飯塚病院呼吸器内科のブログ
by res81
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福岡県の飯塚病院呼吸器内科のブログです。

呼吸器内科スタッフ10名+呼吸器腫瘍内科スタッフ1名+後期研修医4名(H29年4月現在)で、日々楽しく頑張っています。
大学の医局に関係なく、様々なバックグラウンドのドクターが集まっています。

飯塚病院呼吸器内科では、後期研修医やスタッフを募集しています。ご興味のある方は
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タグ:呼吸器内科 ( 63 ) タグの人気記事

第27回九州臨床画像解析研究会 & 北九州呼吸器疾患研究会!

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スタッフのTBです。

去る10月24日(金)のことです。
当科は大忙しでした。

その理由は・・・
「第27回九州臨床画像解析研究会」を主催
しつつ、
「北九州呼吸器疾患研究会」で発表&座長
を同時にこなしたからでございます。

「九州臨床画像解析研究会」(@飯塚)ですが、
これは3年前から当科で年に2回主催させて頂いている研究会です。
私が東京や大阪で働いていた頃、
大変有難いことに胸部画像領域の我が国トップの先生方とご縁があり、
研究についてご指導を頂けるようになりました。

飯塚病院で働く様になってからも引き続きご指導を頂いており、
飯塚まで年に2回来て頂ける事となりました。
徐々にご参加いただく先生方が増えて豪華になり、
大阪大学、久留米大学、長崎大学、熊本大学、昭和大学、
九州大学、福岡大学
などから、
放射線科医、病理医、呼吸器内科医が集まり
ディスカッションできる場となっています。
更に今後もディスカッサーは増える予定で、
とても楽しみです。

また、一般向けの講演も非常に面白く、
聴衆も回を重ねるごとに増えています!
次回は平成27年5月15日(金)の予定です。
ご興味のある方は是非ご連絡ください。


「北九州呼吸器疾患研究会」(@小倉)では、
当科のJMMY先生が「RPGNに合併する肺病変の検討」
を発表してくれました。
大変良い発表で、質問も飛び交っておりました。

特別講演では私が座長を務めさせていただき、
日本医大呼吸器内科教授の吾妻先生より、肺線維症の病態から創薬まで、
大変すばらしいご講演を拝聴する事が出来ました。
「肺活量の減少抑制だけではなく、
 合併症の抑制などの他の効果にも目を向けるべき」
「Reverse translation」

というメッセージが心に残りました。

その後博多に移動し、
九州臨床画像解析研究会の世話人の先生方と当院のスタッフで懇親会!
日本、いや世界のトップの先生方と直にお話しでき、
気軽に色々な事を教えて頂ける機会はそうそうありません!
思わぬ国内留学も決まったりしておりました。
ダイナミックな人材交流、本当に素晴らしいです。

こういう所から新しい事が生まれるのだろうな~、と思います。
本当に楽しく、勉強になりました。

ご参加いただいた先生方、本当にありがとうございました。
当科スタッフ&秘書さん、お疲れ様でした。

またモチベーションを新たに、
飯塚からエビデンスを発信できるよう頑張ります!

最後に、飯塚病院呼吸器内科はこのような取り組みをしている、
民間病院かつ非医局関連病院としては、珍しいところです。
ご興味のある先生がおられましたら、是非ご一報ください。
一緒に楽しく働き、学んで行きましょう~!



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by res81 | 2014-10-28 07:23 | 科の紹介 | Comments(0)

第15回東京びまん性肺疾患研究会を経て〜間質性肺炎つれづれ

どうも、スタッフ228号です!!
早起きが苦手なぼくですが、先週土曜日に早起きをがんばって(笑)朝一の飛行機で東京の研究会に参加してきました〜☆
いわゆる「東京びまん」です。この「びまん(間質性肺炎などびまん性肺疾患のこと)」の研究会は、全国各地でちらほら行われており、今回初めて東京びまんに参加させていただいたんですが、やっぱり東京はすごいですね!朝から夕まで、昼食のちょっとした休憩時間以外、延々と症例をみていき(約30症例)、日本のびまんのトップの先生方が繰り広げるアツいディスカッション・・!途中ぼーっとなってしまう瞬間がないわけではないですが(^_^;)おもしろかったです〜


さて、そんな今回のテーマは

「HRCTで蜂巣肺を認めないIPFにおける臨床画像病理診断」


特発性肺線維症(Idiopathic pulmonary fibrosis; IPF)は、肺の構造が壊れてしまい、あたかも蜂の巣のような穴がぽこぽこと空いてしまう病気で、一般的には進行性と考えられており、時として急性増悪(感染症などを契機に急激に呼吸状態が悪化していまう状態)を来たすことが知られています。この蜂の巣構造=蜂巣肺(honeycomb)が、いわゆるUIP(Usual interstitial pneumonia)と呼ばれるパターンの特徴なわけですが、UIPパターンを来たす原因はいろいろとあり(リウマチなど膠原病、慢性過敏性肺臓炎、石綿肺など)、はっきりとした原因が分からない(=特発性)ものをIPFといいます。

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※ 写真の蜂の巣は、佐賀大学の先輩で、今イギリスに留学中の江頭先生の自宅で採取された本物です、掲載の許可いただきました(笑)イギリスのスズメバチも、まさか自分の住処が、こんなところで公開されているとは夢にも思わなかったでしょう(笑)それにしても、本物の蜂の巣って、すごいきれいにできているんですねぇ


さて、蜂の巣構造が最初からあれば分かりやすいのですが、なにも最初から蜂の巣なわけではありません。それは、こちらの記事もチェック!!(自分が書いた記事ですけど何か?笑)この記事でも取り上げているのですが、CTで見ると、ちょっとしたすりガラス陰影なんですが、肺生検をして病理組織を見てみると、けっこう肺の構造が壊れていて線維化が進んでいて、顕微鏡的には蜂巣肺を呈していたりするんですね。ちょっとした陰影だど、まさか蜂巣肺だなんて認識されていないことがある、ということです。ただ!!こういう方が、先々進行していくのかというと・・・・それは必ずしもそうじゃないようなんです。一律の経過ではなく、いろんな経過があるんです〜


ということで、今回の東京びまんでは、4年前のこの会のときに、CTではっきりと蜂巣肺が分かるような典型的なIPFではなくて、すりガラス陰影やら網状影やらが主体で、肺生検を行って病理学的にも検討され(顕微鏡的蜂巣肺を含め)、臨床医と放射線科医と病理医とみんなで話し合った結果、これは現時点ではIPFの診断にしよう、といった症例約30例を対象に、その30例がその後どうなっていったかを、改めて検討する会だったのです!なかなかこんな機会はないぞと、がんばって早起きしたわけでした。


どんな経過をたどるのか、少し紹介したいと思います。


CTの変化としては、やっぱり数年の後、蜂巣肺が顕在化した群のほか、穴は穴でも、蜂の巣構造というより気管支が拡張した所見(牽引性気管支拡張)が主体な群や、何年経っても画像的にはあんまり変わらない群。また、典型的な蜂巣肺は、下葉背側(背中側)に多いわけですが、背中側ではなくて、頭側に目立って出てきたり。そして、なぜか背中側は、穴ではなく、すりガラス陰影が拡がっていたり(いわゆるNSIPパターンに類似)。さらには、蜂巣肺でも気管支拡張でもない嚢胞を伴っていたり。画像の経過は、とにかく多彩〜っ


そして、この病気の理解を難しくしているのが、CTの経過と臨床症状、経過、病理組織所見とが必ずしも相関しないということ。ある症例では、徐々に進んで最終的に急性増悪を来してしまったり、かと思ったら、頻回に急性増悪を来たすような活動性が高い症例があったり。病理所見からは活動性が高そうなのに、その後あまり進行せずに経過する症例があったり。。。。もっとより多くの症例が集まって検討されると、また何か見えてくるのかもしれませんが、現状では、とりあえず経時的に肺の構造が壊れていく人(蜂巣肺や気管支拡張や嚢胞などひっくるめて)は、やっぱり予後が悪そう、ということだけはたしかなようです。


どういう方々の肺が壊れていきやすいのか、まだまだ今後の課題ですね。


ちなみに、一度急性増悪を来たしてしまうと、その後も繰り返しやすく、予後に影響してしまいます。COPDの急性増悪と同じような感じですね。急性増悪を来たしやすい群を、より早めに見つけること、これもまた課題です。


とにかくIPFという病気の多様性、奥深さを実感した会でした。どこまでをIPFとするのか(IPFの亜型とするのか)、はたまたIPFと別の疾患とするのか。ひとまず、現状ではIPFの診断閾値を低くしておいて、なるべくIPFとして治療(抗線維化薬やアンジオキナーゼ阻害薬など)や臨床試験に参加できる機会を増やす、そうして得られたデータをもとに、疾患概念を再構成していくことが重要なように思われます。特に日本では、CTが日常的に頻繁にとられることもあり、症状が乏しいかなり早期の時点で間質性肺炎が見つかることが多いようです。間質性肺炎がどういう風に進行していくのか、どういう人にどういう治療を選択していったほうがよいのか、日本から発信できるかもしれません。


と、言うは易し、行うは難しー


早期に間質性肺炎が見つかっても、自覚症状が乏しいと、通院すら続かない現状があります。また、巷では、間質性肺炎はどうせ治らない病気だから、ということで放置されていたり、結局ステロイドしかないでしょ、ということでなんとなくステロイドが始まってしまったりすることもあるようです。ぼくたち呼吸器内科医も、早期の間質性肺炎に、症状が乏しいのに治療するの?けっこう治療費かかるよ!という現実的な問題にも直面するわけで・・・


この領域、まだまだ課題が多い分野です。「間質性肺炎」という病気を世の中にもっと周知させて、治療や臨床試験を、なるべく多くの患者さんが受けることができるように、そんな体制が作れればと思います。


以上、一般呼吸器内科医の独り言でした!!
長々と読んでくださった方、ありがとうございます。何かご意見やアドバイスなどあれば、お願いします〜


そういえば今週末は福岡びまん!!びまん尽くしです・・・笑






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by res81 | 2014-10-20 02:26 | 間質性肺炎 | Comments(0)

重症喘息に対するmepolizmab

スタッフのTBです。

Journal watch、今月号のNEJMより。

喘息ではサイトカインをターゲットにした抗体治療が増えてきています。

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     (Medscape, Semin Respir Crit Care Med 2012より)
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       (医学のあゆみ 2011;238(6):701-6より)

抗IL-5抗体であるmepolizmabの重症喘息に対する効果が今月のNEJMに。


Mepolizumab treatment in patients with severe eosinophilic asthma.N Engl J Med. 2014 Sep 25;371(13):1198-207.


プロトコールはこんな感じです。

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各群のプロフィールにばらつきはありません。
増悪抑制効果が確認されました。
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プラセボと比較し、患者さん一人当たり年間に1回くらい発作が減る、という結果。

ここでは省きますが、呼吸機能・QOL・コントロール率も改善しています。

副作用も問題になるものは認められませんでした。


また、同号に内服ステロイドの減量効果も報告されています。

Oral glucocorticoid-sparing effect of mepolizumab in eosinophilic asthma.N Engl J Med. 2014 Sep 25;371(13):1189-97.


EGPA(Churg-Strauss症候群)にも効果が報告されている薬剤であり、市販が楽しみです。




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by res81 | 2014-09-30 07:00 | 喘息 | Comments(0)

CA19-9と呼吸器疾患

飯塚の皆様お元気ですか?GSnowです。
 先日ミュンヘンでのERSの学会も無事終わり、そのまま3か月間の大阪で研修を行っております。初の英語の発表は非常に緊張しましたが、皆様やさしく、大変貴重な経験をさせていただきました!!
 今週末は神戸であった放射線秋季大会+AOCRに参加して参りました。呼吸器内科とは視点が少し違って興味深かったです。

 さて、先日読影をさせていただいている患者さんで、腫瘍マーカーCA19-91000U/mlと上昇していた症例があり、腹腔内に腫瘍はなく、全身評価目的のCTを撮影されていました。学会でも同じような症例があったので調べみました。

CA19-9(正常値37U/ml以下、2倍以上上昇で異常)
1979年Koporowskyらがヒト大腸癌培養細胞株SW1116をマウスに免疫して作成したモノクローナル抗体(NS19-9)が膵臓癌患者の血清にも強く反応することを見出したことによって発見された糖鎖抗原である。
膵臓癌、胆管癌などの消化器原発の癌で高値をとることが知られているが肺癌、乳癌、子宮癌でも高値となることがある。また、AtkinsonらによるとCA19-9は膵管上皮や肝内胆管上皮、胆嚢上皮、胃粘膜上皮、気管支腺、唾液腺、胃、大腸、前立腺の上皮などの正常組織にも分布しており、健常者の血清中にも分子量約20万の糖蛋白として存在する。

CA19-9と肺癌
原発性肺癌では陽性率は30%と言われ、CA19-9が高値を示すのは腺癌に多く、その中でも乳頭型や気管支肺胞型に多く、肺癌におけるCA19-9の上昇は1000U/ml以上となるものも報告されている。関根らの報告1)では、20例中すべて腺癌であり、cStageⅢ以上が90%を占めていた。
1)CA19-9産生を示した胸壁浸潤性肺癌の1 例(肺癌.2005;45:839-843)

CA19-9と良性肺疾患
良性疾患でも上昇する報告はあり、胆石症、胆管炎、卵巣嚢腫などがある。呼吸器疾患においては、特発性間質性肺炎、びまん性汎細気管支炎、気管支拡張症、気管支嚢胞、結核、非結核性抗酸菌症、珪肺などがあげられる。陽性率は80%以上と高値であるが、測定値の上昇は軽度であることが多い。戸谷らの報告2)では、NSIP患者での血清CA19-9を測定しているが、値は1000U/ml以下であり、疾患活動性マーカーとされる血清LDH, KL-6, SP-D, 胸部Ga-67シンチとは相関を示さなかったとしている。

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2)病理組織学的に非特異的間質性肺炎所見を呈した間質性肺炎患者におけるCA19-9 についての検討(日呼吸会誌43(2),2005.)
非結核性抗酸菌症の症例では、1222U/mlと上昇する報告もあるようです。
3)孤立陰影と高CA19-9血症の非結核性抗酸菌症(信州医学雑誌 56(6): 365-370(2008))    

結局、CA19-9が上昇しているだけでは、なにも言えず。もちろん癌のスクリーニングだけはしておかないといけないとは思いますが。。。ちなみに膵炎ではCA19-9 50000U/mlまで上昇することもあるようです。
近年、人間ドックや検診で腫瘍マーカーを測定する機会が増えており、CA19-9が上昇している原因として肺疾患も考えなくてはいけないこともあるかもしれませんね。

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by res81 | 2014-09-28 21:25 | 学会・研修会 | Comments(0)

リウマチとMTXとPCPと淹れたてコーヒーと・・・

久しぶりの更新になります、スタッフ228です。
みんなががんばっているのをいいことに、ちょっと更新をサボりがちになっておりましたが、心に留めている書きたいネタはあるんです!なんか言い訳みたいですが・・・笑

前置きはさておき、今日はつい先日まで当科をローテーションしてくれて、ぼくの拙い指導のもと、昼夜を問わずがんばってくれた研修医のS先生が最終プレゼンをしてくれました。当科では、通年で2年目の研修医の先生がローテーションしてきてくれます。7〜8週間という、あっというまのローテーションではありますが、どの先生も一生懸命がんばってくれるので、ぼくたちもそれに応えようと必死です(笑)2年目の先生方のアツい気持ちは、自分たちに初心を思い出させてくれたり、今まで気付かなかったような疑問を投げかけてくれたり、とても刺激的でもあります。今日はそんな刺激をビシビシ与えてくれたS先生のプレゼン!
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テーマは、

リウマチとメトトレキサート(MTX)とニューモシスチス肺炎(PCP)

リウマチの治療としてMTX(と少量ステロイド)を使用していた患者さんに発症したPCPの症例を、実際にローテーション中に担当してもらったわけですが、症例の発表とともに症例から学んだこと、疑問とその考察をプレゼンしてくれました!

ということで、自分自身も今回 改めて、リウマチ、MTXに関連したPCPについて勉強し直したのですが、この分野、勉強しがいがありますね〜
おもしろい分野ですが、うーん、やっぱり免疫系はムズカシイと痛感します。
以下、つれづれなるままに書いていきます。。。


PCPは大きく二つに分類されます。HIVに関連したPCPとそうでないPCP(non-HIV PCP)です。HIV関連PCPは、当院でも年に1〜2例程度でしょうか、時折散見されますが、最近ではnon-HIV PCPが増えてきているように思います。

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(S先生プレゼンスライドより)

この図のように、Non-HIV PCPは、病原体自体はさほど多くないにも関わらず、重篤化することが知られており、それは、病原体に対して免疫が過剰に働きすぎてしまい、結果肺障害をよりひどいものにしてしまうから、と考えられています。ステロイド剤や免疫抑制剤がPCPのリスクに挙げられ、そういった薬剤を使用する自己免疫疾患(リウマチを含む) で、特にPCPの発症に注意が必要なわけです。


この文章、どこか矛盾を感じませんか・・・??


ステロイドや免疫抑制剤で免疫がおさえられているはずなのに、免疫が過剰に働いて肺障害をひどくしてしまう・・・


今回、S先生がプレゼンしてくれた症例は、実はMTXの副作用で血球が減少していました。リンパ球数自体は保たれていたのですが、好中球数が明らかに低かったのです(600/μL)。この状況下で肺炎になったわけですから、抗癌剤治療をしている立場の人間からすると、いわゆるFN(発熱性好中球減少症)に近い状態なわけで、ともすると広域抗菌薬を投与しながら、G-CSFを使用して好中球を増やしてもいいかな、と思ってしまいたくなるような状態。ただ、今回は病歴と画像所見から明らかにPCP(もしくはMTXによる肺障害)を疑う状況だったわけで、そこで思いました。このまま好中球が少ないままのほうが、過剰な免疫が誘発されにくく、軽くて済むのでは・・・


ST合剤とステロイドによる治療を行い、患者さんは無事に軽快しました。G-CSFなどは使用せず、血球も自然に回復していきました。


S先生が言いました。
「先生、non-HIV PCPって、もっと重篤で致死的かと思ってたんですが、なんか案外軽症でしたね」


ぼく「・・・・」


い、いや、なんか違う。non-HIV PCPは軽症と思って油断しては駄目なはず!今まで自分が経験してきたステロイドを契機としたPCPはとても重篤だったし、一般的にHIV PCPと比較して重篤と言われているじゃないか、油断しちゃ駄目だ〜


あれ、でも、たしかに本症例は、どちらかといえば軽症だ・・・??


MTXは、葉酸代謝を阻害し、核酸ならびにDNAの合成を阻害することで、DNAの複製、細胞増殖を抑制する薬剤です。免疫抑制剤というよりも、いわゆる抗癌剤により近いと考えられます。リウマチに対しては、免疫細胞を抑制し炎症をおさえることで効果を示すようですが、細かい機序ははっきりとは分かっていないようです。リウマチという複雑で特殊な免疫機構をもつ疾患に、このMTXを使用することで、抑制が優位な免疫系(PCPが発症しやすくなる)とあんまり抑制されない免疫系(むしろ病原体に対しては過剰に働きPCPを重篤化する)とが生じ、そのバランスによって、重症度が決まってくるのでしょうか・・・

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これは、あくまで自分の頭の中のイメージです。悪しからず。


ちなみに、リウマチでMTXを使用している方のなかでは、高齢の方のほうが、よりニューモシスチスの定着(colonization)がみられるようです。そして、その後、実際にPCPを発症する方もいるようです。


リウマチにMTXがどういう機序で働いているのか、PCPの発症機序、重症度がどうやって決まるのか、今後さらに解明されていくことに期待したいと思います。

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こちらはS先生が、最終プレゼンにあたって、ぼくたち聴衆のために、自ら準備したオススメのコーヒー豆を自ら挽いているところです。
おもてなし精神さすがです☆☆☆
さあ、また明日からもがんばりましょう〜





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by res81 | 2014-09-26 04:03 | 真菌症 | Comments(0)

ERS2014日記③

スタッフのTBです。

すこし遅くなりましたが、ERS日記、最後です。

最終日は少しだけミュンヘン市内を観光し、お土産を買いました。
ミュンヘンは本当に綺麗な街です。
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翌朝帰国のため空港に向かおうとタクシーに乗ったところ・・・大渋滞!!
4台の玉突き事故が起きたそうです(トホホ)
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当然飛行機には間に合わず。
何とか予定通り日本に戻るため、あわてて他の航空会社のチケットを探し、Air Chinaで北京経由で帰ることが出来ました。焦りました・・・
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           (北京空港で食べた朝ごはん、中々微妙な味でした)

トラブルも含めて、楽しい学会でした~

当科は毎年国際学会に参加しています!
今年は11月のAPSR@バリ(!羨ましい!!)にも3名参加予定です。
当科では、できるだけ早いうちから継続的にこのような機会に触れることが大切だと考えています。

呼吸器内科で後期研修をお考えの先生、是非当科で一緒に学んでみませんか?
楽しいですよ!!


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by res81 | 2014-09-22 07:00 | 科の紹介 | Comments(0)

ERS2014日記②

スタッフのTBです。
ERS2014の経過報告です。

あの後、若手(?)2名が見事に発表されました!
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女性気胸のCT診断について。独自のアルゴリズムで診断精度を向上させる研究です。
質問に一生懸命答えています!
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こちらは当院で行っている「胸部領域の超音波ガイド下生検」の成績の発表です。
海外ではCT撮影のハードルが高いことから超音波のニーズが非常に高く、
ドイツの大学教授から「方法を教えてください」と、連絡先を頂きました!
交流を続けていきたいですね~
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2人ともしっかり英語でディスカッションしていました!

緊張の発表の後は、歴史あるビアハウス「ホフブロイハウス」で順天堂大学の先生と一緒に打ち上げです。
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いや~お疲れ様でした。
2人ともとても良い刺激を受けたとのこと。
また臨床・研究ともに頑張っていきましょう!

明日はセミナーと軽く観光、明後日はもう帰国です~



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by res81 | 2014-09-09 10:21 | 科の紹介 | Comments(0)

ERS2014日記①

スタッフのTBです。

本日より、ERS2014に参加しております。
今年はミュンヘン(ドイツ)で開催されており、飯塚病院から3名で来ています!
移動時間が長かったのですが、さすが若手は疲れ知らずです!
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ミュンヘンはすっかり秋模様で、風が心地よいです。
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後期研修医のSnow先生と、若手(?)スタッフYj先生が、
たった今からポスター発表されます。
二人ともかなり緊張してます(#^.^#)
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日々の臨床の成果をしっかり発表して、沢山学んでまいります!

経過は引き続きご報告します~


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by res81 | 2014-09-07 19:49 | 科の紹介 | Comments(0)

☆気胸・肺嚢胞スタディグループ 第12回勉強会☆

7月は肺癌診断会および画像診断セミナー⇒内科認定医試験を終え、結果待ちの中の後期研修医GSnowです。そろそろ国内留学に向けての履歴書書いたり、お部屋を決めたりしている最近です。
東京タワー・東京ドームを通りすぎつつ、先日「気胸・肺嚢胞スタディグループ」の勉強会に参加させていただきました。
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同種造血幹細胞移植は今まで経験がなく大変勉強になりました。

同種造血幹細胞移植(hematopoietic stem cell transplantation:HSCT)後の肺障害
移植後1ヶ月以内:好中球減少期
・Capillary leak syndrome
・びまん性肺胞出血(diffuse alveolar hemorrhage:DAH)
・Peri-engraftment respiratory distress syndrome:PERDS
・感染症:細菌性肺炎、真菌感染症
移植後1ヶ月~100日
・急性呼吸急迫症候群
・DAH
・Pulmonary cystlytic thrombi
・器質化肺炎
・感染症:PCP、CMV肺炎
移植後100日以降:晩期     ※免疫力は回復し非感染性疾患が多い
・閉塞性細気管支炎─慢性移植片対宿主病変
・好酸球性肺炎
・肺静脈閉塞症
・間質性肺炎類似肺線維化病変:OP、NSIP、LIP、DAD、PPFE
(画像診断 Vol.34, No.1,2014)

同種移植の方が自家移植より合併症が多く、GVHDが関与している。
HSCT後非感染性肺障害をIdiopathic pneumonia syndrome(IPS)やlate-onset noninfectionus pulmonary complication(LONIPC)というようです。LONIPCは移植後後期肺障害に限ったものを指します。

閉塞性細気管支炎症候群:Bronchiolitis obliterans syndrome(BOS)

概念:
非可逆的な細気管支の線維性壁肥厚と閉塞を来す疾患でGVHDと関連があり、T細胞性免疫が関与している。

検査:
呼吸機能検査:Airflow obstructioinを認め、閉塞性肺障害パターンを呈する。
       FEV1/FVC→定期的なフォローを行い早期発見を行う
気管支鏡検査:TBLB(※なかなか診断できない)
CT:呼気CT⇒Air-trappingを反映するlow attenuation areaを呈する(mosaic pattern)
   末梢の血管影の減少・縮小化、細気管支拡張
   移植前と移植後を比較し移植後肺過膨張の進行を確認
肺換気血流シンチグラフィー

治療:
肺機能検査による3ヶ月毎のフォロー
免疫抑制剤
ステロイド(※発表された施設の先生方はICS/LABAを使用しているようです)
AZM(J heart Lung Transplant 2010;29:531-7)
肺移植

のようです。間違っていればご指摘ください。。。
ERS 2014では、女性気胸について発表させていただきます。勉強しておかないと。。。
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by res81 | 2014-08-03 18:25 | 科の紹介 | Comments(0)

☆☆☆ 千葉大学呼吸器外科 中島先生 来飯 ☆☆☆

こんにちは、スタッフ228です〜
国内留学中のAj先生もがんばってるようですし、飯塚組もがんばってアップしていきます!

今日はひとまず近況のご報告(^_^;)

先日7月25日、当科では「第2回筑豊RENKEIの会」を開催しました〜!!
地域の最前線で勤務されている先生方(主には開業の先生方)と顔の見える関係作りを行い、当院と地域の病院と、その名のとおりよりよい連携を図っていこうという目的のもと開催している会です。

そして、この会のスペシャルゲストとして、千葉大学呼吸器外科の中島先生に、はるばる来飯いただきました!!
中島先生には、会に先立って、われわれ呼吸器内科医を対象に、主にはEBUSについてのレクチャーを行っていただき、また、本会では、気管支鏡を含む呼吸器領域の手技もろもろに関して、ご自身で研究された内容なども含め、ご講演いただきました。

気管支鏡学会のセミナーなど全国(海外も含め)でレクチャーをされている先生だけあって、とても分かりやすいレクチャーで、また自身の豊富な経験を基にいただくアドバイスは、EBUSの手技に悩むことも多いわれわれにとって、非常にためになる内容でした。まさに、明日からの臨床に使える、といったものでした。本会のご講演でも、正直自分も知らないような最新の技術までご紹介いただき、気管支鏡検査もここまで進歩しているんだなぁと感激の内容でした。

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↑ 写真は、講演の最後に衝撃の症例を発表されている中島先生。本当にありがとうございました!
懇親会の写真を取り損ねたのが残念。。。



さて、最近の当科はといいますと・・・

本格的に暑さが増してきた今日この頃、例年この時期は、比較的呼吸器系の患者さんが少ない時期なのですが、今年は気候に関係なく患者さんが多いようです。PM2.5の影響でもあるんでしょうか・・・??

そんなこんなで慌ただしいときもありますが、日々の臨床の合間に、自分の研究を進めてみたり、全国各地の研究会にも出没予定です。そして秋には国際学会も控えております!!みんな、がんばろう〜

ということで、息抜きにみなでスイカを食べてみました(^o^)
もちろん今年初スイカ!!ちょいと夏を実感した気がします(笑)
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↑ たまには癒しの画像を・・・

いや〜おいしかったです!!

ちなみに、余った分を冷蔵庫に保管しており、翌日食べてみましたが、サランラップをかけていなかったこともあり、水分が蒸発し表面はパサパサ(T T)、下の方に一部スイカっぽい水水しい部分が残っておりました。
まさに、線維化が進みパサパサした部分と炎症細胞が浸潤し水水しい部分・・・間質性肺炎の急性増悪!!

余談でした〜





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by res81 | 2014-07-29 21:52 | 科の紹介 | Comments(0)