飯塚病院呼吸器内科のブログ
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福岡県の飯塚病院呼吸器内科のブログです。

呼吸器内科スタッフ10名+呼吸器腫瘍内科スタッフ1名+後期研修医3名(H30年4月現在)+特任副院長1名で、日々楽しく頑張っています。
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飯塚病院呼吸器内科では、後期研修医やスタッフを募集しています。ご興味のある方は
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ジャーナルパトロール:論文ななめ読み① DYNAGITO試験(Lancet Respir Med 2018; 6: 337–44)

スタッフのTBです。
本日も脳の筋トレです。

  論文は
   時間を決めて
      数を読む  
  (TB、心の一句)

筑波大学の落合陽一先生もおっしゃってますが、
我々臨床家にとっても重要と心にしみております。

とにかく数をこなすには、斜め読みのスキルが重要です。

私の方法は、各月の各雑誌の掲載論文を分野ごとに整理し、
それぞれの分野の論文を

①Abstractから論文の構成を理解
②Conclusion付近(特にLimitation)から結論と問題点を把握
③M&Mの患者選択基準から臨床応用可能性について検討

の順序で読みます。

細かく読む必要がありそうなものにチェックをし、ひとまず終了。
1日1時間で5-6本読めれば週に25本以上はいく、という計算です。
いかがでしょうか?

-------------------------------------
さて、このシリーズでは
「論文の結果が果たして我々の日常臨床に応用可能なのか?」
最も重要なポイントである"患者選択基準"にfocusして検討してまいります。

では、Lancet Respir Med 2018年4月号に掲載されたDYNAGITO試験について。
-------------------------------------
DYNAGITO試験は、LAMA/LABAがLAMA単剤に対してCOPD増悪抑制効果を示すか、を検討した初めてのRCTです。
先ほどの読み方に従って進めます。
早く読むため、英語と日本語のごちゃまぜですがご容赦ください。

①Abstractから構成を理解
Design: Double-blind, randomised, parallel-group, active-controlled trial
P: COPD with a history of exacerbations
I: tiotropium-olodaterol 5 μg-5 μg
C: tiotropium 5 μg once daily
*Patients using inhaled corticosteroids continued this therapy
O: Rate of moderate and severe COPD exacerbations
*From the first dose of medication until 1 day after last drug administration
 (52週)
Results:
・9009 patients were screened from 818 centres in 51 countries
 →Recruited 7880 patients (日本人461例) 
  mean age 66・4 years [SD 8・5]
  5626 [71%] were men
  mean FEV1% predicted 44・5% [SD 27・7]
 →3939 received tio-olo vs 3941 tiotropium
・The rate of moderate and severe exacerbations
  tio-olo 0.90 ≦ tiotropium 0.97
 *Rate ratio (RR): 0.93, 99%CI 0.85-1.02; p=0.0498
 →Not meeting the targeted 0.01 significance level
  (あえて厳しめにしたとのこと)
・Adverse events was similar between treatments.

②Conclusion付近
・Tio-olo did not reduce exacerbation rate as much as expected compared with tiotropium alone.
・However, there were larger improvements in some subgroups of patients, such as those receiving triple therapy at baseline, and in exacerbations that required oral corticosteroids.  
(増悪抑制効果は、Tio-Olo合剤がTioを大きく上回ると予想していたが、そこまでではなかった。trial前にICS-LAMA-LABAを使っていたような患者では良さそうだけど…という感じ)

③さて、Inclusion/Exclusion criteriaを詳しく。日常臨床で判定可能か否かで〇×をつけています。
<Inclusion criteria>
・40歳以上→〇
・COPD→〇
・10 pack-years以上の喫煙歴→〇
・気管支拡張薬使用後のFEV1/FVC<70%かつFEV1%pred.<60%
 →〇(中等症~重症狙い)
・中等~重症の増悪を過去1年に1回以上(全身ステロイド、抗菌薬、
 もしくは両者を要する. 入院の有無は問わない)→〇
・Trial前4週間は安定している→〇
・レスピマットが使用できる→△(確認が難しい…)

<Exclusion criteria>
・血算・生化学・Cre(正常上限2倍以上)などの異常→〇
・喘息→△(完全な除外は難しい)
・アレルギー性鼻炎・アトピーがある人は喘息の除外を行う
  →△(完全な除外は難しい)
・甲状腺機能亢進症→〇
・致死的不整脈→〇
・活動性結核→〇
・悪性腫瘍(5年以上再発がないことが確認されてない)
 *皮膚の基底細胞癌・扁平上皮癌はOK
  →〇
・症状のある気管支拡張症→〇
・6カ月以内に気道インターベンションを行った肺気腫
  →〇
・6カ月以内の心筋梗塞→〇
・嚢胞性線維症→〇
・アルコール・薬物依存症→〇
・開胸肺切除後→〇
・経口または内服β刺激薬使用→〇(日本には多い)
・4週以内に内服ステロイドの用量調整あり→〇
・PSL≧10mg/日以上もしくは20㎎/隔日服用→〇
・4週間以内に抗菌薬使用→〇
・3カ月以内にPDE4阻害薬使用→〇
・治験薬を1か月もしくは半減期の6倍以内の期間に使用→〇
・β刺激薬もしくは抗コリン薬、レスピマットの添加物
 {ベンザルコニウム塩化物(BAC), EDTAなど}に過敏症あり
  →〇
・妊娠中または授乳中の女性→〇
・妊娠の可能性のある女性→〇
・他のスタディに参加している→〇
・服薬制限に従うことができない→〇

という事で、日常臨床で接する多くの中等症以上のCOPD患者さんには適応できそうです。
アドヒアランスは永遠の課題ですが。

<Trial中のポイント>
・ICSを使用している患者はそのまま継続
・ICS/LABAを使用している患者は同力価のICS単剤へ変更
・レスキューとして、Open-labelのサルブタモールを供与
 (他の薬剤使用は禁止)

④気になった部分掘り下げ
<triple theapy群の患者で増悪抑制効果が高い>
・ベースラインでLAMA/LABA/ICS使用患者が3132例と最多!
 ちなみに次はICS/LABAの2036例…やはり日本とはちと違う
・ベースラインtriple therapy群では、増悪抑制効果は
  tio-olo>tio(Rate ratio 0.847, 95%CI 0.766-0.936)
・他のベースライン治療法(LAMA/LABA、各単剤治療)の患者では、
  増悪抑制効果はtio-olo≒tio。
 ➤ triple therapyは日本でこんなにいないでしょうし、
  そのような患者さんをあえてstep downしないでしょう

<ICS使用患者が多すぎる>
・ベースライン治療に何らかの形でICSが入っている患者は
 5534/7880=70.2%(スゴイ!)
・これらの患者群では年間増悪回数は tio-olo ≒ tio
 (0.97 vs 1.07, Rate ratio 0.911, 95%CI 0.841-0.988)
 ➤triple therapy群が引っ張っているのでしょう

<吸入療法を何もしていなかった患者では?>
・ベースラインで吸入薬使用歴なし435例の検討では、年間増悪回数
 tio-olo ≧ tio(0.47 vs 0.62, RR 0.757, 95%CI 0.523-1.095)で惜しい

<両群の治験中止率に少し差がある>
・tio-olo 12.4% vs tio 16.5%
 ➤ベースラインでtripleの人やLABA/LAMAの人もいるので、
  そりゃそうかも、という感じ

⑤理解
・吸入薬未使用患者さんでは、tio単剤よりtio-oloでスタートの方が
 年間増悪回数抑制効果が見込めるかも
・LAMA/LABAのダブルが既に入っている場合、tio-oloにでもtioでも
 増悪率も変わらず、治療中断率(両群とも12%程度)も変わらない
・triple therapyが入っている場合、tio-ICSにステップダウンはダメ

 いかがでしょうか?

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# by res81 | 2018-05-26 11:41 | ジャーナルパトロール | Comments(0)

学会報告 ATS~呼吸器内視鏡総会

スタッフのMINEです。

今回は5/19-22までATS@San Diegoに参加して、5/23を移動日にその後は5/24-25に呼吸器内視鏡総会@東京に出席させていただいております。病棟を守っていただいている先生方本当にありがとうございます。

出発直前からの体調不良にSan Diego到着後は人生初めての時差ぼけ(Jet lag;今回の旅行中に初めて学びました。KJN先生の弟くんありがとう。笑)でボロボロの国際学会でした。更にはRAPiD posterセッションに当たってしまい…、途中までは心折れそうでしたが、それを救ってくれたのは本当にSan Diegoは気候も良く過ごしやすい環境でした。
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到着初日にはKJNファミリーとの観光に始まり、San Diego zooやOld townなど凄く楽しいところでした。San Diego発祥の地のOld townは昔の雰囲気が感じられてとてもよかったです。皆様行かれる際にはどうぞ。
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それでは学会の報告ですが、RAPiD posterセッションは以前にY先生が書いていただいている国際学会 参加のイロハ(https://res81.exblog.jp/24239976/)をご参照頂ければ詳しくわかりますが、PosterSession、Poster DiscussionSessionが組み合わされたセッションになります。英語が全くできない自分としてはかなり地獄でした…。

本当にATSの英語は速くて今までCHESTとAPSRに参加してきましたが一番難しい感じがしました。自分の発表としては何とか無事に終了したって感じでした。いい経験ができました。ちなみに写真はKJN先生が撮り忘れてしまった影響で発表後に撮ったものになります。笑
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学会の勉強内容としてはYear inReviewなど様々な内容を拝見しましたが、そのブログサイトにすごくしっかり内容まで上がっているので最新の内容ではないですが、自分の勉強になった内容を上げさせていただきます。

『BronchoscopicManagement of Hemoptysis』
題名の通り喀血のマネージメントの話です。今後当科でもCryobiopsyが導入に当たって出血などがリスクになる可能性があると思い参加しました。ちなみに違うセッションのスライドですが、Cryobiopsyの出血のリスクです。

やっぱり大事なこととしては“Don’t loose wedge”“Visualize airway”ですね、さらには“Don’t suction”ですね。自分の意識的に上記を頑張ってやってますが、慣れないと焦ってwedge外して視野が保てなくなり、焦ってwedgeしに行くけど全くわからなくて延々吸引のみを続けているということがあったし、その光景をよく見る気がするので頑張って指導&実践できるようにしていきたいですね。

また、喀血主訴の患者の気管支鏡のタイミングなどもすごく難しく悩んでいましたが、色々勉強になるセッションでした。内容で出てきたアルゴリズムを紹介させて頂きます。当直帯や休日帯で来た時にどういう風なアルゴリズムに応用するかが悩ましいですね。その点は同じセッションにおられた先生ともDisscussinさせていただき本当にいい経験になりました。

しかも、今回はいつもお世話になっている聖路加国際病院の先生とも一緒にご飯させて頂いたり(今考えると写真を撮り忘れてしまいました…)、たまたまセッションで一緒になった神奈川循環器呼吸器病センターの先生に色々ご指導いただいたり繋がりって大事だなと考えさせられる学会でした。
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移動もあったのでKJN先生の発表見られず本当に残念です。彼の事なので健闘したことと想像します。

明日は内視鏡学会の発表になるのでこの辺にしたいと思います。
やはり日本語の学会の方がものすごく理解できて勉強になったので再度あげさせていただきます。

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# by res81 | 2018-05-24 22:59 | 学会・研修会 | Comments(0)

ジャーナルパトロール:2018年4月号総ざらい④

スタッフのTBです。

2018年4月号総ざらいの最後です。
本日は、
Pulmonary hypertension、Pulmonary Vascular Disease、Sarcoidosis、Sleep and Control of Ventilation、Smoking、Tuberculosis and Mycobacterial Disease、Others、です。

<Pulmonary hypertension>
Coghlanら(ERJ)の、"SScでDLco<60%の患者さんは3年以内に25%が肺高血圧を来すので、右心カテを含む定期チェックを行うべき!"は印象に残りました。

Incidence of pulmonary hypertension and determining factors in patients with systemic sclerosis
Coghlan JG, et al.
European Respiratory Journal 51 (4) 1701197; DOI: 10.1183/13993003.01197-2017

The Low-Risk Profile in Pulmonary Arterial Hypertension. Time for a Paradigm Shift to Goal-oriented Clinical Trial Endpoints?
Weatherald J, et al.
Am J Respir Crit Care Med. 2018 Apr 1;197(7):860-868. doi: 10.1164/rccm.201709-1840PP.

Multicentre observational screening survey for the detection of CTEPH following pulmonary embolism
Coquoz N, et al.
European Respiratory Journal 51 (4) 1702505; DOI: 10.1183/13993003.02505-2017

A novel piperidine identified by stem cell-based screening attenuates pulmonary arterial hypertension by regulating BMP2 and PTGS2 levels
Xing Y, et al.
European Respiratory Journal 51 (4) 1702229; DOI: 10.1183/13993003.02229-2017


<Pulmonary Vascular Disease>
Brittainら(AJRCCM)の"HIV感染患者で高ウイルス量+低CD4があると、肺高血圧合併のリスクと死亡率が高い"を読んで、スクリーニングをもう少しきっちりすべきと認識。

Increased Echocardiographic Pulmonary Pressure in HIV-infected and -uninfected Individuals in the Veterans Aging Cohort Study
Brittain EL, et al.
Am J Respir Crit Care Med. 2018 Apr 1;197(7):923-932. doi: 10.1164/rccm.201708-1555OC.

Prognostic impact of copeptin in pulmonary embolism: a multicentre validation study
Hellenkamp K, et al.
European Respiratory Journal 51 (4) 1702037; DOI: 10.1183/13993003.02037-2017

Pulmonary vascular endothelium: the orchestra conductor in respiratory diseases
Alice Huertas, Christophe Guignabert, Joan A. Barbera, Peter Bartsch, Jahar Bhattacharya, Bhattacharya S, et al.
European Respiratory Journal 51 (4) 1700745; DOI: 10.1183/13993003.00745-2017


<Sarcoidosis>
Review!

Pulmonary sarcoidosis (Review)
Spagnolo P, et al.
Lancet Respir Med. 2018 May;6(5):389-402. doi: 10.1016/S2213-2600(18)30064-X.


<Sleep and Control of Ventilation>
Sharmaら(AJRCCM)の、"閉塞型睡眠時無呼吸の重症度と脳脊髄液のβアミロイド変化に関連性あり"を読んで、ちゃんと睡眠を取ろうと思いました。

Obstructive Sleep Apnea Severity Affects Amyloid Burden in Cognitively Normal Elderly. A Longitudinal Study
Sharma RA, et al.
Am J Respir Crit Care Med. 2018 Apr 1;197(7):933-943. doi: 10.1164/rccm.201704-0704OC.

Determinants of Unintentional Leaks During CPAP Treatment in OSA
Lebret M, et al.
Chest. 2018 Apr;153(4):834-842. doi: 10.1016/j.chest.2017.08.017.

Patient Engagement Using New Technology to Improve Adherence to Positive Airway Pressure Therapy: A Retrospective Analysis
Malhotra A, et al.
Chest. 2018 Apr;153(4):843-850. doi: 10.1016/j.chest.2017.11.005.

Maternal Sleep-Disordered Breathing
Pamidi S, et al.
Chest. 2018 Apr;153(4):1052-1066. doi: 10.1016/j.chest.2017.10.011. Epub 2017 Oct 21.

Impact of sleep alterations on weaning duration in mechanically ventilated patients: a prospective study

Thille AW, et al.
European Respiratory Journal 51 (4) 1702465; DOI: 10.1183/13993003.02465-2017

Echocardiographic changes with non-invasive ventilation and CPAP in obesity hypoventilation syndrome.
Corral J, et al.
Thorax. 2018 Apr;73(4):361-368. doi: 10.1136/thoraxjnl-2017-210642.


<Smoking>
タバコはダメ

Aberrant epithelial differentiation by cigarette smoke dysregulates respiratory host defence
Amatngalim GD, et al.
European Respiratory Journal 51 (4) 1701009; DOI: 10.1183/13993003.01009-2017

<Tuberculosis and Mycobacterial Disease>
Evaluating UK National Guidance for Screening of Children for Tuberculosis. A Prospective Multicenter Study
Kampmann B, et al.
Am J Respir Crit Care Med. 2018 Apr 15;197(8):1058-1064. doi: 10.1164/rccm.201707-1487OC.


<Others>
Stem Cells in Pulmonary Disease and Regeneration

Nadkarni RR, et al.
Chest. 2018 Apr;153(4):994-1003. doi: 10.1016/j.chest.2017.07.021.

Clinical Databases for Chest Physicians
Courtwright AM, et al.
Chest. 2018 Apr;153(4):1016-1022. doi: 10.1016/j.chest.2018.01.003.

Mesenchymal stem cells enhance NOX2-dependent reactive oxygen species production and bacterial killing in macrophages during sepsis
Rabani R, et al.
European Respiratory Journal 51 (4) 1702021; DOI: 10.1183/13993003.02021-2017

以上です。

次回からは、4月号の中で気になった論文の気になる部分にfocusしてみたいと思います!



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# by res81 | 2018-05-22 14:31 | ジャーナルパトロール | Comments(0)

ATS conference in San Diego 前日〜初日

お久しぶりです。


シニアレジデントのKJNです。

ただいまATS conference 2018 in San Diegoに参加しております。


西海岸の暖かな気候のせいだけでなく、ここSan Diegoは退役軍人の街というもあり、街全体にどことなく穏やかな雰囲気が漂っています。


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街の散策もできればなーと思っていたところに良いものを見つけました!


San Diego内には街中いたるところに公共の自転車と電動キックボードが置いてあって専用のアプリをインストールしておけば誰でも気軽に使えるようです。一気に行動範囲が広がりました!


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ちなみに昨夕はちょっと足を伸ばしてアナハイムのエンゼルススタジアムへ!

大谷選手の出場はありませんでしたが、本場のメジャーリーグの盛り上がりは凄いの一言でした!


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本日は学会初日ということで、事前にチェックしておいたsessionを聴きつつ会場内をブラブラ。現在院外研修でお世話になっている日赤医療センターの先生方にもお会いできました。


明日はY先生、明後日は私の発表です!頑張ります!


本日参加したsessionの中から日常臨床でもよく遭遇する問題についての新しい知見を1つご紹介。


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「軽症喘息におけるブデゾニド/ホルモテロール(BUD/FORM)屯用の有効性と安全性について」

SYGMA1Inhaled Combined Budesonide–Formoterol as Needed in Mild Asthma. aul M. OByrne, et al. N Engl J Med 2018; 378:1865-1876

SYGMA2As-Needed Budesonide–Formoterol versus Maintenance Budesonide in Mild Asthma. Eric D. Bateman, N Engl J Med 2018; 378:1877-1887


上記2つの論文のサマリーです(どちらもNEJM517日に公開されています)。


【背景】喘息治療の基本はICS維持療法であるが、その中でICS維持が困難なアドヒアランスの悪い患者は大きな問題である

→BUD/FORMの単独屯用の有効性について検討


【方法】

SYGMA1:軽症喘息に対する喘息コントロール、中等~重症喘息発作の予防をSABA単独屯用、BUD/FORM単独屯用、ICS維持+SABA屯用で比較検討(優越性試験)

SYGMA2:日常的にICSを要する軽症喘息に対してBUD/FORM単独屯用と従来のICS維持+SABA屯用を比較(非劣性試験)


【結果】

SYGMA1

Well-controlled asthma weeks (WCAW)→SABA単独に対して優越性、ICS維持に対して劣性

31.1% vs. 34.4% vs. 44%

Odds ratio 1.14 (95% CI 1.00-1.30, P=0.046) and 0.64 (95% CI 0.57-0.73)]

・大発作率→ICS維持と同等、SABA単独よりも低い率

0.20 vs. 0.07 vs. 0.09;

Rate ratio 0.36 (95% CI 0.27-0.49) and 0.83 (95% CI 0.59-1.16)

SYGMA2

・大発作率非劣性

0.11 (95% confidence interval [CI], 0.10 to 0.13) vs. 0.12 (95% CI, 0.10 to 0.14)

rate ratio, 0.97; upper one-sided 95% confidence limit, 1.16

・1日のICS使用量

66μg vs. 267μg

・初回発作までの期間同等

hazard ratio, 0.96; 95% CI, 0.78 to 1.17

ACQ-5 score→劣性

0.11 units, 95% CI, 0.07 to 0.15


SYGMA1SYGMA2の結論】

BUD/FORM単独屯用はSABA単独屯用よりも症状悪化と発作リスクを抑えた

BUD/FORM単独屯用はICS維持+SABA屯用と比較して1日のICS使用量を抑えたが、発作リスクは劣った

・症状の改善はICS維持+SABA屯用と比較いして有意に劣った


非劣性試験について勉強し直さねば。。。

これまでもアドヒアランスの悪い喘息患者さんには、SMART療法のあるシムビコートを何となく「ICSも入ってるから」と処方していたところでした。その中でも特に多忙で入院が難しい患者さんに対しては、中等~重症の喘息発作のリスクを減らす≒入院のリスクを減らすという意味でこの治療が最良ではないけれども妥協案として提案できるかもしれません(当然吸入指導を徹底することが第一ですが!)。

ちなみに、SYGMA2ではFEV1も劣性だったそうですので長期予後を考えるとやはりICS維持療法は必須です。



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# by res81 | 2018-05-21 17:39 | 科の紹介 | Comments(0)

ジャーナルパトロール:2018年4月号総ざらい③

スタッフのTBです。

2018年4月号総ざらいのつづきです。
本日は、
Lung cancer、
Lung function、Lung Transplantation and Surgery、Oxygen therapy、Palliative and Supportive Care、Pleural disease、です。

<Lung Cancer>
Sehgalら(Chest)の、"EBUS-TBNAにおけるROSEの役割"は、うなずける結果でした。Durvalumabのphase 2(ATLANTIC、Lancet Oncol)もでました。

Impact of a Non-small Cell Lung Cancer Educational Program for Interdisciplinary Teams
Murgu S,
Chest. 2018 Apr;153(4):876-887. doi: 10.1016/j.chest.2017.11.032.

Screening for Lung Cancer: CHEST Guideline and Expert Panel Report
Mazzone PJ, et al.
Chest. 2018 Apr;153(4):954-985. doi: 10.1016/j.chest.2018.01.016.

Pulmonary Nodules: A Small Problem for Many, Severe Distress for Some, and How to Communicate About It
Slatore CG, et al.
Chest. 2018 Apr;153(4):1004-1015. doi: 10.1016/j.chest.2017.10.013.

Impact of Rapid On-Site Cytological Evaluation (ROSE) on the Diagnostic Yield of Transbronchial Needle Aspiration During Mediastinal Lymph Node Sampling: Systematic Review and Meta-Analysis

Sehgal IS, et al.
Chest. 2018 Apr;153(4):929-938. doi: 10.1016/j.chest.2017.11.004.

In vivo growth of 60 non-screening detected lung cancers: a computed tomography study
Mets OM, et al.
European Respiratory Journal 51 (4) 1702183; DOI: 10.1183/13993003.02183-2017

Feasibility and Safety of Intrathoracic Biopsy and Repeat Biopsy for Evaluation of Programmed Cell Death Ligand-1 Expression for Immunotherapy in Non-Small Cell Lung Cancer
Tsai EB, et al.
Radiology, Apr 2018, Vol. 287:326-332, https://doi.org/10.1148/radiol.2017170347

Pharmacokinetics and safety of paclitaxel delivery into porcine airway walls by a new endobronchial drug delivery catheter
Tsukada H, et al.
Respirology. 2018 Apr;23(4):399-405. doi: 10.1111/resp.13214.

Investigation of the international comparability of population-based routine hospital data set derived comorbidity scores for patients with lung cancer

Luchtenborg M, et al.
Thorax. 2018 Apr;73(4):339-349. doi: 10.1136/thoraxjnl-2017-210362.

Durvalumab as third-line or later treatment for advanced non-small-cell lung cancer (ATLANTIC): an open-label, single-arm, phase 2 study

Garassino MC, et al.
Lancet Oncol. 2018 Apr;19(4):521-536. doi: 10.1016/S1470-2045(18)30144-X.

Impact of EML4-ALK Variant on Resistance Mechanisms and Clinical Outcomes in ALK-Positive Lung Cancer.
Lin JJ, et al.
J Clin Oncol. 2018 Apr 20;36(12):1199-1206. doi: 10.1200/JCO.2017.76.2294.

Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Multicenter Phase II Study of Fruquintinib After Two Prior Chemotherapy Regimens in Chinese Patients With Advanced Nonsquamous Non-Small-Cell Lung Cancer.
Lu S, et al.
J Clin Oncol. 2018 Apr 20;36(12):1207-1217. doi: 10.1200/JCO.2017.76.7145.

<Lung function>
current smokerはレジャータイムで激しく身体活動すると、一秒量と肺活量が上昇(Fuertesら、Thorax)!!

Defining ‘healthy’ in preschool‐aged children for forced oscillation technique reference equations

Shackleton C, et al.
Respirology. 2018 Apr;23(4):406-413. doi: 10.1111/resp.13186.

Leisure-time vigorous physical activity is associated with better lung function: the prospective ECRHS study

Fuertes E, et al.
Thorax. 2018 Apr;73(4):376-384. doi: 10.1136/thoraxjnl-2017-210947.

<Lung Transplantation and Surgery>
Depletion of Airway Submucosal Glands and TP63+KRT5+ Basal Cells in Obliterative Bronchiolitis
Swatek AM, et al.
Am J Respir Crit Care Med. 2018 Apr 15;197(8):1045-1057. doi: 10.1164/rccm.201707-1368OC.

Intravascular donor monocytes play a central role in lung transplant ischaemia-reperfusion injury.
Tatham KC, et al.
Thorax. 2018 Apr;73(4):350-360. doi: 10.1136/thoraxjnl-2016-208977.

Normothermic ex-vivo preservation with the portable Organ Care System Lung device for bilateral lung transplantation (INSPIRE): a randomised, open-label, non-inferiority, phase 3 study
Warnecke G, et al.
Lancet Respir Med. 2018 May;6(5):357-367. doi: 10.1016/S2213-2600(18)30136-X.

<Oxygen therapy>
急性期患者の酸素投与はSpO2 96%程度まで(Chuら、Lancet)!

Titrating Oxygen Requirements During Exercise: Evaluation of a Standardized Single Walk Test Protocol

Giovacchini CX, et al.
Chest. 2018 Apr;153(4):922-928. doi: 10.1016/j.chest.2017.11.009.

Mortality and morbidity in acutely ill adults treated with liberal versus conservative oxygen therapy (IOTA): a systematic review and meta-analysis
Chu DK, et al.
Lancet 2018 DOI: https://doi.org/10.1016/S0140-6736(18)30479-3

<Palliative and Supportive Care>
早期緩和ケアでフォーカスされるのは、"Coping(ストレス対応・緩和)"、"治療決断"、"Advance care planning"(Hoergerら、JCO)!この辺りを意識ですね。

Placebo-Controlled, Double-Blinded Phase III Study Comparing Dexamethasone on Day 1 With Dexamethasone on Days 1 to 3 With Combined Neurokinin-1 Receptor Antagonist and Palonosetron in High-Emetogenic Chemotherapy.

Ito Y, et al.
J Clin Oncol. 2018 Apr 1;36(10):1000-1006. doi: 10.1200/JCO.2017.74.4375.

Defining the Elements of Early Palliative Care That Are Associated With Patient-Reported Outcomes and the Delivery of End-of-Life Care.
Hoerger M, et al.
J Clin Oncol. 2018 Apr 10;36(11):1096-1102. doi: 10.1200/JCO.2017.75.6676.

Symptom Burden in the First Year After Cancer Diagnosis: An Analysis of Patient-Reported Outcomes.

Bubis LD, et al.
J Clin Oncol. 2018 Apr 10;36(11):1103-1111. doi: 10.1200/JCO.2017.76.0876.

<Pleural disease>

どれも興味深いです。

Conservative Management in Traumatic Pneumothoraces: An Observational Study

Walker SP, et al.
Chest. 2018 Apr;153(4):946-953. doi: 10.1016/j.chest.2017.10.015.

Outpatient Talc Administration by Indwelling Pleural Catheter for Malignant Effusion
Bhatnagar R, et al.
N Engl J Med 2018; 378:1313-1322 DOI: 10.1056/NEJMoa1716883

Ultrasound Guidance for Pleural-Catheter Placement
Peris A, et al.
N Engl J Med 2018; 378:e19 DOI: 10.1056/NEJMvcm1102920

続きはまた。



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# by res81 | 2018-05-19 22:13 | ジャーナルパトロール | Comments(0)