飯塚病院呼吸器内科のブログ
by res81
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福岡県の飯塚病院呼吸器内科のブログです。

呼吸器内科スタッフ10名+呼吸器腫瘍内科スタッフ1名+後期研修医3名(H30年4月現在)+特任副院長1名で、日々楽しく頑張っています。
大学の医局に関係なく、様々なバックグラウンドのドクターが集まっています。

飯塚病院呼吸器内科では、後期研修医やスタッフを募集しています。ご興味のある方は
iizukakokyu@gmail.com までご連絡ください。

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2nd line以降のICI治療比較

スタッフのTBです。
すっかり春めいたと思ったら、急に嵐…しかも寒いですね。

当科はいつも新しい事に取り組みつつ、毎日元気にやっております。

さて、Atezolizumabがもうすぐ使用できる、という事で、
2nd line以降のICI治療のデータ(Phase 3)について比較してみました。
間違いがあればご指摘ください。

赤字は、ICI > DOC(有意差+)のデータです。
(↓表をクリックで拡大できます)
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また、Atezolizumabでは脳転移症例でもOS延長が報告されています。
(Nivoでは脳転移症例はOSは悪い傾向でしたし、Pembroでは報告なしでした)

しばらくにらめっこして、使いどころを熟考いたします。



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# by res81 | 2018-04-07 17:32 | 肺癌 | Comments(0)

Case Report published!


当科後期研修医の621号先生が、Case reportをpublishされました!

Peripheral T cell lymphoma not otherwise specified (PTCL-NOS) presenting as an endobronchial lesion: Case report and literature review

Respiratory Medicine Case Report. 2018 Volume 23, Pages 176–181
DOI: https://doi.org/10.1016/j.rmcr.2018.03.003

おめでとう~!!

米国のK先生、大分のK先生、お世話になりました! m(_ _)m

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# by res81 | 2018-03-08 12:25 | 科の紹介 | Comments(0)

第7回 IKB81会

皆さま、こんにちは。Ajです。お久しぶりです。

本日は2018年3月3日 ひな祭りです!!
そんな中、第7回 IKB81の会を開催しました。

何度もブログに登場しているのでご存知の方も多いと思いますが…

この会は、2014年より始めた
北九州総合病院と飯塚病院呼吸器内科のcase conferenceです。
Iizuka Kitakyuushusougo Byouin 肺(はい:81)の略です!!

研修医や後期研修医を中心とした会で、症例に関してdiscussionを行います。
症例は、珍しい病気からよくある病気まで様々です。

今回も、2例の症例報告とランチョンセミナーを行いました。

☆1例目 (当院より621号先生が睡眠を削って頑張ってスライドを作って下さいました!お疲れ様でした!)
皮疹(水泡)を伴うびまん性小結節影の1例
→診断:水痘・帯状疱疹ウイルス肺炎

帯状疱疹は小児期に感染した水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus; VZV)が後根神経節に潜伏感染し、高齢者や免疫力の低下時などに再活性化して神経走行に沿って発症する水疱疹。
VZVが皮膚に広範に播種しウイルス血症を生じると、肺炎、肝炎、脳炎などを続発し重篤化することがある。
本ウイルスによる肺炎は本来水痘に合併するものであり、帯状疱疹では稀。
健康成人において水痘発症後に経過中15%程度の頻度で水痘・帯状疱疹肺炎を合併するとの報告がある。

・VZV肺炎の画像所見
胸部Xpの特徴としては気管支周囲を中心に全肺野に大小不同の径2〜20mmのびまん性結節影が認められる
(Medicine, 46: 409, 1967.)
多発結節、多発結節とその周囲のすりガラス陰影、斑状のすりガラス陰影、癒合傾向を示す結節が特徴的
(Am J Roentgenol 1999; 172: 113-6.)

☆2例目 (北九州総合病院 O先生よりご発表頂きました)
2年間変化のない肺の浸潤影を伴う右胸水の1例
→診断:MALTリンパ腫(肺原発の悪性リンパ腫の胸膜播種)
〇今回の症例は、局麻下胸腔鏡で胸膜生検を行い診断。
 胸水の細胞診ではなかなか診断できない場合多いですよね…
〇今回の症例での胸水ADA 37。有意とは言えないが、鑑別をあげる時には少しひっかかる値。
・胸水ADA基準:40-45U/Lをカットオフとする。ADAによる結核性胸膜炎の診断の感度92% 特異度は90%
※ただし、その他にもADAが上昇する疾患あり。➔結核、膿胸、リウマチ、悪性リンパ腫や肺癌などの悪性腫瘍

☆ランチョンセミナー
最後は、嚥下を専門に勉強して下さっているY先生よりランチョンセミナー(嚥下講義)を行って頂きました!!
何度聞いても勉強になります。今回は、ひなまつりから学ぶ誤嚥!!
・サラサラパラパラパサパサネバネバするものは、気をつける。
・ひな祭りで考えると→ちらし寿司は酢飯はパラパラであり食べるとき注意を。ハマグリのお吸い物は、水分と具という形態の違うものなので誤嚥しやすい。可能であれば別々に食べる&汁物は少しトロミを。お酒は、覚醒を下げるため嚥下反射や咳反射を下げちゃうので注意。甘酒はアルコールではないので、甘酒などにしましょう。でも、飲みたい方もいると思うので、食後に少しのとろみをつけて飲むならいかも!
などなど、ひな祭りに関与する食事から誤嚥を学びました~☆

以上、IKB81の会のご報告でした。
お昼は、陽山の麻婆丼と中華丼の宅配を頼んで、皆で美味しく頂きました!
次回は、北九州総合病院で来年度に行う予定です。よろしくお願い致します!!
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# by res81 | 2018-03-03 14:49 | 学会・研修会 | Comments(0)

悪性胸水を思う 2018

スタッフ228号、久しぶりの登場です。


思い起こせば、このブログをTB先生と開設した当時、目的はもちろん当科の宣伝が第一ではありましたが、日常臨床で悩ましい事象に遭遇した際に、このブログの記事が少しでも役に立てば・・・そんな思いもありました。


ということで、久しぶりに勉強ネタを少し。抄読会のネタから(当院では毎週金曜日に呼吸器外科との合同カンファレンスの際に抄読会を行っています)。


テーマは「悪性胸水 (癌性胸膜炎)」


その昔、悪性胸水に対して、われわれは胸腔ドレーンを挿入し胸膜癒着術(胸腔内に薬液を注入し炎症を惹起させ、胸壁と肺とを引っ付けることで胸水をたまりにくくする治療)を行うしか術がありませんでした。


しかし、近年では、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)分子標的薬が開発され、薬の効果で胸水をたまりにくくする術を手に入れることができました。


それでも薬液だけでは完全に胸水をコントロールできないこともあり、結局あとあと胸膜癒着術を行うことがあるわけですが、長い期間胸水がたまっていると、胸水を抜いたあとも肺が膨らまないことが起こりえます。肺の膨らみが悪ければ、胸膜癒着術はほぼ無力です…こんなことなら、やっぱり初めから胸膜癒着術を施行しておけばよかった…いや、でも癒着術は痛みを伴うことも多いし…むむむ…


そんな悩ましき悪性胸水。

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そこで、この機会に自分なりにまとめてみました。あくまで私見ですので悪しからず。

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一見すっきりしているように見えるかもしれませんが、じつは最初の判断が一番悩ましいのです。どれくらい速いスピードなら、すぐに胸腔ドレーンを挿入して胸膜癒着術を行うべきか。具体的に少し考えてみました。


・胸水貯留による呼吸不全で救急搬送された初診の患者さん(救急要請するほどの呼吸のきつさ)


・最初に胸水穿刺をして、ある程度排液を行って、胸水の検査結果を待っていたり他の検査を行っている1-2週間の間に再貯留してしまい呼吸困難を生じる患者さん


一方で、EGFR-TKIや分子標的薬の適応が判明した場合(癌の組織診断と遺伝子検査が必須)には、少々胸水が再貯留しようとも、これらの薬を早めに導入し、必要に応じて穿刺排液を行いながら薬を継続する治療も考えられます。ただ、薬の効果を期待しすぎて、穿刺排液を行いながら粘りすぎないように気をつけなければなりません。先にも書きましたが、粘りすぎて、結果的に胸水の貯留期間が長くなり、肺の拡張が得られがたくなってしまうことは、できれば避けたいところです。


じつはこの図のポイントは「EGFR-TKIを使用しているときに胸膜癒着を考えた際は、一旦休薬しましょう」という点にもあります。


癒着術前後のEGFR-TKIは、どうやらARDS(急性呼吸窮迫症候群)を含む肺障害を起こしやすくするリスク因子のようなのです。愛知医科大学さんからの論文を読ませていただきました。癒着後にEGFR-TKIを再開する場合も、癒着から一ヶ月程度は間隔を空けて再開するほうがよさそうです。論文では対象患者さんは、OK-432で癒着された方々ですが、Talkでも同様の注意が必要かと思います。


なお、悪性胸膜中皮腫を疑う患者さんにおいては、別個で考えたほうがよいです。胸水穿刺部位やドレーン挿入部への播種の問題がありますので、内科的にはできる限り穿刺は最小限に控え、早めに呼吸器外科と相談しながら治療方針を検討すべきかと思います。

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癒着剤の使い分けに関しては、どうでしょうか。
当院でよく使用する薬液に関してまとめています。

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Talk(ユニタルク®)OK-432(ピシバニール®)が用いられることが多いかと思いますが、基本的に間質性肺炎がある(あるいはありそうな)方には、Talkは避けたいところです(添付文書上は「慎重投与」です)。


胸腔鏡下の胸膜生検後もTalkは避けたほうがよいです。Talkが生検した部分から吸収され全身に影響を及ぼす可能性があるからです。じつは個人的には、以前一例だけ、胸膜生検後にOK-432で胸膜癒着術を行ったあとにARDSを来した症例を経験したことがあります。ですので、OK-432なら大丈夫かというと絶対そうともいえないなと、やはり癒着術を行う以上、ARDSなど肺障害の注意は必要かと思います(特にもともと間質性肺炎があったり、胸膜生検後では、たとえOK-432でも)。


そんなこんなで、悪性胸水に想いを馳せてみました、2018年2月。どの医療分野もそうかと思いますが、医療はすさまじい勢いで成長しており、新たな薬剤がどんどん登場しています。今後胸水に対しての治療の考え方も変わってくるかもしれませんので、本記事はあくまで暫定的なもの、2018年2月時点です。今後はまた適宜更新したいと思います。そういえば、免疫チェックポイント阻害薬の胸水に対する効果はどうなんでしょう…うっ早速また調べてみます…エンドレス(笑)



参考資料:
UpToDate「Management of malignant pleural effusions」
DynaMed「Pleural effusion」
Intern Med 2017;56:1791-1797.
 → 参考にさせていただいた愛知医科大学さんの論文
Lancet Oncol 2014;15:1236-1244.
 → EGFR-TKIのエルロチニブ(タルセバ®)と抗VEGFモノクローナル抗体のベバシ
 ズマブ(アバスチン®)の併用療法の有用性を示したPase II トライアル(JO25567)。
 このトライアルのサブグループ解析で、エルロチニブとベバシズマブの併用療法
 が、悪性胸水(ならびに心嚢水)貯留症例で、無増悪期間がより延長されることが
 示されました。
中外製薬のパンフレット「胸水コントロールの意義」
 → 癒着術やベバシズマブ併用化学療法における胸水コントロール率に関してま
 とめてあります。
Chest 2014;146:557-562.
 → 留置カテーテルをつたって播種・転移が起こりえます(特に悪性胸膜中皮腫)。
日呼誌 2011;49:981-985.
 → 原発性滲出性リンパ腫による胸水コントロールにステロイドが有効でした。




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# by res81 | 2018-02-12 16:52 | 胸膜癒着術 | Comments(0)

国内留学 と えんげ塾 のご報告

皆様こんばんは。
雪がしんしんと降り注ぐなか、医局で暖をとっている(=当直中の)スタッフ Yです。いろいろな病棟から呼ばれるのも、また違った雪景色を楽しませてくれているような気がして、いつもより心なしか足取りが軽いように思います。

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 ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~

12週間の国内留学を終えて飯塚へ戻り、早1か月が経ちました。

今回、就職前からのたっての希望で、浜松市リハビリテーション病院へ、嚥下を中心としたリハビリテーションを学びに行かせていただきました。就職時に希望は伝えていたものの、本当に行かせてもらえるんだ!というのが正直な感想でした(そしてこれは当科ホームページ新設時のスタッフインタビューでもつい口走ってしまい、そのまま書かれてしまいました)。

これまで誤嚥性肺炎に興味がありながらも十分な勉強もできておらず、研修に大きな不安があるのも事実でした。けれど浜松の先生方、そして院内中のスタッフの皆様があたたかく迎えてくださり、あっという間の時間でした。

主治医として主に嚥下障害の患者さんを担当しながら、浜松ならではの見学もさせていただき、贅沢な学びの場でした。全国から助けを求めて受診される嚥下の専門外来、出血もせずリハビリも休まず続けられる局所麻酔下の声門閉鎖術や、食堂で普段通り食事を撮りながらの嚥下内視鏡、部屋や椅子・食品の細部までこだわりぬいた嚥下造影検査、そして様々な研究教育活動など、目から鱗の日々でした。

回復期病院で働くこと自体が初めてで戸惑いましたが、急性期病院での治療が終わって生活の場へ戻るまでのその時間の過ごし方により、その後の生活、人生が大きく変わってくることを感じました。すべてが多職種スタッフと患者さん、ご家族とともに作り上げられていく様子が新鮮で、急性期医療の現場でも(医師主導にならざるを得ない場面もありますが)活かしたい視点でした。

私のわがままを叶えていただき、聖隷浜松病院でのベッドサイドでの嚥下内視鏡や評価、嚥下造影検査やカンファレンス、回診の見学も定期的にさせていただきました。当院同様の急性期病院で嚥下障害の患者さんの診療にどう携わっていくのか、少しずつ見えてきたような気がしました。

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こんなにも貴重な研修をさせていただけたのは、飯塚での診療を手厚く引き継いでくださった呼吸器内科の皆様のおかげです。快く送り出してくださり、心より感謝しております。

 ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~

そしてこの学びをなんとか共有できないかと、「えんげ塾」という勉強会を、先日 初めて開催することができました。院内職員が80名以上来てくださり、栄養士さん、STさん、認定看護師さん、歯科口腔外科の先生、そして呼吸器内科の皆様も手伝ってくださり、おかげさまで大盛況でした。

みんなで院内の嚥下食について学んだあと、実際の嚥下食を試食しながら、どういうことに配慮して作られているか、どういう患者さんに適しているかなど、五感を使って体験しました。

「えんげ塾」は今後も定期的に開催していく予定です。えんげに対する不安や混乱が、少しでも興味に変えられたらなと願っています。

ただ・・・呼吸器内科の皆様に恩返しがしたくて企画したはずなのに、さらに助けてもらってばかりなところが、我ながら詰めが甘かったところなのですが。もう少し、ここの優しさに甘えようと思います。

寒い日々が続きますが、飯塚は今日もとってもあたたかです。皆様もお身体お気をつけくださいね。
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# by res81 | 2018-02-05 00:08 | 科の紹介 | Comments(0)