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飯塚病院呼吸器内科のブログ
by res81
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福岡県の飯塚病院呼吸器内科のブログです。

呼吸器内科スタッフ13名+呼吸器腫瘍内科スタッフ1名+専攻医4名+特任副院長1名(R5年4月現在)で、日々楽しく頑張っています。
大学の医局に関係なく、様々なバックグラウンドのドクターが集まっています。

飯塚病院呼吸器内科では、専攻医やスタッフを募集しています。ご興味のある方は
ktobinoh2@aih-net.comまでご連絡ください。

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好酸球性多発血管炎性肉芽腫症④EGPA/CSS

こんにちは。スタッフAjです。
ERS、本当にお疲れ様でした!!私も頑張らなくては…!と刺激になりました。
私の研修のいよいよ残すところ2週間。思い残すことはまだまだありますが、残り2週間頑張ります☆

EGPAのワンポイントアドバイス。アレルギー診療-ゴールデンハンドブック-よりまとめてみました。
EGPAシリーズ最後になります。よろしくお願いします。

【早期診断のコツ】
潜在例もしくは疑われるケースでは、血液検査や積極的な臓器障害(特に心拡大)の有無を検索する。多発単神経炎で発症するケースがほとんどであるため、このような発症の可能性のある患者には、普段から四肢末梢の痺れが生じた場合は報告するように伝える。

【検査のコツ】
①血液検査、尿検査のコツ:
・好酸球増多が25%以上、特に白血球全体が増加している場合は疑わしい
・ANCAはEGPAの35%しか陽性化しないが特異性が高い
・リウマトイド因子の陽性化や血清総IgE値の急増、血小板数の増加はEGPAの60-70%で認められ、EGPA発症の可能性が高い
・多臓器虚血の判断には、LDHやCKの上昇が役立つ
・尿細胞診検査で好酸球を認めると可能性高い

②心病変診断のコツ
・自覚的には無症状、もしくは軽度の動機程度が多いので症状で判断しない。
・X線写真で新拡大、血清BNP上昇が、まずスクリーニングに有用。
ただし、精査には24時間心電図やエコーも必要。感度が高いのは心筋シンチグラフィー!!!
不整脈が隠れている可能性あるから、ホルターもしてみましょう。
・冠動脈造影は可視範囲である比較的太い動脈での狭窄をEGPAではきたしにくいため、正常であることも多い。

【BNP、MIBGシンチについて】
Eur J Nucl Med Mol Imaging. 2011 Feb;38(2):221-9MBG
シンチを施行したEGPA28例のうち、earlyH/MとBNPを指標とし86%のせ井戸で心病変の検出下可能であり、earlyH/M≦2.18または、BNP>21.8が要請の場合、長期予後(event free rate)が不良であることを明らかにした。

③消化管病変診断のコツ
・多くは各種胃腸薬抵抗性の腹痛を訴えるが、無症状のこもと少なくない
・便潜血反応は感度が高いが、特異性は低い
・上部消化管内視鏡検査では、肉眼的に異常がなくても十二指腸から上部小腸の生検で好酸球浸潤を認めやすい
・下部では、典型例では縦走潰瘍を認める。
・強い腹痛やイレウス症状の場合は虚血性腸炎と同様の病態であり造影CTや血管造影を考慮する。

④気管支肺病変診断のコツ
・胸部X線だけではなくHRCTで必ず診断する。
・肺病変はステロイド反応良好で予後には関与しない。
・HRCTでは以下の4種の病態が観察されるが、EGPAい特異的でな像はない。
1、細気管支の強い好酸球性炎症=肥厚
2、慢性好酸球性肺炎像(濃い非区域性の肺や濃度上昇やすりガラス様陰影)
3、心機能低下による肺うっ血
4、胸水(心機能低下によるものと好酸球性胸膜炎によるもの)
・KL-6は上昇しない


まだまだ書きたいことはたくさんありますが
ひとまず、EGPAシリーズは終わります。

最後に・・・
今の研修先で、10人以上のEGPAの患者さんの治療に関わらせて頂きました。
難病ではありますが、皆さん自分の病気と向き合い、努力し頑張っている姿をみてきました。
この経験、この病院での患者さん達との出会いを忘れずに、飯塚でもまた頑張っていきたいと思います!!
by res81 | 2014-09-15 16:26 | アレルギー | Comments(0)
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