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飯塚病院呼吸器内科のブログ
by res81
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福岡県の飯塚病院呼吸器内科のブログです。

呼吸器内科スタッフ13名+呼吸器腫瘍内科スタッフ1名+専攻医4名+特任副院長1名(R5年4月現在)で、日々楽しく頑張っています。
大学の医局に関係なく、様々なバックグラウンドのドクターが集まっています。

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慢性咳嗽へのgabapentinと、地方会とウフィーチ会(&ラーメン)

スタッフのTBです。

最近のLancetに、難治性慢性咳嗽に対してgabapentinの効果を検討した初めての報告がありました。

Gabapentin for refractory chronic cough: a randomised, double-blind, placebo-controlled trial
Lancet 2012;380:1583–89


<Background>

・難治性慢性咳嗽は症状が強く、QOLを落とす。
・難治性慢性咳嗽における中枢性感作(侵害刺激によりニューロンが過敏化し通常より強く反応する)と神経障害性疼痛の病態は類似していると考えられ、gabapentinのような薬剤の効果が予想される。

<Methods>

・スタイル:randomised, double-blind, placebo-controlled trial
・対象:
 外来患者(in Australia)
 8週以上持続する難治性慢性咳嗽
 他に活動性呼吸器疾患が無い
・無作為に2群へ:
 *Block randomisation(一定人数ごとのブロックを作り、その中で無作為に割り付ける方法)、性別で層別化
 ①gabapentin (maximum tolerable daily dose of 1800 mg)
 ②placebo
 ⇒10週間投与
・Primary endpoint:
 咳関連QOLの変化(Leicester cough questionnaire [LCQ] score)
 ⇒ベースライン~治療8週後までで比較(ITT解析)

<Findings>
・対象は62例:gabepentin (n=32) or placebo (n=30)
         *10例が途中離脱した
・LCQ scoreは、Gabapentin群で優位に良好
 LCQ scoreの差;Gabapentin–placebo=1.80
            (95%CI 0.56–3.04; p=0.004)
 Number needed to treat (NNT)=3.58
・副作用
 Gabapentin群で10例(31%)…嘔気と倦怠感が主
 Placebo群で3例(10%)

<Interpretation>
・難治性慢性咳嗽に対しGabapentinは有効で忍容性あり。
・Gabapentinが効くことから、やはり中枢性感作が大きく関与している可能性が高い。


慢性咳嗽に対して、鎮咳薬は既存の物ばかり使用し、後は気道の炎症をおさる事に考えをめぐらしておりました。
確かに、中枢性感作が病態に関連していても全く不思議はないですよね。
この発想が出ない自分が情けない…と思ってしまいました。

勉強になりました。


さて、昨日・本日と、呼吸器学会九州地方会が行われております。
昨日は当科の若手医師4人が発表してくれました。
全員立派に発表されたとのこと。お疲れ様でした!

そして、伝統の夜の勉強会「ウフィーチ会」で、当科から司会とプレゼンを1名ずつ努めさせて頂きました。大幅に時間を超過してしまいましたが、実に温かくも活発な討論で、大変楽しく勉強させて頂きました。

最後に当科の(当院の?)大ボスから若手にラーメンを奢って頂き、非常に充実した1日でした~~
by res81 | 2012-11-17 10:41 | 咳嗽 | Comments(0)
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