飯塚病院呼吸器内科のブログ
by res81
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福岡県の飯塚病院呼吸器内科のブログです。

呼吸器内科スタッフ10名+呼吸器腫瘍内科スタッフ1名+後期研修医3名(H30年4月現在)+特任副院長1名で、日々楽しく頑張っています。
大学の医局に関係なく、様々なバックグラウンドのドクターが集まっています。

飯塚病院呼吸器内科では、後期研修医やスタッフを募集しています。ご興味のある方は
iizukakokyu@gmail.com までご連絡ください。

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タグ:嚥下 ( 3 ) タグの人気記事

ヨーロッパ嚥下学会(ESSD) 発表のご報告 

アイルランドより最後の投稿です、と書きかけたところで終わっておりました。
ロンドンで乗り換え便を待っている、スタッフのYです。

充実のヨーロッパ嚥下学会もとうとう終わってしまいました。

今回はこれまでで初めてとなる海外での口演をさせていただきました。現在行っているCOPDと嚥下にまつわる研究について発表させていただいたいのですが、予想以上に反響が大きく、会場内外で多くの質問や意見もいただき、この分野の関心の高さを実感しました。

大柄の欧米人に交じって負けじと発表してきたのですが、どうしても身長が足りず、発表中に足元に表示されるはずの自分のスライドが全く見えなかったり、マイクを大幅に曲げないと声が通らないというトラブルもありました。けれど、そうしたことも含めて何度か会場の笑いをとれたので、関西人としては良しとします。内容はさておき、一つしかない大人数の会場で笑ってもらえたり拍手で迎えられるのは気持ちが良いものですね。

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今年から院内で定期的に開催している「えんげ塾」に関するポスター発表も多職種の方々が興味を持ってくださり、自施設でも真似をしたい、せっかくなので多くの人が繰り返し聴講できるようにeラーニングにしたほうがいい、担当者が変わっても継続可能な形にする工夫をしたほうがよい、などといったコメントもいただきました。またわざわざポスターのところまで来て、COPD研究の口演の感想を聞かせてくださる方も多く、終始暖かく和やかな学会でした。

日本の方々も多く発表されており、自分自身も日常診療につながる研究を行ってまたこの舞台に立ちたいと何度も思いました。アイルランドは実はギネスビールアイリッシュウイスキーの発祥地で、(私は全く飲めないのですが)パブでギターの生演奏を聴きながら過ごす、日々の学会後の時間もなかなか楽しいものでした。

ご指導いただいた部長や、気持ちよく送り出してくれて、忙しい留守を守ってくれた飯塚病院呼吸器内家の仲間たちに感謝でいっぱいです。呼吸器内科に所属しながら、呼吸器ではない学会のために長く不在にすることを快く受け入れてくださり、心から感謝しております。帰国後、気を引き締めて頑張ります。

帰りも3本のフライトを乗り換えて帰国します。大型台風が来ているようで、すでに帰りの便にも影響が出ております…皆様もどうかご無事でありますように。

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by res81 | 2018-09-30 20:15 | 学会・研修会 | Comments(0)

ヨーロッパ嚥下学会(ESSD)の様子(慢性呼吸器疾患と嚥下障害)

アイルランドよりこんばんは、スタッフのYです。

ヨーロッパ嚥下学会も中盤になりました。実はこの学会、ラグビー好きには聖地ともされるAVIVAスタジアム内にある、記者会見のようなスペースで開かれています。

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なんと昼食やポスターの会場は、スタジアムを見下ろせる通路で、解放感たっぷりです。ポスターは学会期間中は貼りっぱなしなので、日々見てもらえて、作った甲斐があります。

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これまで行かせていただいた呼吸器関連の国際学会は規模の大きさに圧倒されていましたが、飯塚病院で毎年行かせていただいているうちにいつしかそのスケールに慣れていたところもありました。ヨーロッパ嚥下学会では講演は一部屋でのみ行われており、日本では地方会でも何部屋も同時進行で発表が行われることを思うと、案外こじんまりとした会だなと初めは驚きました。
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けれど参加してみてすぐにわかったのは、だからこそ議論が活発に行えて面白いということです。多職種多国籍の方々が一部屋に朝から晩まで一緒にいるので、自然と生まれてくる一体感のような、だれが演者で誰が聴講者かという境界線も感じにくいような、距離の近さでした。
集中治療や慢性呼吸器疾患領域における嚥下障害の話題も多く、とくにCOPDにおける嚥下障害の評価やケア、そして栄養管理などについてまとまって学べたのは貴重な機会でした。


集中治療領域では、ICUにおける嚥下障害の頻度の多さと嚥下評価や嚥下障害を起こさせない工夫の必要性を詳細に学びました。気管挿管時に予想以上に咽喉頭の損傷があり、20-90%に抜管後嚥下障害がみられます。うち80%では誤嚥を来し、その83%は不顕性誤嚥であるということですので、ベッドサイドでのスクリーニングでは気づけない可能性も高く、注意が必要そうです。しかし抜管後の嚥下障害は24時間以内に劇的に回復する例が多く、嚥下評価のタイミングは難しい(抜管後早期の評価を基準に絶飲食を長期化させてはいけない)とのことでした。集中治療領域における鎮痛鎮静や循環動態の管理にはガイドラインがあるのに嚥下障害については定まったものが何もなく(一日も早く抜管することが嚥下障害にはよいということは共通しているものの)、症例ごと、施設ごとに丁寧な対応が重要になります。


また気管切開後、人工呼吸器からのウィーニングに関しては一般的に行われていますが、カニューレ抜去に向けたウィーニング、つまり分泌物や嚥下を照準としたカニューレ離脱への試みについては私自身あまり積極的に考えられていなかったことを気づかされました。とくに、気流が絶たれた声帯へ空気を流すことは重要で、気管カニューレのカフ上部用の吸引管から酸素を流す方法は訓練になるのみならず、人工呼吸器を使用しながらも発声を可能にさせるコミュニケーション手段(精神面への配慮)としても注目されており、活用してみたいと思いました。

慢性呼吸器疾患に伴う嚥下障害に関しては近年関心も高いものの、多因子が関与しており全身状態不良のことも多いため訓練に難渋します。COPDでは嚥下の前後に吸気が入りやすいことが知られており、これは当科でも共同研究をさせていただいているテーマです。またCOPD、頭頚部癌治療後では嚥下時の肺気量が通常より多いため、嚥下障害が出るようです。頭頚部疾患治療後(中には10年程経過した患者でも)どの程度息を吐いた時点で嚥下をするか(嚥下時の理想の肺気量)を訓練で習得することができ、実際にQOLがかなり改善しているようです。実際に動画でその変化を目の当たりにし、今後COPDにも応用できればと願うばかりです。


講演後に演者の先生方に、日常臨床や自身の研究で感じている葛藤や疑問も恐る恐る相談してみたところ、大変あたたかく相談に乗ってくださいました。いかに臨床場面で注意深く観察するか、現場にあるもので頑張るか、という姿勢に、臨床に限りなく近い学会であることを感じました。実は3年間に学会で来日されていたアメリカの言語聴覚士さんの話を聞いて呼吸と嚥下の協調性に興味を持ったことが今の研究へのきっかけだったので、このタイミングでまたお会いでき、とても励みになりました。

国際学会でありながら気さくに人と出会える暖かさに感謝して、控えている発表を頑張りたいと思います。

曇りがちなアイルランドですが、今日は晴れていたので、今回同行させていただいている先生方と玄関で記念撮影できました。
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by res81 | 2018-09-28 23:41 | 学会・研修会 | Comments(0)

国内留学 と えんげ塾 のご報告

皆様こんばんは。
雪がしんしんと降り注ぐなか、医局で暖をとっている(=当直中の)スタッフ Yです。いろいろな病棟から呼ばれるのも、また違った雪景色を楽しませてくれているような気がして、いつもより心なしか足取りが軽いように思います。

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 ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~

12週間の国内留学を終えて飯塚へ戻り、早1か月が経ちました。

今回、就職前からのたっての希望で、浜松市リハビリテーション病院へ、嚥下を中心としたリハビリテーションを学びに行かせていただきました。就職時に希望は伝えていたものの、本当に行かせてもらえるんだ!というのが正直な感想でした(そしてこれは当科ホームページ新設時のスタッフインタビューでもつい口走ってしまい、そのまま書かれてしまいました)。

これまで誤嚥性肺炎に興味がありながらも十分な勉強もできておらず、研修に大きな不安があるのも事実でした。けれど浜松の先生方、そして院内中のスタッフの皆様があたたかく迎えてくださり、あっという間の時間でした。

主治医として主に嚥下障害の患者さんを担当しながら、浜松ならではの見学もさせていただき、贅沢な学びの場でした。全国から助けを求めて受診される嚥下の専門外来、出血もせずリハビリも休まず続けられる局所麻酔下の声門閉鎖術や、食堂で普段通り食事を撮りながらの嚥下内視鏡、部屋や椅子・食品の細部までこだわりぬいた嚥下造影検査、そして様々な研究教育活動など、目から鱗の日々でした。

回復期病院で働くこと自体が初めてで戸惑いましたが、急性期病院での治療が終わって生活の場へ戻るまでのその時間の過ごし方により、その後の生活、人生が大きく変わってくることを感じました。すべてが多職種スタッフと患者さん、ご家族とともに作り上げられていく様子が新鮮で、急性期医療の現場でも(医師主導にならざるを得ない場面もありますが)活かしたい視点でした。

私のわがままを叶えていただき、聖隷浜松病院でのベッドサイドでの嚥下内視鏡や評価、嚥下造影検査やカンファレンス、回診の見学も定期的にさせていただきました。当院同様の急性期病院で嚥下障害の患者さんの診療にどう携わっていくのか、少しずつ見えてきたような気がしました。

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こんなにも貴重な研修をさせていただけたのは、飯塚での診療を手厚く引き継いでくださった呼吸器内科の皆様のおかげです。快く送り出してくださり、心より感謝しております。

 ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~ * ~

そしてこの学びをなんとか共有できないかと、「えんげ塾」という勉強会を、先日 初めて開催することができました。院内職員が80名以上来てくださり、栄養士さん、STさん、認定看護師さん、歯科口腔外科の先生、そして呼吸器内科の皆様も手伝ってくださり、おかげさまで大盛況でした。

みんなで院内の嚥下食について学んだあと、実際の嚥下食を試食しながら、どういうことに配慮して作られているか、どういう患者さんに適しているかなど、五感を使って体験しました。

「えんげ塾」は今後も定期的に開催していく予定です。えんげに対する不安や混乱が、少しでも興味に変えられたらなと願っています。

ただ・・・呼吸器内科の皆様に恩返しがしたくて企画したはずなのに、さらに助けてもらってばかりなところが、我ながら詰めが甘かったところなのですが。もう少し、ここの優しさに甘えようと思います。

寒い日々が続きますが、飯塚は今日もとってもあたたかです。皆様もお身体お気をつけくださいね。
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by res81 | 2018-02-05 00:08 | 科の紹介 | Comments(0)