飯塚病院呼吸器内科のブログ
by res81 お知らせ
福岡県の飯塚病院呼吸器内科のブログです。
呼吸器内科スタッフ13名+呼吸器腫瘍内科スタッフ1名+専攻医4名+特任副院長1名(R5年4月現在)で、日々楽しく頑張っています。 大学の医局に関係なく、様々なバックグラウンドのドクターが集まっています。 飯塚病院呼吸器内科では、専攻医やスタッフを募集しています。ご興味のある方はktobinoh2@aih-net.comまでご連絡ください。 お勧めブログ 飯塚病院血液内科ブログ カテゴリ
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抗ARS抗体症候群と悪性腫瘍 〜 呼吸器内科の立場から久しぶりに投稿します、スタッフ228号です。 TB先生を見習って、ぼくも勉強したことを載せていこうと思いたちました!! 毎日は無理かもしれませんが、せめて週に1回くらいの更新を目標に(弱気…笑)。 頑張ります〜!! じつは先日、抗ARS抗体症候群陽性で間質性肺炎があるおばさまに、膵臓癌が見つかりました。 そういえば最近少し調子が悪いとおっしゃていたなかで、たまたま胸部CTに膵腫瘤が映っていました。 検査や治療を行いながら、後悔のないよう日々精一杯過ごしていらっしゃるお姿には、いろいろと考えさせられます。 さて、皮膚筋炎で悪性腫瘍の合併が多いことは知られていますが、抗ARS抗体症候群ではどうなのでしょうか。 調べてみると、知らなかったのですが、UpToDateに「Malignancy in dermatomyositis and polymyositis (皮膚筋炎ならびに多発性筋炎における悪性腫瘍)」なる項目があるではありませんか!! CAM(cancer-associated myositis) ともいうみたいですね。呼吸器内科的には、CAMといえば、クラリスロマイシンですが(笑) 2019年10月20日時点のUpToDateによりますと、 ということで、抗ARS抗体陽性例や間質性肺疾患がある場合は、どちらかというと悪性腫瘍の合併は低いと考えられているようです。なぜそうなのかは正直わかりませんが… ただ、抗ARS抗体のなかでも、抗Jo-1抗体陽性例では、悪性腫瘍が合併しやすい(とくに消化器や婦人科の悪性腫瘍) との報告があり(まさに今回の患者さんなわけですが)、抗ARS抗体の種類毎の解析も待たれるところです。名古屋大学さんからの報告(日呼吸誌 2018;7:229-233.) も参考にさせていただきました。 なので、勘違いしてはいけないのは、抗ARS抗体症候群陽性だからといって、悪性腫瘍のスクリーニングをしなくていいというわけではない、ということでしょうか。UpToDateにも記載されていましたが、一般的な検診やスクリーニングは、ある程度どんな患者さんでも行っておくべきかと思います。 それでは今日はこの辺で。 何かご意見、アドバイス、最新の知見などございましたら、教えていただければ嬉しいです(^-^)
by res81
| 2019-10-22 15:47
| 膠原病
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