まだ着目されていないテーマであることと、臨床に直結するという点において、高く評価していただきました。呼吸器分野では嚥下はほとんど取り上げられないテーマのため、逆に負の感情なく受け入れていただいたように感じました。介入が可能であるかどうかについては、理学療法や栄養療法の効果が示唆されていますが、自身の実体験で伝えていけるように今後取り組みたいと思いました。

同様のテーマで国内の異なる分野の学会で何度か発表をさせて頂いたのですが、国内外それぞれの場で違う切り口で質問や意見を頂くことができて、とても刺激になりました。あえて慣れない世界へ踏み出すことで開かれる扉がいくつもあるようです。

臨床に全力投球しながら臨床研究をすることは容易ではないことをこの一年間で感じましたが、臨床も研究も互いに補い合うものであることも、今回の学会で認識しました。

我々の発表にあたって、様々な形で支え、ご指導くださった皆様に心よりの感謝を胸に、最後の一日も精一杯 吸収して帰りたいと思います。

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by res81 | 2017-05-23 12:48 | 学会・研修会 | Comments(0)

ATS2017②〜Poster Discussion Session〜

みなさん、こんばんは。
レジデントの621号です。
怒涛の学会2日目が終了致しました。

Poster Discussion Session〜世界にむけての発信〜
本日も我らがY先生の活躍が際立ちました!
今日の目玉はPoster Discussion Session (COPD: Disease Progression and Prognosis)で、25名のCOPDに関する研究をテーマとした優秀なポスターについて深く議論するといった趣向のセッションでした。
Y先生は当科におけるCOPD・嚥下研究の第一人者ですが、当科にいらっしゃってから進められている嚥下研究の成果について世界の先生方と素晴らしいディスカッションを繰り広げられておりました。嚥下評価法に関しては当科では水飲みテスト(WST: water swallowing test)唾液反復嚥下試験(RSST: repeting saliva swalloing test)簡易嚥下誘発試験(SSPT: simpe swallowing provocation test)の3つを用いて評価しておりますが、具体的な評価方法や臨床における意義についての質問などもみられ、嚥下評価法は世界のドクターの間でも認知度はそれほど高くないことを感じるとともに、こういった実臨床へ直結する研究に対する高い興味と関心を感じました。同じ科に所属する一員として、当院からも世界に発信できているという感覚を共有できてとてもうれしく思います。Y先生、発表本当にお疲れ様でした!
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学会参加に際して思うこと
〜「自分が主体となって学び、そして発信する」〜
学会に参加するに際して、個人での参加ではついつい見たいセッションを網羅的に回ることに固執してしまいがちです。私は今回も先輩方の背中を追って参加している形になりますが、世界の先生方との交流したり、自身の成果の伝え方など、毎回こんな学会の楽しみ方もあるのか、と眼が開かれる思いです。
こんな風に後輩に学会の楽しみ方を啓蒙できるような先輩医師となりたいと思うレジデント621号なのでした。
そんな中、医学のみに留まらず知識欲を満たしたいと、本日は世界にむけた知の叡智であるスミソニアン博物館にお邪魔してきました。各人思い思いに展示物を眺めながら、膨大な智を眼前に迎え、智というものの奥深さと幅広さに触れました。そう思いを馳せながら、立ち返ると我々の学会参加も個人の学びの喜びのみならず、自分の成果を世界に発信する悦びで満たしたい思いにかられました。知識人として自己を形成するうえでどちらも非常に重要だと感じます。
FAILURE IS NOT AN OPTION(失敗という選択肢はない)
これはアポロ13号にまつわる有名な言葉ですが、今の私には前進する人類の決意としてしみじみと感じます。
この言葉を胸に今後の医師としての人生を歩んでいこうと思います。

学会参加中の夜は一人で考えるべきことの多さに気がつきます。病棟や外来を守って下さっている呼吸器内科の皆さま・ローテート中の集中治療部の皆さまへの感謝の気持ちに包まれながら今日も夜が更けていきます。
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by res81 | 2017-05-22 16:25 | Comments(0)

抗結核薬を始めたら

こんにちは、こちらスタッフ228号、久しぶりの投稿になります。
新年度が始まって早一ヶ月、今年度は新メンバーも加わり新たな診療体制となり、新鮮な気持ちで日々全力疾走中です〜


さてさて、そんななか、結核性胸膜炎に対する抗結核薬で薬剤性肺障害を発症した疑いのある患者さんに出会いました。


医師として駆け出し早○年、呼吸器内科医としても○年が経ち、抗結核薬もそれなりに使用してきたつもりでしたが、多くの結核治療は近隣の結核病院に依頼しているため、小生「初期悪化」の経験はなく、ましてや抗結核薬による薬剤性肺障害を疑う患者さんは初めてでした。


そんなこんなで本日の臨床疑問は・・・


①そもそも抗結核薬で肺障害になる割合ってどれくらい?
②初期悪化との鑑別はできるの?
③薬剤性肺障害(あるいは初期悪化)に対してステロイドを使った場合、結核性胸膜炎は悪化する?


本日はこの3本をお送りします←サザエさん風(笑)


①そもそも抗結核薬で肺障害になる割合ってどれくらい?


さっそく調べてみましたが、INH(イソニアジド)やRFP(リファンピシン)でcase reportが散見される程度、EB(エタンブトール)でも一応ありました。どの論文でも「稀」と記載されており、正確な頻度は分かりませんが、頻度としてはかなり低いようです初期悪化との鑑別に悩んだけども、呼吸不全が進行したため、抗結核薬を休薬したところ改善した症例、休薬のみで改善せずステロイド投与を要した症例、なかには減感作で被疑薬も再投与可能だった症例も報告されています。


②初期悪化との鑑別は??


「初期悪化」とは、抗結核薬開始後に、結核に対する効果は得られている(喀痰中の結核菌は減少あるいは陰性化)にも関わらず、もともとの病変が悪化したり、新たな病変が出現したりする現象のことです。抗結核薬で急激に死滅した大量の結核菌の菌体に対する局所アレルギーによるとの考えが支持されています。そのため、もともとの病変周辺のみならず、病変から離れたところに出現することもあります。もともとあった病変(肺結核や結核性胸膜炎による胸水)が悪化するという経過であれば、初期悪化を疑いやすいですが、もともと肺病変がなかった(あるいは目立たなかった)患者さんに、新たな肺病変が出てきた場合、これは頻度が低いとはいえ、薬剤性肺障害を鑑別に入れざるをえませんし、その鑑別ってムズカシイですよね・・・今回の患者さんもまさにそういった状況でした。ちなみに、結核自体が悪化している可能性も、一応頭の片隅には入れておかねばなりません(特に薬剤耐性が多い国出身の患者さんなど)。


「初期悪化」と「薬剤性肺障害」に関して、既報をもとにまとめてみましたので、ご参考いただけたらと思います。

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現実的な対応としては、抗結核薬開始後に新たな陰影が出現した場合、呼吸状態を含む全身状態がそこまでひどくなければ抗結核薬を継続しながら慎重に経過観察を行い、それで悪くならなければ「初期悪化」と診断、悪くなるようなら「ひどめの初期悪化」もしくは「薬剤性肺障害」を念頭に、抗結核薬の中断、気管支鏡を行いステロイド導入を考慮する、といったところでしょうか。気管支鏡検査のタイミングがキーになるでしょうか。


③薬剤性肺障害(あるいは初期悪化)に対してステロイドを使った場合、結核性胸膜炎は悪化する?


結核とステロイド・・・


みなさんはどう思われるでしょうか?


ステロイド使ってたら免疫が落ちて、そりゃ結核のリスク上がるでしょ。だったら、結核性胸膜炎だって悪くなるでしょ!!


なんて声も聞こえてきそうですが、結核感染の重症例では、その治療の隠し味的に(主に症状緩和)、ステロイドを投与することがあったりします。ニューモシスチス肺炎のときに、菌体に対して激しく働きかけてる自身の免疫を抑えてあげるべく、ステロイドを投与することがありますが、そんなイメージです。また、米国CDCのガイドラインやUpToDateでは、心膜炎や髄膜炎など中枢神経系結核の場合にはステロイドの併用が推奨されています。胸膜炎に対しては推奨されていませんが、過去には、ステロイドで胸膜炎による自覚症状が軽減したり、胸水の再吸収が促進されたとする報告もあるようですので、薬剤性肺障害に対するステロイド治療が、結核性胸膜炎をいい具合に抑えてくれる可能性はあるかもしれません(もちろん結核治療の再開をどこかでしなければなりません)。


問題は、ステロイドで肺障害が落ち着いたとして、しばらくステロイドを継続していかねばならない状況のなかで、当初は肺外結核だったにも関わらず、経過中に肺結核を発症してしまう、つまり排菌してしまう可能性があることです。これはもう気をつけていくしかありません(T T) 細めに画像フォローを行いつつ、怪しければすぐに喀痰検査、怪しくなくとも定期的に喀痰検査をしておいたほうがよいかもしれません。


さて、臨床疑問を挙げてはみたものの、われながらモヤっとする答えだなぁと思うところも無きにしもあらずですが、今日はこの辺で。結核診療を多く経験されている先生方のご意見などいただけたら嬉しい限りです。。。。


参考:
【結核性胸膜炎、初期悪化】
  • UpToDate® “Tuberculous pleural effusion”
  • 肺病変の乏しい結核性胸膜炎の初期悪化 日呼吸誌 2014;3:116-120.

【INH肺障害】
  • 減感作で再投与可能だったINH肺障害 日呼吸会誌 2004;42:649-654.
  • INHで誘発されたHPパターンの肺障害 Respir Med Case Rep. 2016.18:78-80.

【RFP肺障害】
  • 結核 2011;86:473-476.
  • Thorax. 2002;57:1000-1001.
  • Intern Med. 2013;52:473-477.

【EB肺障害】
  • J Allergy Clin Immunol. 1997;100:712-713.



P.S.
いつもブログを応援してくださっているK先生、先日の呼吸器学会総会でお会いできて嬉しかったです。またお会いできるのを楽しみにしています〜☆




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by res81 | 2017-05-02 02:17 | 抗酸菌 | Comments(1)

"Imaging in Hawaii"参加報告

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スタッフのTBです。

皆さん年度末で慌ただしい日々かと思います。

そんな中、他のスタッフに迷惑をかけつつ、3/21-24の日程でハワイ州・カウアイ島で開催されたCPEP(NPO法人 個別化医療教育推進センター)主催の“Diagnostic Imaging Update: Imaging in Hawaii”に参加させて頂きました。

これは米国の医師を対象とした画像診断セミナーで、私は“Imaging of Cystic Lung Diseases”というタイトルで1枠担当させて頂きました。
以前国内留学をさせて頂いておりました、大阪大学放射線医学統合講座の富山教授のご厚意により実現したもので、感謝してもし足りません!いつも本当にありがとうございます。

さて、これまで30-40分程度の海外での講演は経験がありましたが、すべて自分の研究成果を話すものでした。セミナーは初めてで、いつもと違ってかなり緊張しました。セミナー前日は丸一日準備にかけて、まるで修行の様でした(外は最高の天気で全米No.1ビーチも目の前だったのですが…)。当日会場に行くと意外と広く、120名程のDrが参加されていました。セミナー自体は無難に(?)出来たような…という感じでしたが、もっと英語を頑張らなくては…。ともあれ、Stanford大学の先生方とディスカッションする時間も持てて、光栄かつ勉強になりました。
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カウアイ島は手つかずの自然が多く残っていて、数々のハリウッド映画の撮影地になっていることで有名です。セミナー後に慌ただしく名所を見て回り、帰国の途につきました。
仕事でこのような場所に来れるなんて、何事も地道に続けてみるものだな、としみじみ思いました。
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大切な患者さん方から頂いた貴重なデータや教訓を世界の人々と共有することで、少しでも患者さんとともに医学に貢献できれば、と思っています。

また現実に戻ります!


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by res81 | 2017-03-25 14:44 | 科の紹介 | Comments(0)

2017年1月~2月の活動報告

お久しぶりです。
スタッフのTBです。

あっという間に1月が行き、
2月が逃げてしまいました。

1月~2月初旬にかけて、当科では入院患者さんの最多記録を日々更新し、一時は呼吸器内科のベッド数が120に達しました。
本当に大変な状況でしたが、過去最高・最多のメンバーが頑張ってくれ、乗り切ることが出来ました。彼ら・彼女らをとても頼もしく、誇らしく思っています。

一生懸命診療に当たる現場の人間が最も貴い、と私は思っております。彼ら・彼女らにきちんと光が当たるよう、様々な試みを実現させるのが今年の目標です!

さて、忙しい中にもいろいろな活動を続けておりました。下記は私の備忘録です。
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1月
・久留米大学での研究ミーティング
  藤本教授、いつもありがとうございます!
・Nivolumab全国講演会 in 東京
・Ir-AE講演会 in 飯塚 九州大学 中西教授
  気さくにお話し頂き、ありがとうございます!
・大阪びまん性肺疾患研究会 
  上甲先生、藤本先生、研究のご相談にも乗っていただき
  ありがとうございます
・フルティフォーム講演会 in 飯塚
  広島の保澤先生にお越しいただきました
  臨床と研究のバランスが素晴らしく、そのお人柄にも感激です!

2月
・福岡呼吸器カンファレンス 
  228先生、コメンテーター完璧でした!
・気胸嚢胞性肺疾患スタディグループ勉強会
  玉川病院気胸センターの溝口先生と研究のご相談をさせて頂きました
  よろしくお願いします!
・筑豊重症研究会
  福岡大学の渡辺先生、素晴らしいご講演ありがとうございました!
・北九州呼吸器疾患研究会
  Aj先生、発表がこなれてきてますね~
・第5回JHNセミナー
  当院の総合診療科と共催させて頂きました!
  全国から100名以上の先生方にお集まりいただき、
  また沖縄県立中部病院の喜舎場先生と一緒に講演させていただき、
  とても楽しかったです!
  総合診療科の吉野先生、お疲れ様でした!
・北九州胸部疾患研究会
  GSnow先生、ミニレクチャーお疲れ様でした!良かったですよ~
・飯塚医師会呼吸器疾患研究会
  Mine先生、発表お疲れ様でした!良かったらしいですね!
・画像医学会 in 東京
  朝から晩まで間質性肺炎尽くしで、とても勉強になりました。
  夜の若手(?)パーティーも最高でした!  
・兵庫大学生理学教室 越久教授をお招きしての研究打ち合わせと
 嚥下性肺疾患についてのご講演&懇親会
  いよいよ新しい研究のスタートです。
  とても楽しみで、ワクワクしております!
  越久先生、遠くまでお越しいただきありがとうございました!
・神奈川循環器呼吸器病センター 小倉先生をお招きしての
 間質性肺炎勉強会 
  とうとう小倉先生をお招きできました!
  著書まで頂き恐縮です。
  懇親会もとても楽しかったです! 
  ありがとうございました!
・第6回IKB81 
  北九州総合病院と飯塚病院の呼吸器内科カンファレンスです
  凝ったプレゼン対決でした!
・九州びまん性肺疾患研究会
  今回はプレゼンを横目に、ひたすら病理を長崎大学橋迫先生に
  教えて頂きました。
  勉強になりました!  

3月
・飯塚病院 留学委員会
  来年度、当科のスタッフを3名院外研修に出すためプレゼンしました。
  上手くいきそうです~
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この他にも、嚥下医学会でのメンバーの発表もありました。

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(写真はこのシーズン5回食べた水炊きです)

3月中旬には228先生がびまん性肺疾患会の大御所とMDDを行う重要な研究もありますし(こんな日が来るとは…)、私自身も海外での教育講演が控えております(大阪大学の富山先生、ありがとうございます。緊張しております…)。

4月の呼吸器学会学術講演会では、当科から5演題出したうちの1演題が学術部会賞選考講演に、2演題がミニシンポジウムに選ばれております。また、ポスター2演題も面白い結果が出ており、当日のディスカッションが楽しみです。さらに最終日の症例検討会でも当科が1症例プレゼンすることになっており(亀田総合病院の青島先生、ありがとうございます!)、初日から最後までメンバーが大活躍です。


さて本日は呼吸器学会九州地方会、発表のメンバー頑張ってきてください!


今後は皆の活躍の様子をリアルタイムでお届けしたいと思います~!(できるだけ…)
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by res81 | 2017-03-11 09:16 | 科の紹介 | Comments(0)

JHN第5回

総合内科医のための画像パターンから迫る急性呼吸器疾患をテーマに先日218日に第5JNHセミナーを当院総合診療科と一緒に開催させて頂きました。

当科から

・スリガラス影

・コンソリデーション

・結節・粒状影

のテーマで3つのレクチャーを行いました。

本来は病歴から鑑別を考えるのでしょうが、今回は「画像から迫る」をテーマに、そして総合診療医などの一般医が遭遇することを考えて、「急性期亜急性期」にしぼっておりました。スリガラス影・浸潤影については、区域・非区域から、粒状影については小葉中心性・リンパ行性・ランダムに分けてVINDICATEも用いて鑑別疾患を挙げていく。日常臨床でもなかなか難しいものです

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午後は、小グループに分かれて、当科スタッフ含めて、ファシリテータを。。。呼吸器内科では、「区域性の〜」「小葉中心性の〜」と言って伝わることも、他科の先生方への説明は難しいものです。きちんと理解をしていないと伝わらないということを感じました。

遠方から来ていただいた先生方に少しでも伝わっているといいなと思います。

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by res81 | 2017-02-27 12:36 | 学会・研修会 | Comments(0)

国際学会APSRに参加しております④〜ERS Handbook Award〜

APSRも最終日を迎えました。微笑み隊です。
懇親会でAwardの発表などがありましたが、私達も全員ERS Handbook Awardに表彰していただきました。これを励みに明日からの診療も頑張りたいと思います。
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ACOS: does it exist?
本日は「ACOSは存在するのか」というディベートがあり、イギリスの先生方によるテンポの良いやり取りに聞き入ってしまいました。
ACOS肯定派
まずACOS肯定派の先生による演説がありました。 初めに、ACOSという言葉だけが一人歩きをして、ACOSと呼ばれている集団が非常に多様であるという問題点が挙げられました。曖昧な呼び名であるため、なんとなくACOSという診断になっていることや、ICSを処方するためにACOSという診断名がつけられている場合もあります。ACOSに関する研究においても定義や対象集団が大きく異なるため、今もACOSの頻度や予後が定かでないことが問題です。しかし実際に喘息とCOPDの両方の特徴を有する病態があり、病状のコントロールや予後にも関与するため、純粋な喘息やCOPDとは区別する必要があります。コペンハーゲンで行われた長期観察研究によると、ACOSではCOPD単独と比較して症状や発作がより多いのみならず、FEV1の低下速度が速いことがわかっています。その低下速度は喘息の発症年齢によって異なり、中高年で喘息を発症した患者では、その後の年間FEV1低下率が顕著に大きい傾向にあります。一方で、小児~若年発症の喘息を合併しているCOPDは呼吸機能の低下は通常のCOPDと大差ありません。ACOSという言葉に惑わされて、喘息あるいはCOPDの鑑別を丁寧に行うことを忘れてはならないという教訓が印象的でした。
ACOS否定派
一方でACOS否定派として登壇された先生は、ACOSという症候群として扱うことで多様な集団を単一化してしまうことを危惧しておられました。喘息とCOPDでは病態が全く異なります。例えば気道閉塞の機序が、喘息では気管支収縮、発作時の気道浮腫、粘液塞栓、構造変化(不可逆性の線維化)であるのに対して、COPDでは末梢気道の線維化、気腫、粘液分泌、増悪時の気道浮腫が原因となります。また病理学的、免疫学的、遺伝子的にも異なることが分かっています。 喘息とCOPDが重複する部分があることは確かです。例えば喘息患者で好中球性炎症を有する、あるいは常時閉塞性障害がある場合などがこれにあたり、ステロイド反応性が乏しいのです。またCOPD患者で好酸球性炎症を伴う場合は可逆性やステロイド反応性が良好です。 つまり喘息とCOPDは全く違う疾患であって、ACOSと呼ばれている集団はこれら2疾患を合併しているというのです。重要なのは、両疾患がどのように重複するかが患者によって異なるため、一つの症候群としてまとめるのではなく、ACO (Asthma COPD Overlap)として、Overlapの仕方について議論を深めることです。

両先生とも、喘息とCOPDの両者の要素が重複した重症な患者がいることを認識することの大切さについては同じ意見であるとのことでした。会場を巻き込んだ議論の中で、喘息とCOPDを合併する患者をきちんと見極めることと、彼らを診療する上で我々が主治医として責任をもって臨床研究や薬剤開発を手掛けていくという点で全体的な見解は一致していたようです。現時点では重複の様式によって治療が大きく変わらないかもしれませんが、まずは丁寧に診断を下すことで臨床研究にもつながるということがわかりました。

ディベートは一つのテーマに関して様々な角度から意見を聴くことができ、その分野の理解が相乗的に深まるいい機会だと思います。海外学会に参加される特に若手の方におすすめのイベントだと思いました。
APSR全4日間の日程を終え、これから帰路につきます。病棟を守ってくださった先生方には感謝してもしきれません。本当に素晴らしい経験をさせていただきました。帰国後は今回の経験を臨床に還元しながらお返ししたいと思います。
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by res81 | 2016-11-18 16:30 | 学会・研修会 | Comments(0)