人気ブログランキング | 話題のタグを見る

飯塚病院呼吸器内科のブログ
by res81
お知らせ
福岡県の飯塚病院呼吸器内科のブログです。

呼吸器内科スタッフ13名+呼吸器腫瘍内科スタッフ1名+専攻医4名+特任副院長1名(R5年4月現在)で、日々楽しく頑張っています。
大学の医局に関係なく、様々なバックグラウンドのドクターが集まっています。

飯塚病院呼吸器内科では、専攻医やスタッフを募集しています。ご興味のある方は
ktobinoh2@aih-net.comまでご連絡ください。

お勧めブログ
飯塚病院血液内科ブログ
カテゴリ
全体
科の紹介
学会・研修会
身体所見
画像診断
気管支鏡
COPD
喘息
肺炎
抗酸菌
肺癌
間質性肺炎
咳嗽
胸水
胸膜癒着術
中皮腫
じん肺
真菌症
気管支拡張症
膠原病
病理学
感染症
アレルギー
肺高血圧症
写真部
Pearl
ジャーナルパトロール
統計
気胸
症例
COVID-19
こきゅうの歩き方
未分類
記事ランキング
検索
最新のコメント
> kuronoさん ..
by res81 at 13:29
> kuronoさん ..
by res81 at 13:26
透析患者など、頻回に中心..
by kurono at 14:58
同様なケースを経験しまし..
by kurono at 14:56
RAの肺疾患について非常..
by Jake at 16:35
先生、ポスターもブログも..
by Y@いいづか at 10:55
APSRのセッション、ポ..
by つぎとみ@せいろか at 21:09
228先生 先日は、久..
by k at 01:25
横山様 コメントありが..
by res81 at 17:47
こんにちは。咳のことを検..
by 横山 at 13:50
タグ
フォロー中のブログ
最新のトラックバック
外部リンク
ファン
ブログジャンル
画像一覧


ほぼ日刊論文パトロール #55: ゾレアinフランス

Real-life omalizumab exposure and discontinuation in a large nationwide population-based study of paediatric and adult asthma patients

ーーー
(引用と翻訳開始)

〈背景〉
この実臨床研究は、成人および小児の喘息患者におけるオマリズマブ治療パターンを評価し、オマリズマブ開始時および中止時の喘息コントロールおよび医療資源使用(HCRU)について記述することを目的とした。

〈方法〉
フランスの医療データベースシステム(SNDS:Système National des Données de Santé)を用いて、2009~2019年にオマリズマブを16週間以上開始した6歳以上の喘息患者を同定した。

調剤記録を用いてオマリズマブの投与パターンを検討した。

〈結果〉
オマリズマブを開始した成人16 750例、小児2453例を同定した。

中止前の治療継続期間(TSTOP)の中央値は、成人で51.2(95%CI 49.3-53.4)ヵ月、小児で53.7(95%CI 50.6-56.4)ヵ月であった。

オマリズマブ投与2年後では、成人および小児において、喘息による入院率は75%減少し、経口コルチコステロイド(OCS)の使用は30%減少した。

喘息がコントロールされた状態でオマリズマブを中止した成人では、それぞれ70%、39%、24%がコントロールされたままで、中止から1年後、2年後、3年後にオマリズマブを再開しなかった。

これらの割合は小児でより高かった→それぞれ76%、44%、33%。

投与中止後2年間の追跡調査において、HCRUは成人・小児ともに安定しており、特に喘息による入院率(TSTOP前はなし、2年後は1.3%、0.6%)とOCSの使用率(成人・小児それぞれ:TSTOP前は20.0%、20.2%、2年後は33.3%、24.6%)は安定していた。

〈結論〉
本研究は、フランスにおける成人および小児喘息患者におけるオマリズマブの実生活曝露パターンを、10年以上の追跡期間を経て記述した初の大規模研究である。

我々は、喘息がコントロールされている間にオマリズマブを中止した成人および小児において、特にOCSの使用と喘息による入院について、低いHCRUが長期的に維持されていることを示した。

(引用と翻訳終わり)
ーーー

ゾレアやめた後25%は大丈夫みたいですねー

# by res81 | 2023-10-11 11:48 | 喘息 | Comments(0)

帰ってきたほぼ日刊ケースレポートパトロール #54:喘息による脊柱管内気腫!

Pneumorrhachis secondary to exacerbation of asthma: A case report and literature review
Chris Zi-Fan Zhao, Nadia Poci, Daniel Niewodowski, Amy Baker, Christine McDonald

インパクトありますね!
過去28例報告があります。

# by res81 | 2023-10-10 16:45 | 喘息 | Comments(0)

ほぼ日刊論文パトロール #54: COPDにおける長時間作用型気管支拡張薬の心血管系副作用

スタッフのTBです。

先週すっかりアップを忘れておりました…イベントが多すぎまして。いい意味で。
科の中では毎日続いておりますよ!

Combination therapy with long-acting bronchodilators and the risk of major adverse cardiovascular events in patients with COPD: a systematic review and meta-analysis.
Yang M, Li Y, Jiang Y, Guo S, He JQ, Sin DD.

---
(引用と翻訳開始)

〈背景〉
RCTによる質の高いデータが蓄積され、LAMA/LABA併用療法が、COPD患者の臨床症状や健康状態を有意に改善し、増悪リスクを低減させることを示している。

しかし、LAMA/LABA療法がCOPD患者における心血管疾患のリスクを高めるのではないかという懸念が高まっている。

本稿の目的は、LAMA/LABA併用療法の使用がCOPD患者における心血管疾患のリスクを修飾するかどうかを明らかにすることである。

〈方法〉
2名の査読者が独立してEmbase、PubMed、Cochrane Libraryを検索し、COPD患者の管理におけるLAMA/LABAまたはLABA/LAMA/吸入コルチコステロイド(ICS)の関連RCTで、心血管エンドポイントについて報告するものを特定した。

主要アウトカムは、心血管死、心筋梗塞、脳卒中の複合である主要有害心血管イベント(MACE)であった。

〈結果〉
91021人の被験者が登録された51のRCTが分析された。

LAMA/LABAの2剤併用療法(1.6%対1.3%、相対リスク1.42、95%CI 1.11-1.81)
および
3剤併用療法(1.6%対1.4%、95%CI 1.29-1.61)
は、
ICS/LABAと比較してMACEリスクを著しく増加した!

この過剰リスクは、ベースラインの平均MACEリスクが年率1%以上であったRCTで最も顕著であった。

LAMAのみ、LABAのみ、プラセボと比較して、LAMA/LABA二重療法はMACEリスクを有意に増加させなかったが、これらの比較は十分な統計的検出力を欠いていた可能性がある。

〈結論〉
ICS/LABAと比較して、LAMA/LABAの2剤併用療法または3剤併用療法は、COPD患者の心血管リスクを増加させる。

このことは、COPD患者の症状や増悪率に対するこれらの治療法の増分的な利益、特にMACEリスクが年間1%超の患者における利益との関連で考慮されるべきである。

(引用と翻訳終わり)
---

だそうです。
LAMAは少し悪そうですねぇ…



More
# by res81 | 2023-10-10 10:22 | COPD | Comments(0)

帰ってきたほぼ日刊ケースレポートパトロール#53:抗菌薬の安易な中止は危険!

Older Adult Woman in a Coma After Acute Laryngitis
Chest. 2023 Sep;164(3):e65-e69. doi: 10.1016/j.chest.2023.04.038.

高齢者の喉頭炎で開業医が抗生剤投与→病院に入院し担当医がウイルス性と判断して抗菌薬ストップ→3日後に意識障害→敗血症からの高アンモニア!
意識高めな研修病院でありそうな経過ですね(T_T)
入院後の抗生剤中止の安全性について、調べてみたら面白いかも。

# by res81 | 2023-09-29 12:26 | 感染症 | Comments(0)

ほぼ日刊論文パトロール #53:食道裂孔ヘルニアは肺の間質性陰影と関連

Associations of hiatus hernia with CT-based interstitial lung changes: the MESA Lung Study
Eur Respir J. 2023 Jan 27;61(1):2103173. doi: 10.1183/13993003.03173-2021. Print 2023 Jan.
https://erj.ersjournals.com/content/61/1/2103173

ーーー
(引用と翻訳開始)

〈背景〉

肺線維症の成人には、裂孔ヘルニア(HH)が蔓延している。

我々は、地域住民の成人において、HHが肺の炎症や線維化のマーカーと関連し、MUC5B(rs35705950)のリスクアレルキャリアでより強くなるであろうという仮説を立てた。


〈方法〉

Multi-Ethnic Study of Atherosclerosisにおいて、HHは、Exam 1(2000-2002、n=3342)およびExam 5(2010-2012、n=3091)でそれぞれ実施した心臓および全肺CTスキャンから評価された。

高吸収領域(HAA:減衰量が-600~-250HUのボクセルの割合)の割合は、心臓および肺のスキャンから測定した。

間質性肺異常(ILA)は、Exam 5スキャンから調べた(n=2380)。

回帰モデルを用いて、HHとHAA、ILA、血清マトリックスメタロプロテアーゼ-7(MMP-7)との関連を調べ、年齢、性別、人種/民族、学歴、喫煙、身長、体重、HAA解析用のスキャナーパラメーターで調整した。


〈結果〉

Exam 5スキャンから検出されたHHは、特にMUC5Bリスクアレル保有者において、HAAの平均割合差2.23%(95%CI 0.57-3.93%)および1年あたり0.48%(95%CI 0.07-0.89%)の増加と関連していた(相互作用のp値0.02)。

HHは80歳未満のILAと関連し(ILAのOR 1.78、95%CI 1.14-2.80)、喫煙者では血清MMP-7レベルが高かった(喫煙作用に関するp値=結論〉HHは,経時的に,特にMUC5Bリスクアレル保者ではより多くのHAAと,若年者ではILAと関連しており,間質性肺疾患の初期段階における危険因子となる可能性があった。


(引用と翻訳終わり)
ーーー


素晴らしいデータですね。

真似したいけど、遺伝子調べられない所で勝てないです( ;∀;)

でもやる意義はありそうです。




# by res81 | 2023-09-29 12:00 | 間質性肺炎 | Comments(0)